太陽にほえろ!
誰もが知っている刑事ドラマの金字塔。 14年以上続いたドラマを改めて振り返ると、色々なキャラクターが登場しました。 マカロニが登場して番組が始まったのは、僕が2歳にもならないとき。そして、石原氏が病気に倒れ、番組が終了したのは、僕が高校生のとき。リアルタイムで見ていたときは、若手刑事や拳銃の名手・ゴリさんのカッコ良さがたまらなく好きでした。若手刑事では、特にぼん、スコッチ、ボギー。 ところが年月が経って、CS放送やレンタルビデオで過去の作品を自由に楽しめるようになった今、学校や職場で色々な人生の経験を重ねた(と言っても、まだ30代前半!)僕は、ボス、山さん、長さん、ゴリさん、殿下と言ったメンバーたちの深みのある演技、セリフも大好きになりました。 「太陽〜」と言う番組が、老若男女を問わずたくさんの人に愛され、そして14年以上もの長期間に亘り続いた理由を、僕は本当に痛感しています。 「命の尊さ」を訴え続けてきたこの番組ですが、たくさんの刑事が殉職しました。 マカロニ、ジーパン、テキサス、ボン、殿下、スコッチ、ロッキー、ゴリさん、ボギー、ラガー、山さん… (実は、番組が続いていれば、この後ブルースが殉職する予定だったとか…) 死んでいくときの「俺は死にたくない」、「まだやりたいことが沢山あるんだ!」と言う、殉職して行くときの格好良さとは正反対のセリフに、死とはどう言うことなのか考えさせられました。 当番組のプロデューサーの著書にも記されていた、「刑事の殉職劇にこそ、命の大切さと強く盛り込んだ」という策略(?)に、僕は見事に嵌められたのです。 それにしても、山さんだけは死んでほしくなかった。 そして、スコッチ(沖雅也)、ボス(石原裕次郎)、ジーパン(松田優作)、ブルース(又野誠治)、長さん(下川辰平)を演じた名優たちが実際に亡くなってしまったのは、本当に残念でした。 僕が「太陽〜」に本格的にハマったのは、番組が終了してかなりの時間が経ってからですが、それからビデオ、書籍、そして他のウェブサイトで収集した情報を基に大雑把ながらその歴史をまとめて見ました。 Part2については、あまり情報が無いので割愛させていただきます。ご了承ください。 |
キャストの系譜 キャストの履歴とキャストに纏わる簡単な歴史 記憶に残るあのシーン |
キャストの系譜
前任→後任の位置づけに重点を置いてまとめた表です。
ただし、同列に位置した中で、シンコとぼん、ボギーとマイコンの間には何の関係もありません。
ニック ネーム |
キャスト | 出演者 | 登場 | 最終 | キャラクター 備考 |
初回出演時のサブタイトルと 最終出演時の顛末 |
ボス | 藤堂 俊介 | 石原 裕次郎 (故人) |
1 | 718 | 初回から最終回までレギュラーで通したのは、このボスだけ。 PartU開始時には転勤していた。 その後、「七曲署捜査一係」によると、ボスはすでに亡くなっている模様。 病気療養のため、途中欠場あり (459話〜488話、700話〜717話) |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 復帰したボスは、以前にブルースが射殺した強盗の弟がその報復としてブルースを拉致した事態を聞く。 「これも刑事の宿命かな…」 マカロニ、ジーパン、テキサス…ぼん、ロッキー、ボギー…そしてラガー、ゴリさん、山さん… 失った部下たちの姿を思い浮かべ、そして今、ブルースがその危機に直面していることに、ボスは胸を痛める。 射殺した強盗の仲間の妹の存在を知ったボスは、彼女が事態打開のカギを握っていると判断し、半ば強引にその妹を七曲署に召喚、スコッチの殉職のエピソードを語り命の尊さを説き、彼女からブルースと犯人の居場所を知る兄の住処を聞き出し、ブルース救出に結びつける。 |
山さん | 山村 精一 | 露口 茂 | 1 | 691 | 出演回数では、病気療養のために途中欠場のあったボスに代わり最多 別名、「落としの山さん」。 初回から殉職まで、一匹狼からボスの補佐、係長の代理まで色々なキャラに変わっていった。 山さんが殉職するなんて、誰が予想したでしょう?その半年後に、今度は番組が終了してしまった。やはり、山さんのいない「太陽〜」は考えられない。 |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:691話「さらば!山村刑事」(殉職) 拳銃密輸事件を解決し、里親として産みの親に愛息の隆を返す決意をした後、夜の新宿を一人で歩いている最中に山さんにより拳銃ルートを絶たれた暴力団員の尾行に気付き、待ち伏せの上、もみ合う。その際に暴力団員の銃が暴発、暴力団員はここで力尽きるが、山さんも胸に被弾。 その後、大量の出血をしながらも自力で公衆電話に向かい、ボスに拳銃の押収を報告、さらに産みの親の元へ帰る愛息に「これから帰るぞ…」と最後の電話をした後、何とかして隆の顔を見ようと2つ3つ歩を進めるも、ついに事切れる。 |
ゴリさん | 石塚 誠 | 竜 雷太 | 1 | 525 | ゴリさんの「ゴリ」は、「ゴリ押しのゴリさん」から。マカロニとボギーは、「ゴリラのゴリ」と勘違いして、ゴリさんを怒らせた。 拳銃の名手、大食い、熱血漢、若手刑事の指導係…彼を形容する言葉はいくらでもある。 ゴリさんの最終話は、番組初のスペシャル版(90分枠) |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:525話「石塚刑事殉職」(殉職) 飯場の男たちの協力を得て戸川組の麻薬精製工場を制圧、そのことをボスに連絡に行こうとした際に、自らが病院に送り込んだ錯乱状態の覚醒剤中毒患者に銃撃される。背中や腹部に計5発の凶弾を受けながらも、最後の力を振り絞って中毒患者を押さえるが、そこで力尽きて倒れこむ。 救急車で搬送中にボスや婚約者に看取られながら、「この街を頼みます」との言葉を残し、戸川組壊滅という偉業と引換えにその人生を終わらせてしまう。 ボスに看取られながら殉職したのは、ゴリさんのみ。 |
長さん | 野崎 太郎 | 下川 辰平 (故人) |
1 | 520 | 一係では貴重な所帯持ち。 転勤後、セミレギュラーで2回(562話、665話)出演後、Part2で復帰 その後も数少ない生え抜きの生き残りとして、「七曲署捜査一係」にも2回特別出演 2004年3月、下川氏はその数日前に自殺した教え子役の又野誠治氏の後を追うように息を引き取りました。合掌。 |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:520話「野崎刑事、カナダにて最後の激走」(転勤) ロッキーを殺した犯人を、FBI捜査官のエゴに邪魔されながらも、執念の追跡でカナダにて逮捕する。 帰国後、ロッキーの殉職を機に、以前から誘いのあった警察学校への転勤を決意したことをボスに告げ、了解をとる。山さんとも熱い握手を交わし、優秀な刑事をたくさん育てて捜査一係に送り込む約束をし、七曲署を去る。 その後、562話で教え子のブルースを七曲署に送り込む。 |
殿下 | 島 公之 | 小野寺 昭 | 1 | 414 | 彼の主演作の一つである79話「鶴が飛んだ日」は、数多い「太陽〜」のストーリーの中でも一、二を争う名作。 このように犯人により覚醒剤中毒にされてしまったり、最終話のように子供たちを守るために爆破魔に拉致されたりと、優しい性格ゆえ、罠にハメられることが度々あった。 |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:414話「島刑事よ、永遠に」(事故死) 事件解決後、殿下はボスに「早く帰国する恋人に会に行け」と言われ、車を急がせる。その運転中に、対向車線をはみ出し突っ込んできたトラックを避け切れず車ごと崖から転落し事故死する。 その次回話で、ボスは殿下の帰京を急がせた自分に責任を感じ、辞表を書くまでに悩む。 |
マカロニ | 早見 淳 | 萩原 健一 | 1 | 52 | マカロニがジープに乗って一係に初出勤するシーンが、14年7ヶ月も続いたドラマの一番最初のシーン。 太陽〜のテーマ、刑事の殉職など、この番組のトレードマークの多くは萩原氏あってのものである。 |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:52話「13日金曜日マカロニ死す」(殉職) 事件解決後、入院中のゴリさんを見舞った帰りに立小便をしている最中に金目当ての通り魔により刺殺される。 その後、山さんの地道な捜査が実り、その通り魔は68話「マカロニを殺したやつ」で犯人として浮上するが、山さんが逮捕に向かう直前、酒場で他の客とトラブルを起こし、刺殺されてしまう。 |
シンコ | 内田 伸子 | 関根 恵子 (現:高橋 惠子) |
1 | 111 | 当初はセミレギュラー扱い、39話で捜査一係に転属しレギュラーに 退職後、「太陽にほえろ!2001」で鑑識課職員として28年振りに登場 |
登場:1話「マカロニ刑事登場!」 最終:111話「ジーパンとシンコ その愛と死」(退職) 刑事であるジーパンとの結婚に反対する父を気にしながらも、彼との結婚のために一係を退職する。ボスの説得もあり、やっとの思いで父から結婚の許しを得たその直後、ジーパンの訃報を知り、涙に暮れる。 その28年後、シンコは2代目ボスの山岡(舘ひろし)に、「若い刑事たちを大切にして。若い人が死ぬのはもう沢山。」と涙を浮かべながら訴える。 |
ジーパン | 柴田 純 | 松田 優作 (故人) |
53 | 111 | 警察官だった父親がパトロール中に拳銃で射殺された影響で拳銃嫌いになる。 しかし、77話「海を撃て!!ジーパン」で、自分が拳銃を使用しなかったばかりにシンコが撃たれ守りきれなかった出来事をきっかけに、拳銃の必要性を認識する。この回でジーパンが突堤を突っ走り犯人を追い詰めるシーンは、そのジーパンの走る姿の美しさで有名である。 ジーパンの母親(柴田たき:菅井きん)はジーパン殉職後も、300話、309話、665話でセミレギュラー出演をする。 その中でも665話「殉職刑事たちよ、やすらかに」では、長さんと共に犯人を知るキーパーソンとして重要な役割を果たす。 |
登場:53話「ジーパン刑事登場」 最終:111話「ジーパンとシンコ その愛と死」(殉職) 暴力団との銃撃戦を制した後、その銃撃戦において自らが助けたチンピラに腹部を撃たれる。バラエティ番組で物まねネタとして使われる、「太陽〜」で一番有名なシーン「何じゃ、こりゃぁぁ?!!」はこの殉職シーンのときのもの。シンコとの結婚を控え、「死にたくない」と念じながらも願い空しくその場で息を引き取る。 そのチンピラは、ジーパンを撃った後すぐに逃げ出し、その後の所在は不明である。 |
テキサス | 三上 順 | 勝野 洋 | 112 | 216 | テキサス最終話は番組史上最高の視聴率42.5%を記録 | 登場:112話「テキサス刑事登場」 最終:216話「テキサスは死なず!」(殉職) 本庁栄転を控えたテキサスは、銃器の闇取引現場での銃撃戦に単独で応戦、被弾し、そのまま立ち尽くす。 山さん、ゴリさん、長さん、殿下の4人が駆けつけると、テキサスは安心しきった顔でその場に倒れこむ。「黒幕を必ず逮捕してみせる」と言う山さんの言葉を聞いたテキサスは、仲間の腕の中で安らかに息を引き取る。 その約束通り、闇取引の首謀者と目される黒幕は、220話「ジュンの復讐」で逮捕される。 |
ぼん | 田口 良 | 宮内 淳 | 168 | 363 | 「太陽〜」の黄金期を支えた若手刑事。大阪のぼんぼんからその名がついた。テキサス、スコッチ、ロッキー…誰とも良いチームを組んでいたナイスガイ。 | 登場:168話「ぼんぼん刑事登場」 最終:363話「13日金曜日、ボン最期の日」(殉職) 宝石強盗との銃撃戦の際に被弾する。ぼんと一緒に被弾して重傷を負った、宝石の在り処を知る女性を救うため、力を振り絞り近くの公衆電話ボックスへ向かう。ボスへの電話が繋がったものの、ぼんはその公衆電話ボックスの中で事切れてしまう。 その犯人は、次の続編で、ぼんからスニーカーをもらったと言う新人刑事スニーカーを含めたチームに逮捕される。 |
スコッチ | 滝 隆一 | 沖 雅也 (故人) |
217 | 493 | 僕の一番好きなキャラであり、一番非現実的なキャラ。僕は「スコッチ」と言えばウィスキーではなく、即座に沖雅也を思い出す。それほど、スコッチが好き。 冷徹な振舞いと、滅多に見せない人間臭い部分、人間の弱い部分を併せ持つスコッチがたまらなく好きでした。 前半のスコッチと、復帰後のスコッチでは、僕は前半のスコッチが好きです。 七曲署より山田署に一時転勤(244話)、セミレギュラーで3回(274話、300話、399話)出演した後、七曲署に再配属(400話) 途中欠場あり(455話〜462話、477話〜490話) |
登場:217話「スコッチ刑事登場!」 転勤:244話「さらば、スコッチ!」 再登場:400話「スコッチ・イン・沖縄」 最終:493話「スコッチよ静かに眠れ」(病死) 244話では、拳銃の過剰使用が問題視され、やっと馴染んできた七曲署の仲間に惜しまれながらも山田署へ転勤。 493話では、以前に被弾した箇所がある胸部の病状が悪化、犯人を逮捕して拳銃密輸工場の場所を聞き出したその直後に、口の周りを真っ赤にして大量の吐血をし、その場で昏倒する。すぐ病院に搬送されたが、山さんやゴリさんに看取られながら、「死にたくない…」と言い残し、病死。 その4年10ヶ月後の番組最終回(718話)で、ボスが命の尊さを説く際にスコッチの死のエピソードを持ち出すが(このページの下部、記憶に残るあのシーン参照)、少し話が変わっている。 |
ロッキー | 岩城 創 | 木之元 亮 | 256 | 519 | 着任当初は拳銃恐怖症。274話「帰ってきたスコッチ刑事」でスコッチと共に危険に立ち向かい、見事に克服。 その次回話の275話「迷路」で初登場した早瀬令子(後のマミー)と420話「あなたは早瀬婦警を妻としますか」で結婚 |
登場:256話「ロッキー刑事登場!」 最終:519話「岩城刑事、ロッキーにて殉職」(殉職) ロッキー山脈で追い詰めた犯人と対峙、犯人が投げたダイナマイトからロッキー山脈の大自然を守ろうと飛び出したその瞬間、犯人に腹部を撃たれ、殉職。 その遺骨は妻の令子(後のマミー刑事)の希望により、ロッキー山脈に風葬される。 その犯人は、次回の続編で長さんが執念の追跡劇で逮捕する。 |
スニーカー | 五代 潤 | 山下 真司 | 364 | 475 | 殉職したぼんからもらったスニーカーを愛用していることから、その名がついた。しかし、スコッチからは、初対面のとき、「運動靴」とバカにされる。 常に刑事と言う仕事に疑問を感じて悩み、何度も退職騒ぎを起こすが、最後は本当に退職して沖縄に里帰りをした。 |
登場:364話「スニーカー刑事登場!」 最終:475話「さらば!スニーカー」(退職) 故郷に帰郷する決心をした妹を殺した犯人を逮捕した後、亡くなった妹の遺志を継ぐために沖縄に帰郷することを決心したスニーカーは、病気療養中のボスの代わりを務める山さんにそのことを告げ、退職する。 その後、489話「帰ってきたボス クリスマスプレゼント」にて復帰したボスと改めて対面し、後任のラガーにバトンタッチをする。 |
ドック | 西條 昭 | 神田 正輝 | 415 | 718 | 事故死した殿下の後任。 当初は二枚目半のお調子者キャラだったが、ゴリさんが殉職するあたりから、若手刑事のリーダー格となる。 番組終了時、一係の刑事の中でボスに次ぐ古株となっていた。(実際には、早瀬婦警として活躍していたマミーの方が登場が早いが…) Part2にも出演 |
登場:415話「ドクター刑事登場!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 約束した射撃大会に行くために落ち合う約束をしたブルースが現れないと言う電話連絡をDJから受け、ブルースが以前に射殺した強盗犯人の弟に拉致されたことを知る。捜査途中、ボスが復帰したことを知り狂喜する場面もあったが、懸命の捜査の上、鬼気迫る表情で強盗犯人の仲間を追い詰めて拉致された場所を突き止め、現場に急行しブルースを救出する。 |
ラガー | 竹本 淳二 | 渡辺 徹 | 476 | 658 | 若手刑事の中では比較的長いほぼ4年の出演期間。 大好物のマヨネーズご飯の影響か(?)、その間にすっかり太ってしまったのが番組降板の原因と言われている。 登場の頃と殉職の頃を見比べて下さい。まるで別人です。 |
登場:476話「ラガー刑事登場!」 最終:658話「ラガーよ俺たちは お前がなぜ死んだか知っている」(殉職) バスジャックに便乗して、竜神会はその中の乗客の一人の始末を関西系の殺し屋に依頼、ラガーはあるビルの屋上にてその殺し屋と相撃ちとなり、殺し屋を仕留めたものの、ライフル弾が胸部を貫通し、血しぶきが飛ぶほどの大出血。みんなのもとに戻ろうとエレベーターに這って乗り込むが、1Fに着いて外に向かおうとしたときに力尽きる。 新聞に「バスジャック事件解決」と大きく報道されたページの片隅に小さく書かれた「刑事が謎の殺し屋と撃ち合いの上死亡」の記事。ラガーを失い、竜神会を黒幕と立証する道を絶たれたことを象徴するような報道に憤る刑事たちを前にボスは言った。 「俺たちはラガーがなぜ死んだかを知っている。」と。 山さんも続いた。 「世間は誰一人知らずとも、俺たちは知っている。ラガーはきっと言ってくれるよ、『それだけで良い』ってな。」と。 |
ジプシー | 原 昌之 | 三田村 邦彦 | 494 | 545 | "ジプシー"は放送禁止用語に指定されているため、ジプシーが出演した期間の再放送は難しい…とされているが…スコッチの殉職後、スカパー!での放送は実現するか? | 登場:476話「ジプシー刑事登場!」 最終:545話「さらば!ジプシー」(転勤) 「優秀な刑事が欲しい」としてその指名を受け、初めて自分が人に必要とされたことに感激し、西多摩署へ転勤 |
ボギー | 春日部 一 | 世良 公則 | 521 | 597 | 597話でボギーを殺した今泉の役を演じたのは、「あぶない刑事」シリーズでベテラン愛妻家刑事・パパ役を演じた山西道広。 彼は文学座出身のジーパン刑事・松田優作の同胞で、彼とは大親友でもあった。同胞との出演作には、77話「海を撃て!!ジーパン」がある。また、「探偵物語」では共にレギュラー出演をしている。 「太陽〜」では他に269話、297話、340話にも出演しており、縁が深い。 |
登場:521話「ボギー刑事登場!」 最終:597話「戦士よさらば、ボギー最後の日」(殉職) 法で裁けない悪と対峙するために退職をして一人、大河原代議士をバックにする悪徳企業・早見貿易に立ち向かうことを決意したその時、花園神社境内にてその早見貿易の幹部社員たちに周囲を固められ、刺殺される。 次回の続編599話「戦士よ眠れ、新たなる戦い」では、その捜査にかなりの難航を伴ったものの、山さんがボギーが刺殺された現場の写真から重要な手がかりを発見し、社長を初めとする犯人一味を全員逮捕。 |
トシさん | 井川 利三 | 地井 武男 | 526 | 718 | Part2にも出演 | 登場:526話「井川刑事着任!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 以前に射殺した犯人の弟に拉致されたブルースを救うため、復帰したボスや警部と共に、犯人の仲間の居所を知るその妹の説得を試みるなどし捜査に当たる。 |
マミー | 岩城 令子 | 長谷 直美 | 546 (275) |
718 | 早瀬婦警として275話よりセミレギュラーとして多数出演、レギュラー出演開始までの間にロッキーと結婚(420話「あなたは早瀬婦警を妻としますか」) Part2にも出演 |
セミレギュラー初登場:275話「迷路」 登場:546話「マミー刑事登場!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) ブルースが以前に射殺した強盗犯人の弟に拉致されたことを知ったマミーは、ブルースを救うため、その弟の居所を知る射殺された犯人の仲間の隠れ家に向かい、「動くと撃つわよ」と拳銃を構えてその男を追い詰め、ブルースが拉致された場所を突き止める。 |
ブルース | 沢村 誠 | 又野 誠治 (故人) |
562 | 718 | Part2にも出演 もし石原氏が元気でこの番組が続いていたら、このブルースが次の殉職者候補だったとか… しかし、2004年3月、自殺で本当にお亡くなりになりました。合掌。 |
登場:562話「ブルース刑事登場!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 交番勤務時に射殺した犯人の弟の報復の銃弾を腹部に受け、殉職寸前まで追い込まれるが、その類まれな体力と精神力、そして復帰したボスや警部をはじめとする仲間の懸命な捜査により、一命を取り留める。 |
マイコン | 水木 悠 | 石原 良純 | 623 | 718 | Part2にも出演 今も気象予報士としてテレビでよくお見かけしますが、マイコン刑事の役柄とご本人の人柄…通じるものを感じます。 |
セミレギュラー初登場:618話「コンピューター計画」 登場:623話「マイコン刑事登場!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 以前に射殺した犯人の弟に拉致されたブルースの居場所を懸命に突き止め、現場に急行しブルースを救出 |
デューク | 島津 公一 | 金田 賢一 | 660 | 715 | スコッチ、ジプシーの流れを汲むクールなキャラ。もう少し長く続けてもらいたかった。 | 登場:660話「デューク刑事登場!」 最終:715話「山さんからの伝言」(転勤) 警視庁の海外研修メンバーに大選抜されるが、時をほぼ同じくして、捜査一係に届いた一通の手紙から、半年前に殉職した山さんの彼らしからぬ、綿密さを欠いた捜査記録に直面する。 山さんを信じるデュークは、七曲署での最後の仕事としてその謎に挑む。 |
警部 | 橘 兵庫 | 渡 哲也 | 706 | 718 | 病気療養中だった石原氏に代わる捜査一係のまとめ役 西部警察の怖い団長さんもここではデカ部屋で地道な捜査の指揮を執っていました。 |
登場:706話「ボス、任せてください!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) 以前に射殺した犯人の弟に拉致されたブルースの居場所を突き止め、現場に急行しブルースを救出。 その後、ボスが復帰したため本庁に戻る前に、人質を取って立て篭もった強盗に、七曲署での最後の仕事としてチーム一丸で立ち向かう。 |
DJ | 太宰 準 | 西山 浩司 | 706 | 718 | DJは太宰準のイニシャルから。 Part2にも出演 |
登場:706話「ボス、任せてください!」 最終:718話「そして又、ボスと共に」(番組終了) DJは約束した射撃大会に行くために落ち合う約束をしたブルースが現れないことをドックやマミーに告げ、ブルースが以前に射殺した犯人の弟に拉致されたことを知る。その後、復帰したボスとの初対面に緊張しながらも、懸命の捜査で拉致された場所を突き止め、現場に急行しブルースを救出する。 |
No. | サブタイトル | 登場人物 | こんなシーン | 背景 |
65 | マカロニを殺したやつ | 長さん ジーパン |
殉職したマカロニを一係のメンバーみんなが未だに大事な仲間だと思っていることを羨ましがるジーパン。そのジーパンが「もし、俺が死んだら…」と言った矢先に、温厚な長さんの珍しい怒声が響き渡る。 長さん「バカ野郎!!!」 (刑事部屋が静まり返る) 長さん「ジーパン、お前、仲間を亡くした人間の気持ちが分かっているのか?!」 ジーパン「仲間?!」 長さん「俺はな、長いデカ暮らしの中で何人かの仲間を失ったよ。…マカロニの様に殺されたヤツもいれば、無理がたたってポックリ死んだヤツもいる。そのために残されたヤツがどんなに辛い思いをしたか…俺はご免だ!これ以上仲間を失うのは真っ平だ!!」 ジーパン「長さん…」 長さん「デカは危険な商売だ。だからこそお互いに助け合って…死んじゃいかん…絶対に死んじゃいかんのだ!!」 |
当時、話題を集めたマカロニの殉職。刑事が殉職するときに格好良く映る姿を見て、殉職することは格好良いことだと勘違いしてはいけないと、大変珍しい長さんの怒鳴るシーンにより、視聴者に強烈に訴えている。 「太陽〜」の永遠のテーマである「命の尊さ」を、刑事が命を失うことにより、逆に訴えているのである。 「太陽〜」って、奥が深いなぁ。 |
218 | 殿下とスコッチ | 山さん スコッチ |
山さん「お前、人と組むのが怖いんじゃないのか?」 スコッチ「!」 山さん「誰かと組めば、またその仲間が殺されるかも知れない。だったら、自分一人の方が気が楽だと。」 スコッチ「…」 山さん「滝、俺たちはな、どうやったって所詮一人じゃやっていけないんだ。デカとしても、人間としてもだ。」 |
山さんは持ち味の洞察力を発揮し、「自分の身は自分で守る」と単独行動を貫くスコッチが心の底で恐れる本音を見事に突いた。 |
223 | あせり | 山さん ゴリさん 長さん 殿下 ぼん |
殿下の再三の警告にも関わらず、「早く一人前になりたい」とのあせりから無謀な行動をとったぼん。殿下はそのぼんを殴ってその行動を戒めた後、その場を立ち去ろうとする。その殿下をぼんが追おうとする時、山さんがぼんを制止する。 山さん「まだ分からないのか、ぼん。殿下が一番心配していたのはな、お前がちょうど一年目だからだ。」 ぼん「?!」 ゴリさん「マカロニ知ってるか?ジーパン知ってるか?ヤツら、一年目にどうなった?テキサスだって、一年目にどういうメに遭った?口には出さなくても、俺たちはみんな、片時も忘れたことは無い。」 ぼん「…!」 山さん「彼らがそうなったのには、それぞれに理由がある。だがな、殿下は…いや、殿下だけじゃない、ボスも、長さんも、ゴリさんもみんな、お前が一年目だから、お前の焦りを恐れたんだ。分かるな、ぼん?」 ぼん「山さん、僕…!」 ゴリさん「焦ることなんかない。お前はとっくに一人前の刑事なんだからな。」 |
焦りが無謀な行動や人命の損失を誘発することを説く山さん、ゴリさん、長さん、殿下。 その裏にはこれ以上若い命を失いたくないという強い思いが。 普段は厳しさを持って若手刑事に接するゴリさんが優しい眼差しでぼんに接しているのも印象的。 ちなみに、この時スコッチは、犯人を連行し、さっさと現場を引き揚げてしまった。 さすがだ… 川のほとりでの名シーン…山さんの殉職話での愛息とのふれあいのシーンとダブります。 |
294 | 逮捕 | ボス 古屋 ロッキー |
古屋「帰って下さい!今さら…あんたがたの言い訳なんか聞きたくもない!」 ボス「ごもっともです。返す言葉もありません。岩城刑事は、署の受付に辞表を置いていきました。刑事として、絶対に犯してはならないミスを犯した以上、当然と言えるでしょう。しかし古屋さん、私は岩城の辞表を、受け取る気持ちはありません。あなたを傷つけたアイツは、同じように深い傷を受けてます。今アイツが刑事を辞めることは、その傷から、開放されることでしかありません。その傷を、生涯忘れさせないために、私はアイツに、刑事を続けさせるつもりです。それが、私に出来る、唯一のお詫びだと思ってます。せめて、アイツのことについて、その事だけは分かってやってください。虫のいいお願いかも知れません。(頭を下げる)」 古屋がロッキーに気付く。そして、ボスも。 古屋はロッキーに気付くや否や、ドアを閉めて閉じ篭る。 ロッキー「ボス…!」 ボスはロッキーを一瞥すると、一言も声をかけることなく、車でその場を立ち去る。 ロッキーは古屋宅の呼び鈴を鳴らすが、応答はない。その後、ロッキーは土砂降りの雨の中、一晩中相手を待ち続けた。 |
ロッキーが状況証拠と自らの思い込みのみで、古屋と言う男を強盗殺人犯人として誤認逮捕。その古屋は「警察に疑われた」と言う理由だけで、それまで真面目に勤め上げてきた勤め先を解雇された。 真犯人は逮捕されたものの、それだけで今度の事件は終わらなかった。 ボスは、部下のミスの償いのために古屋宅に出向いた。 「責任を取る」事と職を辞す事は違う。 今も昔も、何かあると「辞めて潔し」と美化する風潮があるが、それでは何も問題が解決しないことをボスは分かっていた。 と同時に、今回の事件を乗り越えてロッキーには大きく成長してもらいたいとのボスの願いもあった。 |
414 | 島刑事よ、永遠に | 殿下 今井昭夫 |
殿下「爆破犯人を庇うヤツは、人殺しと一緒だ!」 | 以前に自らが逮捕して更正させた青年・昭夫がまたもや悪に手を染めようとしたため、殿下は珍しく手を出した後、左のセリフで彼の悪事を止めさせようとする。 |
453 | 俺を撃て!山さん | 長さん 爆破犯人・寺田 |
長さん「すまん。寺田、(土下座して)止めさせてくれ、頼む!そんなに刑事が憎いのなら、俺を殺せ。(拳銃を寺田に差し出して)さぁ、俺を殺せ!(頭を垂れて泣きながら)殺してくれ…」 | ボスを殺すために爆弾を仕掛けた犯人・寺田の取調中に取り乱した長さんが我に返った後、自分の命と引き換えにボスを救済してほしいと寺田に懇願する。 |
ボス 山さん |
ボス「今度は外さんでくれよ。殺されるよりも、殺すほうが辛いんだ。山さん、辛い思いさせて悪かったな。」 | 爆破犯人に「藤堂を殺せ」と脅迫を受け、ボスに拳銃を構えたまま固まっている山さんに対して、ボスが自らの死に直面しながらも山さんを気遣うセリフ。 | ||
520 | 野崎刑事、カナダにて最後の激走 | 長さん 山さん ボス ゴリさん ドック ジプシー ラガー ナーコ |
ビックリしたゴリさんが思わず立ち上がる。 ボス「おいおい長さん、今、何て言った?」 長さん「ですから、現場の捜査から身を引いて、今後は警察学校の教官として、後進の指導に当たりたい…」 ラガー「長さん…!一体…何言ってるんですか?!」 ドック「そんな冗談、なしですよ!」 長さん「いやいや、冗談じゃないんだ。実は、大分前からそう言う話があってな、迷っていたんだよ。」 ドック&ジプシー「長さん…」 長さん「…今度の件の責任を取るとか、そう言う事じゃないんです。」 ボス「…」 長さん「ボス、ロッキーのような刑事を、アイツのように優秀な刑事を、一人でも多く育てたい。それが…ロッキーのために…私がしてやれる…(涙が溢れる)ただ一つの事だと思いまして…」 ボス「分かった、長さん…分かったよ。」 長さん「…ありがとうございました。」 山さんが長さんの元に歩み寄る。 山さん「長さん…」 長さん「世話になったな、山さん。」 山さん「いや、私の方こそ…本当に世話になった。」 (二人ともしばし、沈黙) 山さん「楽しみにしてるよ、長さん。長さんが育てた刑事と一緒に、働く時をな。」 長さんが、山さんの手を握り締める。 長さん「山さん…!」 山さんの目にも涙が浮かぶ。 山さん「うん…」 ドック、ジプシー、ラガー、ナーコ、そしてゴリさん…みんながじっとその様子を見つめる。 |
カナダでロッキーを殉職に追い込んだ犯人を逮捕して帰国した長さんが、岩城家に出向いて仏前に事件解決の報告を終えた後、署に戻り、警察学校へ転職したい旨をボスに申し出申し出るシーン。 みんなが長さんを慕い、大切な仲間だと思っていたことを改めて感じさせる。 中でも、10年以上も一緒に番組を支えてきた山さんとの惜別の熱い握手には、物凄く心を打たれました。 |
538 | 七曲署・1983 | ボス 山さん |
ボス「もう良いよ、山さん。なぁ山さんよ、俺だってあんたのカンがいつもいつも100%当たるなんて信じちゃいない。だがな、俺は今まであんたのやり方を100%信じてきた。これからもそうだ。ただそれだけの話さ。」 山さん「ボス…」 ボス「水臭いことなしだぜ、山さん。自分ひとりで責任を取ろうなんて…それじゃ俺の立場が無いじゃないか。」 |
捜査のミスを騒がれる山さんに対して、ボスは山さんに全幅の信頼を示し、従前通りの捜査を依頼する。 ボスと山さんとを結ぶ固い絆を象徴するシーンの一つ。 |
665 | 殉職刑事たちよ、やすらかに | 山さん 三好恵子 (元殿下の婚約者) |
三好「(新しい恋人にプロポーズをされてから)ず〜っと島さんのことが少しずつ薄れていくんです。そう言う自分がイヤでたまらないのに、秋になって木の葉が落ちていくみたいにに…少しずつ…」 山さん「忘れなさい、殿下の事は。」 三好「山村さん…!」 山さん「『あなたが幸せになれるなら、それで良い。忘れて欲しい。』殿下はきっとそう言います。あいつはそう言う男です。」 |
殉職した刑事の遺族がどう言う風に生きていくべくかを示した山さんの名セリフ。 |
ボス 脅迫犯人・西森 |
ボス「怖いか、西森。そうだ、それが人間だ。誰も殉職したくて死んだんじゃない。『死にたくない。』、『生きたい。』と心に叫びながら彼らは死んでった。だからこそ尊いんだ。だからこそ偉大なんだ。」 | 殉職者たちを盲信する男に、ボスが殉職とはどういうことかを諭すシーン。 | ||
691 | さらば!山村刑事 | 山さん ブルース マイコン |
(小規模の拳銃密輸を軽視する発言をしたブルース、マイコンに対して) 山さん「人事みたいに言うんじゃない!日本は法治国家で、拳銃の携帯を禁止されているんだ。それを忘れちゃいかん!今は誰もが拳銃事件に麻痺して驚きもしない。少なくとも、我々だけは麻痺してはいかんのじゃないか。」 |
多発する拳銃犯罪に麻痺する日本。その日本に対し山さんが鳴らす最後の警鐘のシーン |
718 | そして又、ボスと共に | ボス 警部 |
ボス「これもデカの宿命かな…出来ることなら俺が代わりたい。いつもそう思ってきた。なぜだろう…同じ人間でありながら憎しみ合い、時には血を流して殺しあう。同じ人間でありながら俺たちはそれを取り締まるために銃を向けなくちゃならん。」 | 瀕死の重傷を負っているであろうブルースを、マカロニから山さんまで、殉職していった刑事に重ね合わせ、刑事と言う仕事のはかなさを感じさせるボスのセリフ。 |
ボス 一之瀬遼子 |
ボス「命ってやつは何にも代え難く、そしてこう重い。大切なものだ。看護婦さんだからその、よーく分かると思うんだがね… そうそうそうそう、タバコで言うとね…そうだなぁ、あれもう何年になるかなぁ…僕の子分で背の高い、ちょっとキザなね、スコッチって男がいたんだよ。お酒はスコッチ。コーヒー、日本のお茶は絶対に飲まない。朝はモーニング・ティー。そして月給だって高くないのに、タバコと来たら、この細長いプシューっとした、この金色のね、洋モクって言うのかな?タバコを吸っている男がいてね… そいつも持病があって、犯人を追い詰めたときに…ここ一番って時に吐血してね、血ぃ吐いてる隙に撃たれて、もちろん犯人も仕留めたんだけど、口の周り真っ赤にして死んでった。 随分、部下を亡くしましたよ。部下の命は、俺の命。命ってのは本当に尊いモンだよね。」 |
死期が確実に近づいていた石原氏が、番組プロデューサーに頼んで譲り受けた、現実に死を実感した上で命の尊さを訴えた、プロデューサー氏が「15分の遺言」と呼ぶ、伝説のシーン。 11人を数える殉職刑事の中で、敢えてスコッチを引き合いに出して命の尊さを訴えたのは、この時既に亡くなっていた故・沖雅也氏を思い浮かべてのことなのか? スコッチ刑事が一番好きな僕としては、ボスが伝説のシーンでスコッチのことを口にしてくれたことがすごく嬉しかったのです。 |
−最後に…− |
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