過去の公演

ポール・クローデル没後50周年記念行事
空中庭園第七回公演 クローデルの詩による創作能連続上演

作・構成・演出:渡邊守章
節付・作舞:観世榮夫

2005年3月22日(火)19時開演 3月26日(土)14時30分開演

長谷観世音 長谷観世音
長谷観世音〔牡丹の精〕観世榮夫 2004年2月 パリ日本文化会館公演より

解説を読む

出演
観世銕之丞 福州鼓山湧泉寺の尼僧〔イゼの霊〕/長谷観世音〔牡丹の精〕
梅若晋矢 詩人
茂山逸平 間・福州鼓山の精=童子
観世榮夫 他 地謡
一噌幸弘
大倉源次郎(22日)古賀祐己(26日) 小鼓
亀井広忠(22日)柿原弘和(26日) 大鼓
三島 卓 太鼓


2005年3月24日(木)19時開演 3月26日(土)14時30分開演

解説を読む

前シテ(老人)観世榮夫
後シテ(聖ヤコブ)観世榮夫
二重の影 梅若晋矢
ドニャ・プルエーズ 梅若晋矢
2004年2月 パリ日本文化会館公演より
出演
観世榮夫 老人クローデルの霊・聖ヤコブ
茂山宗彦 三番叟を舞う若者・ドン・ロドリッグ
梅若晋矢 二重の影・ドニャ・プルエーズ
河村和重 他 地謡
一噌幸弘
北村治 小鼓
亀井広忠(24日) 大鼓
柿原光博(26日)  
三島卓 太鼓
照明 服部基
演出助手 前川錬一
舞台監督 本城義明
制作 渡邊清子
   荻原達子
制作助手 岩崎マチ子
主催 空中庭園/ポール・クローデルの詩による創作能上演委員会
助成 芸術文化振興基金
企業メセナ協議会認定事業
後援 駐日フランス大使館
ポール・クローデル没後50周年記念企画委員会
日仏経済交流会(パリ・クラブ)
自由が丘日仏協会

於:宝生能楽堂
東京都文京区本郷1-5-9 tel 03-3811-4843
JR水道橋駅(東口)/都営三田線
水道橋駅(A1出口)/都バス水道橋下車

全席指定
S席(正面):8000円
A席(脇正面):6000円
B席(中正面):5000円

チケット取り扱い
空中庭園 tel 03-5753-0418 fax 03-5753-0419
チケットぴあ tel 0570-02-9999・9988
  03-5237-9966 (Pコード予約351-302)

お問い合わせ:空中庭園 tel 03-5753-0418

ポール・クローデルの詩による創作能『内濠十二景あるいは<二重の影>』
作・構成・演出:渡邊守章
作舞・節付け:観世榮夫
提携:世田谷パブリックシアター

於:世田谷パブリックシアター
2004年2月21日(土)午後7時開演
2004年2月22日(日)午後2時開演

於:パリ日本文化会館
2004年2月24日(火)午後8時開演
  2004年2月25日(水)午後7時30分開演

於:京都造形芸術大学春秋座
2004年3月1日(日)午後7時開演
午後2時から対談:「日本を読み解くクローデル」
京都造形芸術大学 芳賀徹学長
演出家 渡邊守章放送大学副学長

文化庁先駆的舞台芸術振興事業・国際交流基金・企業メセナ協議会認定事業
人類の無形文化遺産傑作宣言記念UNESCO後援

後援
駐日フランス大使館
駐仏日本大使館

出演
詩人クローデルの霊・聖ヤコブ 観世榮夫
三番叟を舞う若者・ドン・ロドリッグ 野村萬斎
二重の影・ドニャ・プルエーズ 梅若晋矢
地頭 河村和重
一噌幸弘
小鼓 大倉源次郎(21日・パリ・京都)
  吉阪一郎(22日)
大鼓 原岡一之(21日)
  亀井広忠(22日・パリ・京都)
太鼓 三島卓
物語

「二重の影」とは、クローデルの大作戯曲『繻子の靴』で、結婚の掟のために、地上では結ばれない二人の恋人、ロドリッグとプルエーズの恋の執念が一塊の黒い影となって現れたものだ。「二重の影」の場面は、大正十一年に書かれているが、同時期に書かれた『内濠十二景』という日本的美学を取りこんだ詩篇と重ねて、皇居内濠の壁に、若者の三番叟の舞いが、「二重の影」を出現させ、ロドリッグとプルエーズの地上では叶えられない恋を舞う。地上では結ばれない恋人を天井での和解へと調停するのは、狩人オリオン星座の姿を取った牧人聖ヤコブである。

コンセプト

大正年間に大使として東京に駐在したクローデルは、20世紀最大の劇詩人として、現在も新演出が盛んに行われているが、この創作能は、クローデルが愛した能の劇作術と技法と美学によって、クローデルの日本時代のテクストを舞台化しようとするものである。異文化の相互照射である。

経緯:仏文学者で演出家の渡邊守章と観世榮夫のコラボレーションは、1957年第一回能・狂言パリ公演に遡るが、創作舞台は1970年代の「冥の会」における古代悲劇上演あり、また1980年代後半には、「パルコ能ジャンクション」として、野村萬斎(当時の武司)とともに作った『葵上』『当麻』がある。渡邊と萬斎の仕事は、1990年グローブ座の『ハムレット』以来。

本邦初演:2001年、国際クローデル会議(ブラング城館)とパリ日本文化会館で世界初演されたが、日本では今回が初演である。 2001年の記録写真へ

入場料・発売日

1.世田谷パブリックシアター

先行売り出し(会員・世田谷区民):2004年2月8日・9日
一般売り出し(ぴあ等):2004年2月10日
料金 S席 7,000円 A席 6,000円 B席 4,000円

2・京都造形芸術大学舞台術研究センター春秋座
12月1日より発売中
料金(一般):前売 4,500円 当日 5,000円 学生・ジュニア割引 2,500円

3.パリ日本文化会館では『内濠十二景あるいは二重の影』と共に次の演目が演じられる。

2月23日(月)20時開演
 『翁』 翁:観世榮夫 千歳:河村和晃 三番叟:野村萬斎 小鼓頭取:大倉源次郎
『うつぼ猿』大名:野村万作 猿引き:野村萬斎 太郎冠者:石田幸雄 子猿:野村沙耶子

2月24日(火)20時開演 『内濠十二景あるいは二重の影』

2月25日(水)16時開演 能楽囃子コンサート:『道成寺』『石橋』
        19時30分開演 『内濠十二景あるいは二重の影』

2月26日(木)20時開演 
『うつぼ猿』大名:野村萬斎 猿引き:石田幸雄 太郎冠者:高野和憲 子猿:野村裕基
クローデルの詩による新作能舞『百扇帖――長谷寺の牡丹』渡邊守章作・構成・演出
観世榮夫節付け・作舞 観世榮夫主演
『川上』夫:野村万作 妻:石田幸雄

 

シラノチラシ「空中庭園」を拠点に活動している演出家渡邊守章が、古巣の演劇集団「円」のために、橋爪功のシラノで、平成13年2月に、世田谷パブリック・シアターで演出し、大好評であった舞台「シラノ・ド・ベルジュラック」。日本では、辰野隆・鈴木信太郎訳で知られるこのフランス・ロマン派最後の打ち上げ花火を、訳・演出の渡邊は、橋爪功という現代演劇の最も台詞の立つ俳優にはめて、自らの新訳により新演出をし、作品の現代性と、同時に歴史的な奥行きを舞台に立ち上げた。

渡邊は、かねがねこの戯曲のテンポやリズムは、ジャズのスイングのように、軽快で遊びに貫かれていなければならないとして、従来の日本におけるセンチメンタルで重ったるいシラノを作りなおすと宣言していたが、事実橋爪はこの役で、読売演劇大賞にノミネートされる記念碑的な演技を見せた。同時に石井英明のクリスチアン、高橋理恵子のロクサーヌも新鮮な魅力に溢れ、この劇作の真の意味をよく理解させたと評判であった。

演出スタッフは、いつも渡邊演出を支えてきた装置の丸田道夫、照明の服部基、衣装の渡邊園子、音響の深川常次、演出助手の前川錬一、舞台監督の井川学と、息の合ったチーム・ワークで、ともすれば豪華なショーと名優の一人芝居に終わりがちな『シラノ』を、現代の作品として読み直すことに大いに力があった。

翻訳も第一幕の冒頭をかなりカットしたほかは、原作に忠実であったが、同じに、時代的な枠組みーーつまり19世紀末が見た17世紀前半の文化と人間ーーを鮮明にするために、プロローグを付け、場面転換の語りを入れ、特に第4幕から第五幕にかけての転換は、クリスチアンの屍骸を引きずりながら「ガスコン青年隊」の台詞を絶叫するシラノによって、極めて感動的な情景を作った。映像の一部は、渡邊が放送大学で持っている授業番組『現代における伝統演劇』でも使われている。

ついでながら、同じ世田谷のシアター・トラムで、渡邊が「空中庭園」の製作で作ったジュネの『バルコン−−革命夜話幻想館』(篠井英介)主演は、放送大学の大学院『表象文化研究』の第14回「イメージのドラマトウルギー」で、そのさわりを見ることが出来る。

「悲劇フェードル」チラシフランス17世紀古典悲劇の代表作として名高いジャン・ラシーヌの「悲劇フェードル」は,演出家渡邊守章のレパートリーとして知られており,すでに1986年に東京とパリ国立シャイヨー宮劇場で上演されて,絶賛を博しました。今回は,ラシーヌ没後300年記念の企画で,1999年11月から12月にかけて,東京は青山円形劇場において,パリはパリ日本文化会館(館長磯村尚徳氏)で上演しました。
 配役は,フェードルに初演と同じく後藤加代,フェードルが禁じられた恋をする相手の義理の息子である王子イポリットには演劇集団円の若手石井英明を配し,パリ公演でも,観客を魅了しました。アテネの王テゼには初演以来の円の大谷朗,フェードルの乳母には女形で青山吉良,イポリットのお付の賢者テラメーヌに錦部高寿,イポリットがひそかに恋をする囚われのアリシー姫に平栗あつみといった多彩な配役です。
 情念の悲劇の力関係と,権力のドラマの力関係が,日本の演劇伝統に照らすことで見事に立ち上がったというのが,パリの専門家たちの意見でした。この公演は空中庭園の第3回公演となりますが,空中庭園は,この前年に,同じパリ日本文化会館で,泉鏡花作「天守物語」を,後藤加代の富姫,平栗あつみの亀姫,石井英明の図書之介,大谷朗の桃六など,同じ俳優たちで演じて好評でした。