Wind Climbing ]V
血臭 骨の砕ける感触
私の唇が無意味な問いを紡ぐ
そして私のつくりだした鎖が
脈打つ臓器を
潰した
土をかける。
悼む気はない。
隠すだけ。
そう深くはない。
何故なら
私から隠す気は、ない。
気分が悪い。
気持ちが悪い。
吐き気をこらえて車へ戻る。
情けない。
まだ、一人だ。
まだ、12本の脚のひとつを捥いだだけ。
これから、だ。
視界の端に、窓に映る月を見る。
悠々と穏やかなその色が、
それでも赤く、赫く光るのは、私の瞳のせいか。
美しい、と称されようと、
やはり『それ』は血の色なのだと。
いつかの銀の月が懐かしい。
けれどもあれは、あれはおそらく………
『怖いの?』
不意に、耳の奥に蘇った声。
『人殺したこと ないんでしょ?』
あれに私は何と答えたか。
こんな、時に。
思い出すのは失礼なのだろうけれど。
あっちはきっと、上手くいっているのだろうから。
この程度は許されよう。
どうなっているか、見たかったのだけど。
………会いたかったのだけれど。
『再会の約束破ったら不幸になる、とか』
多分それは当たることになる。
君は不本意だろうがな。
まだ手に残る、このとても不快な感覚。
こんな中に君はいた。
それでも
それでも私は、あの頃の君とでさえも近くには、いない。
『アンタは、オレが嫌いなんだと思ったけど?』
嫌いだよ。嫌いだった。
『嫌いと言わせる要因は中途半端な立場に身を置いているところ』
圧倒的加害者でありながら、被害者としての存在でもあったところ。
君の意思では、なかったのだから。
『気に食わないのはそれでも全体として嫌われない気質』
いっそ全面的に憎めたほうがまだましだったのに。
『最たるはそれを毛嫌いしながらも妬ましく思う己に気付かせるところ』
救われる可能性のある事に、羨望を抱く己に気付きたくはなかった。
私は、選んでここにいる。
だから、もう違う。
もう、会う気も……………ない。
我が赫き一対の瞳とその命を
我の犯せし罪と共に
クルタの血の 最後の一滴となりて
我が悲願の成就の そのときまで
永らえんことを
「……………あ」
「どうしたのキルア?」
どうやって旅団を見つけるか。
やれやれと上向けた視界に、ぼやけた月。
「いや………なんかやたらに不吉な月だなって」
「そう?どのへんが?」
「………赤くない?」
「うーん、そう言われればそんな気もするけど……ねえレオリオ?」
「まあ何となくな。別に不吉だとかは思わねえけどな」
「あ、そう」
見る奴次第といったとこか。
不吉、と言った後で失礼かもしれないけど。
やっぱり思い出すのは血と、彼の瞳。
見つけ、なきゃ。
見つからなくても、
見つけられたくないと思われていようとも。
探さなければいけないと思った。
約束は破らせない。
夜空に浮かぶ赫い月
勝負は………………これから
暗くて嫌………。
会話がないとダメだな私の文って。あってもいいかどうかは判らないけど。
意外にクラピカがキルアに惚れていたらしいですね。もーちょっとさっぱりしてるかと思ってましたが。←書いてる奴が何を言う
クラピカサイドの最後の数行はアニメとかで彼が言ってた奴ですね。とりあえずCDから聞き取りましたが………あってるかどうかは不明(汗)
あ、今気付いたけど、まーた私一人称も三人称もつけてないし。字の文に名前が出てこない………うっわー、判りにくかったらすみませんー!