「のぞみの日記・夏休み」

第7回



途中の寺田という駅で乗り換え、宇奈月温泉の旅館に着いたのは6時頃でした。
「パパ〜、今日も温泉?」翔が嬉しそうな顔でパパに聞いています。パパが笑いな
がら頷くと
「やった〜、パパ〜、お姉ちゃん、早く行こ」翔がタオルを持ってパパの手を引っ
張るとママやおばあちゃんが笑っています。エレベーターで一階に降りるとプール
みたいな大っきなお風呂がありました。翔はお客さんのいない端のほうで嬉しそう
に泳いでいます。大きなガラス窓からは目の前に川が見えます。
「翔、希、露天風呂に入ろうか」パパが言って露天風呂に行きました。他にもお客
さんが居たので翔もゆっくり入っています。そぐ側を川が流れています。風呂から
上がって暫くするとお料理がいっぱい運ばれて来ました。大っきなテーブルに乗り
切れないくらいです。の〜のと翔は嬉しくて顔を見合わせて喜びました。

の〜のがパパのグラスにビールを注ぐと、翔はママのグラスに注いでいます。おば
あちゃんと桂子おばちゃんも今日はグラスに半分くらいビールを入れています。
「かんぱ〜い」翔がジュースのグラスで嬉しそうに言うと、みんながかんぱ〜いと
グラスを合わせました。
次の日、朝ごはんを早めに食べてトロッコの駅に行きました。ガラス窓の付いてい
るのや天井がガラスの車輌もあります。の〜の達が乗ったのはパノラマ客車という
ので天井もガラスの車輌です。2人掛けの椅子と1人掛けの椅子が並んだ横に3人
掛けです。の〜のと翔は1人掛けの椅子に座り、パパとママ、おばあちゃんと桂子
おばちゃんが並んで座りました。トロッコが動き出すと直ぐに赤い鉄橋を渡りまし
た。の〜のも翔も窓にかじりついて景色を見ていました。

トロッコはゆっくりした速度で走っています。狭いトンネルを通る時はぶつかりそ
うなくらいです。途中の駅で降りる人も居たけど、の〜の達は終点の欅平(けやきだ
いら)という所まで行きました。1時間ちょっとかかりました。人喰岩というところ
で写真を撮り、ぶらぶら歩くと名剣温泉というのがありました。
「パパ〜、ここも温泉に入れるん?」
「そうやで。そのつもりでタオルだけ持って来てんねん」パパが言うとママも嬉し
そうな顔をしています。ここでは翔がパパと、の〜のはママやおばあちゃん達と入
りました。帰りのトロッコの時間の関係でゆっくり入れないからと15分くらいで
出ました。温泉から出て来るとパパと翔がジュースを飲んでいました。パパが笑い
ながらの〜のにもジュースを買ってくれました。

帰りのトロッコは窓の無い4人掛けのトロッコです。乗り降りのところにチェーン
が掛けられるとトロッコが動き出しました。
「翔、希、顔や手を出したらあかんで」パパが注意をしての〜のと翔は頷きました。
トンネルに入ると直ぐ側に壁が迫ってきます。雫が落ちているトンネルや温泉の熱
気があるトンネルもありました。
「こっちの方がトロッコらしくて良いね」ママがパパに言っているのが聞こえまし
た。最後の赤い鉄橋を渡るときは怖いくらいでした。昨日泊まった旅館でお昼ご飯
を食べ、電車で富山という駅まで行くと3時になっていました。駅ビルでお土産を
買い、夕食に「ます寿司」を買って電車に乗りました。帰りの電車はサンダーバー
ドです。
「わ〜っ、お姉ちゃん、写真撮って〜」翔が嬉しそうに言っての〜のが写真を撮る
と、パパがの〜のと翔を撮ってくれました。

帰りの列車ではの〜のがパパと翔はママと座りました。座席を回して向かい合わせ
にすると、翔はママにもたれて嬉しそうです。
「希、翔、楽しかったか」
「うん、楽しかったよ。新幹線に乗って、ロープウェイやケーブルカーにも乗った
し、山のところでは雪もいっぱいあって、今日はトロッコに乗って温泉にもいっぱ
い入ってすごく楽しかったよ。なぁ翔」と翔を見ると、翔もパパやママを見て嬉し
そうに頷きました。
「パパ〜、ありがとう。今度は山のキャンプに行こうね」の〜のがパパにもたれて
言うと、パパは笑いながら
「そうやな。今度は山のキャンプに行こうな」との〜のを抱きしめてくれました。
の〜のはパパに抱きしめられて、楽しかった今回の旅行をかみしめました。

          *

旅行から帰った次の日、ママは今日まで休みなのでみんなはゆっくり寝ています。
の〜のが8時少し前に起き、翔も一緒に起きて顔を洗いに下に降りると、おばあち
ゃんとママは起きていて洗濯と朝ご飯の用意をしていました。
「おばあちゃん、ママ〜、おはよう」の〜のと翔が挨拶すると、おばあちゃんはお
はようと言いながら
「早く起きたんやね。疲れているやろうからゆっくり寝てたらいいのに」と笑って
いました。
「希、そろそろパパを起して来て」ママがコーヒーを煎れながら言うと、翔も一緒
に2階に上がるとパパのお部屋に行きました。
「パパ〜、ごはんだよ〜」翔が声を掛けてドアを開けると、パパは起きていてタン
クトップと半パンに着替えて窓を開けていました。

「2人とも早かったんやな」パパが笑いながら翔を抱き上げると、翔はおはようと
言いながら嬉しそうな顔をしています。の〜のもおはようと後ろから負い被さると
パパは笑っています。
「お兄ちゃん、おはよう。希、翔、暑いやろ〜」そのまま下に降りると、3人を見
てママが笑っています。おばあちゃんも笑っていました。
朝御飯の後、の〜のは少しだけお勉強をしました。翔はパパと一緒に写真屋さんへ
行き、昼前に帰って来るとの〜のも一緒にアルバムに整理しました。
「パパ〜、の〜のカメラの写真はどうするん?」の〜のが撮った写真が無かったの
でパパに聞くと、昼からパソコンでするからと言いました。
「お昼にしょうか」ママが2階に上がって来て声を掛け、翔がパパ〜と手を引っ張
るとパパは笑っています。お昼には冷やしうどんを食べました。の〜のも翔もうど
んが大好きで、夏の暑い時は冷たい冷やしうどんが美味しいです。

昼ごはんの後で2階に上がり、パパがパソコンのスイッチを入れるとの〜のと翔、
ママとおばあちゃんも嬉しそうに見ています。パパのパソコンは引っ越してから新
しく買ったパソコンです。パパはインターネットを光ファイバー接続にしたそうで
す。深雪姉ちゃんに貰ったパソコンはママがお店で使っています。お店のパソコン
はインターネットをしなくて、お客さんの情報やお店の経理用に使っているそうで
す。の〜のも来年4年生になるとパソコンの授業が始まるので、パパが来年になっ
たら買ってくれると言ったので今から楽しみです。パパがデジカメとパソコンを繋
ぐと、デジカメで撮った写真がいっぱい出てきました。パパが操作して1枚ずつ見
ると、翔は嬉しそうにパソコンの画面を見ています。

「どうするんや、全部プリントするんか?」パパが言って写真を良く見ながら、ブ
レているのや暗くて分かり難いのは要らないと言って欲しい写真を選ぶと、パパが
操作してプリンターが動き出すと写真が出てきました。
翔は新幹線やサンダーバードで撮った写真を嬉しそうに見ています。他にもダムで
撮った写真、雪の写真も嬉しそうです。の〜のは山の写真を見ながら、いつかはパ
パと一緒に登ってみたいと思いました。
「パパ〜、アイス食べていい?」の〜のが言うと、パパにも持って来てやと笑って
言いました。の〜のが冷蔵庫を開けると翔が嬉しそうに5つ出しました。
「晩御飯は何にしようか。希ちゃん、翔ちゃん、何か食べたいもんはある?」アイ
スを食べながらおばあちゃんが聞きました。の〜のと翔は顔を見合わせ、口を揃え
てカレーライスと言うとパパとママが笑いました。



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