「のぞみの日記・夏休み」

第5回



「翔、誕生日おめでとう」パパとママ、おばあちゃんとの〜の、香織姉ちゃんと奈
央姉ちゃん、繭ママに繭パパ、繭子と菜々美がグラスを合わせると、翔は嬉しそう
にニコニコしています。今日は翔の5歳の誕生日です。みんなからプレゼントを貰
って嬉しそうな顔をしています。の〜のがパパに合図をすると
「翔、お姉ちゃんからのプレゼントがあるんやで」とパパはリビングを出て行き、
ジャ〜ンと言いながらシルバーカラーのマウンテンバイクを持って来ると翔はわ〜
っと言いながら嬉しそうな顔をしました。
「翔、翔の自転車はお姉ちゃんのお下がりやったやろ。お姉ちゃんが翔に買ってや
りたいって言って買ったんやで」パパが嬉しそうな顔の翔に言うと、翔はお姉ちゃ
ん、ありがとうと抱きつきました。の〜のも翔が可愛くて抱きしめると、嬉しそう
にの〜のを見ています。

「この前から希が翔にもマウンテンバイクを買ってやりたいって言ってたんよ。そ
れでお兄ちゃんと相談してたら、希が買ってやりたいって言ってん。それでこの前
貯金を下ろしに行ってん」ママがの〜のを見ながらみんなに話すと、みんなは驚い
たような顔をしています。
「この自転車、の〜のが買ってあげたんか。の〜のは優しいお姉ちゃんやな」繭マ
マが褒めてくれての〜のも嬉しくなりました。
「これはパパからやで」パパが袋から銀色のヘルメットとエルボーパット、ニーパ
ットを出すと、翔はパパに抱きついて嬉しそうです。パパがヘルメットを被せてや
ると嬉しそうな顔でみんなを見ていました。

翔の誕生日から3日後、朝のうちにお勉強を済ませてからパパの仕事場に行きまし
た。おばあちゃんが作ってくれたおにぎりと冷たいお茶をリュックに入れています。
パパの仕事場に行くと大っきなトラックとクレーン車というものが来ていて、クレ
ーン車がお家をぶら下げていました。の〜のと翔は道路の反対側で見ていました。
ガードマンの人が交通整理をしています。お家がゆっくり降ろされるとパパたちが
忙しそうに動いていました。暫くするとクレーン車が短くなって大っきなトラック
と帰りました。の〜のと翔がテントに行って見ていると久保田のお兄ちゃんが呼び
ました。

「ここが道具なんかを入れる倉庫になるんやで。棚を作って電気工事やらで後2、
3日くらいやな。2階に行ってみようか」久保田のお兄ちゃんが説明しながら案内
してくれました。2階への階段は外に付いていて鉄の階段です。2階は広いお部屋
が1つだけでした。
「ここが事務所になるんやで。これから机や本棚、応接セットとクーラーを付けた
ら出来上がりやで。ここが済んだらあそこに芝生を植えて東屋とベンチを作るから
な」久保田のお兄ちゃんが窓を開け、テントを指さしながら言うとの〜のと翔は顔
を見合わせて頷きました。
「お〜い、昼にしょうか」パパが下から声を掛けました。の〜のと翔は久保田のお
兄ちゃんと一緒に降りると、テントでパパと一緒におにぎりを食べました。
「あそこがトイレやからな」パパが階段の後ろの小さな部屋を指差しました。

次の日に行ってみると電気工事屋さんが来ていて、電柱から電線を引っ張っていま
した。これから電気工事をして蛍光灯を付けたりするそうです。2階の事務所には
クーラーが置いてあったけどまだ動きません。これから配線工事などをするのだと
言っていました。パパたちは棚を壁側に固定し、運ばれてきた机や応接セットを2
階に運んでいます。1階と2階の間の壁に「大原工務店」という看板が掛かってい
ました。の〜のと翔は邪魔にならないようにテントで見ていました。
翌日行くとテントがなくなっていて芝生を植えていました。30センチくらいの大
きさの芝生を竹の串で打って固定しています。芝生が根付くまで暫くかかると言っ
ていました。東屋を建てる所には柱を立てる穴を掘ってコンクリートで固めていま
した。少しずつ出来ていくのが楽しくて毎日のように見に行きました。

テントがなくなってからは二階の事務所でクーラーを点けてくれたので、翔と一緒
に事務所の窓から見ていました。事務所には小さい冷蔵庫もあってコーラやジュー
スが入っていました。久保田のお兄ちゃんが飲んでも良いんやでと笑と、の〜のと
翔はジュースを飲みながら見ていました。
1週間後には全部出来て、1階の倉庫にはいろんな道具が置かれています。東屋も
出来てベンチとテーブルもありました。東屋の横にはブランコも有り、何種類かの
木も植えてあります。この木はお家が有る時にあった木での〜のも見覚えがありま
した。
「希、翔、ここには入ったらあかんで。いろんな道具が有るし、触ったら怪我をす
るからな」パパが1階の倉庫を指差しながらの〜のと翔に注意をしました。周りに
はフェンスが張られていて出来上がりです。
「明日の夕方からここで焼肉をするからな」久保田のお兄ちゃんが笑いながら言う
と、翔は嬉しそうにニコニコしています。

          *

「パパ〜、おはよう」日曜日の朝、翔と一緒にパパを起しに行くと、パパは眠そう
な顔でおはようと言いながらベッドから降り、カーテンを開けると暑そうな日差し
が照りつけています。パパは今日から1週間お盆休みで、ママのお店は明日の月曜
日から5日間お休みです。
「希、翔、おはよう」パパが笑いながら翔を抱き上げると、翔は嬉しそうな顔をし
ています。
「お兄ちゃん、おはよう」パパと一緒に下に降りるとママが朝食の用意をしていま
した。洗面所で顔を洗って来ると、トーストとハムエッグ、野菜サラダ、パパとマ
マ、おばあちゃんはコーヒーでの〜のと翔にはジュースを用意してくれました。壁
の時計は8時を少し過ぎています。

「おはようございま〜す」朝ごはんを食べ終わる頃香織姉ちゃんが来ました。ママ
もおはようと挨拶すると直ぐに奈央姉ちゃんも来ました。
ロッカールームで着替えるとシャッターを開け、開店準備に鏡を拭いて道具の確認
をしています。の〜のも鏡を拭いてお手伝いをしました。9時にお店が始まると直
ぐに3人のお客さんが来ました。の〜のはお部屋に戻ってお勉強です。翔はパパと
一緒に近所の公園にセミを捕りに行きました。
「お姉ちゃん、セミが捕れたよ〜」2時間くらいすると翔が嬉しそうに部屋に入っ
て来ました。虫かごにはセミが2匹入っていました。
「あのね、パパが1匹捕ってね、翔も1匹捕ったんだよ」翔は虫かごを見せながら
ニコニコしています。

「翔も捕ったんか?良かったな〜」の〜のが褒めると嬉しそうな顔をしました。
の〜のもお勉強を終わって翔と一緒に下に降りると、パパはテレビで高校野球を見
ながらアイスを食べていました。の〜のと翔もパパと一緒にアイスを食べました。
「こんにちは〜」午後から深雪姉ちゃんと麗華姉ちゃんが来ました。麗華姉ちゃん
は広島から来てくれました。お正月休みは深雪姉ちゃんが広島に帰ったから、お盆
休みは麗華姉ちゃんが大阪に遊びに来たそうです。今回もモミジ饅頭を持ってきて
くれました。おばあちゃんが冷たい麦茶を出すと美味しそうに飲んでいます。パパ
がモミジ饅頭の箱を開けるとの〜のと翔はモミジ饅頭を食べました。
「深雪ちゃん、麗華ちゃん、こんにちは〜」奈央姉ちゃんが休憩に来ると2人に挨
拶をしています。2人も奈央姉ちゃんに挨拶をしました。

「麗華ちゃん、そろそろだよ」奈央姉ちゃんが麗華姉ちゃんに笑いかけると、麗華
姉ちゃんは嬉しそうにロッカールームの方からお店に行きました。今日は久しぶり
にママにカットをしてもらうそうです。
次の日、朝早くからお墓参りに行きました。パパの方のお墓で、前のお家が有った
ところの直ぐ近くにあります。おばあちゃんがお花を買って来ると、パパがお水を
汲んできてお墓に掛けています。繭ママもお参りに来ていました。お花を添えてお
線香を供えるとの〜のと翔も一緒にお参りしました。帰って朝御飯を食べてから京
都にあるママの方のお墓参りに行きました。
パパとママ、の〜のと翔の4人で、最初は電車で行こうかって言っていたけど、暑
そうなので車で行く事になりました。の〜のがパパの横の助手席に座ると翔はママ
と一緒で嬉しそうです。

京都の大谷さんの帰りに枚方の桂子おばちゃんの家に寄りました。帰りに寄るから
とママが電話をしていたので、お昼ご飯を用意して待っていました。
「おばちゃ〜ん、こんにちは〜」の〜のが玄関を開けると、翔もおばちゃ〜んと言
いながら嬉しそうです。
「希ちゃん、翔ちゃん、いらっしゃい。有希ちゃん、啓ちゃん、いらっしゃい」桂
子おばちゃんはみんなの名前を呼びながら嬉しそうに迎えてくれました。台所へ入
ると大きな半切りに冷やしそうめんが入っています。氷を入れてスイカを小さく切
ったものも入っていて美味しそうです。

桂子おばちゃんのところから帰って少しお勉強をしました。本当はパパやママ、翔
とゆっくりしたかったけど、1学期での算数の成績があんまり良くなかったので、
夏休みの間に少しでも勉強しようと決めていました。終業式で貰った成績表をパパ
とママに見せると
「国語と体操は5で社会が4かぁ。算数と理科が3でまぁまぁやな。算数がもう少
しできるようになると良いな」パパが笑いながらママと話をしていました。
パパもママも勉強の事はあんまり言わなくて、元気な子供に育ってくれたらいいわ、
と笑っていました。でも、成績が上がるとパパとママが褒めてくれるので、の〜の
はもう少し頑張ろうと思いました。



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