「のぞみの日記・冬休み」

第9回


          *

元日、朝早く起きてママとサチのお散歩に行きました。ママが起こしに来た時、翔は
眠っていたのでママと2人で行きました。おめでとうございます。サチのお散歩に行
くと何時も会う近所のおばちゃんに挨拶すると、おばちゃんもおめでとうと言ってく
れました。お散歩から帰って来るとサチのご飯を用意しました。
「希ちゃん、サチのご飯だよ」おばあちゃんが何時ものドッグフードの他に骨付きの
お肉を出しました。お正月以外にも家族のお誕生日や何かのお祝いの時にはサチにも
ご馳走を上げます。
「サチ〜、今日はお正月やからお肉やで」の〜のがドッグフードとお水の器を置き、
別のお皿に骨付きのお肉を置くと尻尾を振りながらの〜のを見ています。
「いいよ、お食べ」の〜のがサチの前に座って言うと、サチは美味しそうにお肉を食
べています。

「希、パパと翔を起してや」ママが声を掛けて2階に上がると翔はまだ寝ています。
「翔、起きや。朝やで」の〜のが体を揺すると翔は眠そうな顔でベッドから降りまし
た。そのままパパのお部屋に行くとパパもまだ寝ていました。の〜のはそ〜っとパパ
のベッドに入ってパパの背中にしがみつくと、9月に木曽駒ケ岳から歩いて降りた時
に、途中から足が痛くなってパパに背負われて降りた記憶が蘇えり、そのまましがみ
ついているとパパが目を覚ましました。
「希、何時の間に来たんや」パパは笑いながら振り向くとの〜のを抱きしめました。
「起きようか」パパが言ってベッドから出るとの〜のもベッドから降りました。カー
テンを開けて顔を洗いに行くと翔が洗っていました。みんなが着替えて2階のリビン
グに揃うと、コタツの上にはおせち料理が並んでいます。

「明けましておめでとう。今年も病気しないで、みんなが元気に過ごせるようにな」
パパがビールのグラスを合わせると、ママやおばあちゃん、の〜のと翔もグラスを合
わせました。パパとママはビールでおばあちゃんはウーロン茶、の〜のと翔は子供ビ
ールです。乾杯の後の〜のがパパの横に座ると、翔はママの横に座りました。リビン
グのコタツは大きな横長のコタツで、2人並んで座れます。でもコタツのスイッチは
入っていません。床暖房で薄い絨毯を敷いているから、コタツのスイッチを入れなく
ても暖かいです。
「希、翔、おめでとう。無駄遣いせんようにな」パパが笑いながらお年玉をくれまし
た。パパの後、ママとおばあちゃんもくれると翔は嬉しそうな顔をしています。毎月
のお小遣いはの〜のが500円で翔が300円です。お小遣いはいつも貯金箱に入れ
ています。欲しい物や学校でいる物は買ってくれるし、おやつはお家で食べるからお
金は使いません。

「ママ〜、おばあちゃん、の〜のと翔からだよ」翔と合図してママとおばあちゃんに
小さな封筒を渡しました。ママとおばあちゃんは驚いた顔で受け取ると封筒を開けて
います。中にはパパにパソコンで作ってもらった肩叩き券が入っています。
「この券で希ちゃんと翔ちゃんが肩を叩いてくれるんか。ありがとう」おばあちゃん
は嬉しそうな顔での〜のと翔に言うと、ママも嬉しそうにありがとうと言いました。
ママが海老の殻を剥くと翔が美味しそうに食べています。の〜のにはパパが剥いてく
れました。昆布巻きやレンコン、小芋にゴボウなどの煮物、黒豆やゴマメ、かまぼこ
や栗きんとんなどを食べるとお正月という気持ちになります。
「ママ〜、雑煮〜」の〜のが言うと翔も雑煮〜と笑っています。
「なんや、もう雑煮か、おせちはもういいんか」ママが笑いながら台所に行くと、お
ばあちゃんも一緒にお雑煮を作っています。の〜のがパパのグラスにビールを注ぐと
ありがとうと笑いました。

おばあちゃんとママがお雑煮を持って来ると翔は嬉しそうな顔をしています。
「翔、雑煮、美味しいなぁ」の〜のがお雑煮を食べながら言うと翔も美味しそうに食
べています。パパとママはまだビールを飲みながらおせちを食べています。お雑煮を
食べているとパパとママの携帯電話が鳴りました。おめでとうと言いながらお話をし
ています。の〜のと翔の携帯電話も鳴りました。の〜のには繭子から、翔には菜々美
から掛かってきました。暫くするとお腹がいっぱいになって眠くなってきました。翔
を見るとママにもたれて寝ています。の〜のはパパにもたれて寝てしまいました。
「の〜の、おめでとう」繭子の声で目を覚ますと菜々美や繭パパ繭ママが笑っていま
した。の〜のも繭子や菜々美、繭パパと繭ママにおめでとうと言って翔を見ると、翔
は起きていて菜々美と笑っています。

パパとママ、おばあちゃんが繭子と菜々美にお年玉を渡すと、繭パパと繭ママがの〜
のと翔にお年玉をくれました。他にもおじいちゃんとおばあちゃんからといって貰い
ました。繭パパと繭ママはパパと一緒にビールを飲んでいます。ママとおばあちゃん
が繭子と菜々美にお雑煮を作ってきました。の〜のはさっき食べたばかりだからお腹
は減っていなかったけど、パパにこっそり言うとパパは笑っています。
「希、たこ焼きか?」ママが笑いながら言うと翔や繭子、菜々美も笑っています。繭
パパと繭ママも笑いました。お姉ちゃん、翔がの〜のに目で合図をしました。の〜の
が頷いて立つとパパとママ、おばあちゃんは何事かと見ています。ポケットから紙を
出して読みました。

「今年の計画。今年はの〜のは4年生になって翔も小学生になります。だから、今年
の夏休みには山のキャンプに行きたいです。去年旅行に行った立山に行きたいです。
旅行は秋の紅葉の頃に温泉に行きたいです。去年はお家を建てたりママのお店を作っ
たりして忙しかったからお魚釣りに行けなかったけど、今年はぜひ行きたいです。海
でテントを張ってキャンプもしたいです。繭子や菜々美たちと一緒に行きたいです。
それと、今年は甲子園にもっと行きたいです。以上」の〜のが笑いながらパパやママ
を見ると、パパは驚いたような顔をしたけどママは笑っていました。

「希、それは自分で考えて書いたんか?翔と2人だけで考えたんか?」パパが笑いな
がら言うと翔がママの顔を見ました。翔、の〜のが合図をしても間に合いませんでし
た。
「そうか、ママと一緒に考えたんやな」とパパがママを見ました。
「あれ?分かった?おっかしぃなぁ」とママも笑ってパパを見ています。ママの言い
方がおかしかったのでの〜のが笑うと、翔や菜々美、繭子も笑い出しました。繭パパ
や繭ママ、おばあちゃんも一緒になって笑っています。


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