「のぞみの日記・冬休み」
第10回
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2日には香織姉ちゃんと奈央姉ちゃん、慶子姉ちゃんと沙耶姉ちゃんが来ました。慶 子姉ちゃんと沙耶姉ちゃんはママのお店にアルバイトで来ているお姉ちゃんです。お ばあちゃんは近所回りをしてくるからと言って10時頃に出かけました。 「明けましておめでとうございます」みんなが挨拶して2階に上がるとママがおせち 料理を持ってきました。沙耶姉ちゃんと慶子姉ちゃんはまだ未成年だからウーロン茶 で、パパやママ、奈央姉ちゃんと香織姉ちゃんはビール、の〜のと翔は子供ビールで 乾杯しました。 「の〜の、翔ちゃん、おめでとう」とお姉ちゃん達がお年玉をくれました。 「お姉ちゃん、ありがとう」の〜のが言うと翔もありがとうと言って嬉しそうです。 お姉ちゃん達とママのお話を聞いていると、沙耶姉ちゃんと慶子姉ちゃんは理容学校 を卒業したらママのお店で働くそうです。お姉ちゃん達が働くようになると、ママが 留守にしても4人居るから大丈夫だと言っていました。ママが留守にする時は前もっ て予約指名の調整をすればいいそうです。それで今年はキャンプに行こうっての〜の や翔と話したんだと思いました。
お昼前に電話があって美咲姉ちゃんと麻衣姉ちゃん、喫茶店の祐子姉ちゃんが来まし た。 「お姉ちゃん、おめでとう」の〜のと翔が玄関に出て挨拶すると、お姉ちゃん達もお めでとうと言ってくれました。2階に上がるとパパやママ、お姉ちゃん達と挨拶して います。 「の〜の、翔ちゃん、これはお姉さん達からだよ」お姉ちゃん達にお年玉をもらった 後、祐子姉ちゃんがお年玉のいっぱい入った封筒をの〜のと翔にくれました。出して みると真弓姉ちゃんや弘美姉ちゃん、亜希子姉ちゃん、麗姉ちゃんに紀子姉ちゃん達 からのお年玉がいっぱいありました。真弓姉ちゃんや弘美姉ちゃんはの〜のが1歳に なった頃、ママと一緒に藤岡サロンに行くようになった時から凄く可愛がってくれま す。クリスマスやお誕生日にもプレゼントをくれます。ママが藤岡サロンを辞めてお 店を開いた時もお祝いに来てくれました。今でも週に1回は必ず来てくれます。去年 の9月に山に行った時、ロープウェーにカミナリが落ちて動かなくなった時も心配し て家まで来てくれました。
ママがお雑煮と赤飯を用意しています。麻衣姉ちゃん達はお雑煮を、の〜のたちは赤 飯を食べました。ママは小っちゃい頃から赤飯が大好きだったそうで嬉しそうに食べ ています。の〜のも赤飯は大好きです。 「の〜の、パパにパソコンを買ってもらったんやてな。ちょっとは覚えたんか?」麻 衣姉ちゃんが笑いながら聞いて、の〜のがパパに言って動かすと楽しそうに見ていま す。 「の〜のは字を覚えるのも早かったし、パソコンも覚えるのが早いんやろね」麻衣姉 ちゃんがママに言うとママは笑っています。 「翔ちゃんは電車セットって言ってたな。どんなんや?」祐子姉ちゃんが聞くと、翔 は嬉しそうにみんなをお部屋に連れて行きました。2階建ての大きなレールセットを 見てみんなは驚いています。翔がコンセントを挿して電源を入れ、コントローラーの スイッチを入れるとファ〜ンと汽笛を鳴らして電車が動き出しました。 「翔ちゃん、凄い電車セットやん。汽笛は鳴るし踏み切りでもチンチン鳴るんやな。 凄いなぁ」美咲姉ちゃんが褒めると、翔は嬉しそうな顔でパパを見ました。
3日には京都の八坂さんに初詣に行きました。毎年正月の3日に八坂さんに初詣に行 くのはの〜のが生まれる前からだそうです。ママに聞くと、ママが初めてパパと出逢 った時から続いていて、最初の頃は典子姉ちゃんも一緒だったそうです。パパは最初 典子姉ちゃんと結婚する予定だったそうです。でも、の〜の生まれるず〜っと前に大 っきな地震が起きて典子姉ちゃんとお母さんが亡くなったそうです。その時パパがマ マを助けてママと結婚したんだと話してくれました。希は典子姉ちゃんの分まで長生 きして、典子姉ちゃんの分まで幸せにならなあかんねんで。希が幸せになるために何 時でも典子姉ちゃんが見守ってくれてるんやからな、とも話してくれました。の〜の は真弓姉ちゃんや弘美姉ちゃん、奈央姉ちゃん、香織姉ちゃん、繭ママから何度も聞 いているけどパパは話しません。パパは何で話してくれないんだろうと思ってママに 聞いた事があります。
「希、典子姉ちゃんはママやパパの胸の中で今も生き続けているからだよ。パパが話 さないのは、パパの胸の中だけに大切に仕舞っておきたいからだよ。パパは典子姉ち ゃんをず〜っと愛していたいからだよ」ママは典子姉ちゃんの話をする時涙を流す事 があります。 時々テレビなどで見るけど、若い女の人は自分以外の女の人が彼氏の胸の中に居る事 を嫌がるようですが、ママは典子姉ちゃんがパパの胸の中に生き続けている事を凄く 喜んでいます。の〜のも何度か助けてもらい、パパも助けてもらったので典子姉ちゃ んが大好きです。だからママの言うように、何時までもパパの胸の中で生き続けてほ しいと思います。八坂さんの帰りに由香里姉ちゃんの家に寄りました。 「明けましておめでとうございます」由香里姉ちゃんの両親に挨拶してリビングに入 ると、由香里姉ちゃんと絵里姉ちゃん、絵里姉ちゃんの旦那さんが居ました。リビン グでみんなに挨拶すると翔も挨拶しています。 「絵里ちゃん、今度は赤ちゃんだね」パパがお姉ちゃんに言うと笑っていました。パ パは前は島本さんと言っていたけど、去年の秋に結婚して姓が変わったので絵里ちゃ んと呼んでいます。ママも島本のお姉ちゃんから絵里姉ちゃんに変わっています。
「希ちゃん、山では大変やったねぇ。由香里に聞いてびっくりしたけど、途中からパ パが背負って降りて来たんだってね。パパと一緒で良かったねぇ」由香里姉ちゃんの パパが山での事を聞いたので、の〜のもパパと一緒だったから安心だったよって言う と嬉しそうに頷いていました。 絵里姉ちゃんの旦那さんはこの話は知りませんでした。の〜のが山に行ったのは9月 で絵里姉ちゃんが結婚したのは11月です。暫くその時の事を話しました。パパはカ メラマンの人、ロコの社員も山の経験者にしたから歩いて降りれたと話しています。 絵里姉ちゃんの旦那さんはその話を聞いて驚いていました。あの日、旦那さんの親戚 の人が駒ケ岳に行ったそうです。早朝に京都を出て9時半頃にはロープウェーに乗る 予定だったそうです。菅の台からのバスに乗り遅れて1便遅れ、ロープウェー乗り場 に着いたのが10時頃で、すでにカミナリが鳴っていてロープウェーは運行を見合わ せて止まっていて、その後に落雷があったそうです。親戚の人は仕方なく帰って来た そうですが、後でニュースを見て驚いたそうです。もし、9時半頃のロープウェーに 乗っていたら帰れないところだったと言っていたそうです。
の〜のと翔はここでもみんなからお年玉を貰い、お昼にはお寿司を食べました。お寿 司を食べながら由香里姉ちゃんが運動会の時の話をしています。パパと二人三脚した 話をするとみんなが楽しそうに笑っていました。 絵里姉ちゃんの旦那さんは美佳姉ちゃんの旦那さんと同じ理容機器のメーカーの人で す。美佳姉ちゃんの紹介で付き合うようになったそうです。ママがお店を開く時、機 器を搬入した時に来ていたそうで、ママはかすかに見覚えが有ると言っていました。 結婚式の時に美香姉ちゃんの旦那さんが笑いながら教えてくれたそうです。由香里姉 ちゃんのおばちゃんもママのお店に来てくれます。来る時にはいつもお漬物を持って きてくれます。あそこのお漬物は美味しいのでの〜のも大好きです。帰りに枚方の桂 子おばちゃんの家に寄りました。 「希ちゃん、翔ちゃん、おめでとう。よく来たね〜。啓ちゃん、有希ちゃん、おめで とう。さぁ、上がって」桂子おばちゃんは嬉しそうに迎えてくれ、リビングに行くと お茶とケーキを出してくれました。 「晩ご飯は食べていくやろ?毎年同じやけどカニにしようか」 「カニさんは大好きだよ。ありがとう」の〜のが言って翔もカニさん好き〜と笑いな がら言うと、桂子おばちゃんは嬉しそうな顔をしました。桂子おばちゃんからもお年 玉を貰いました。
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