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<特発性大腿骨頭壊死症とは>
 このページでは、特発性大腿骨頭壊死症とくはつせいだいたいこっとう えししょうについての概要を記載します。私が主治医や同一疾病の患者さん、この疾病に関する講演会やホームページなどから得た情報をまとめたものですので、必ずしも医学的見地からの記載ではないことをご了解ください。

病因 何らかの理由で血流が悪くなり、大腿骨頭部に血液が行かずに細胞が死んでしまうという阻血性の壊死。「何らかの理由」としては脂肪がたまって血管が詰まることや骨頭に圧力がかかること、血管が圧迫されることなどが挙げられる。
原因 原因は不明だが、ステロイドやアルコールが起因しているらしい。最近では長距離ドライバーなどの例もあるという。発症の割合は、ステロイド起因:44%、アルコール起因:30%、どちらでもない:24%となっている。
特定疾患 この傷病は特定疾患に認定されています。特定疾患とは、原因が不明で治療方法が未確認な疾病のうち、難治病かつ重傷度が高いもので厚生省が定めた疾患です。従って、病名の前に「特発性」とつきます。
特定疾患の確定診断 以下の項目の内、2つ以上を満たすと特定疾患に対する確定診断となる。
 ・レントゲンでの骨頭圧潰あっかい
 ・レントゲンでの骨頭内の帯状硬化像の形成
 ・骨シンチグラムでの骨頭のcold in hot像
 ・MRIでの骨頭内帯状低信号像
ステロイド投与について SLE(膠原病)、腎移植、ネフローゼ症候群、リウマチなどの治療で使用したステロイド剤が関与する。また、ステロイド起因の7割は両足の壊死とのこと。

同一疾病の人の話を総合すると、どうもステロイド剤投与後、ムーンフェイス(満月顔:顔が丸くなる状態をいう)になると発症する傾向があり、ムーンフェイスになって1〜2年後に股関節に痛みが出始めるようだ。

⇒私は97年11月に突然喘息の発作が起こり入院、発作が治まるまでの約1週間は「プレドニン」投与を、発作が治まってから気管支の炎症が消えるまでの約1週間は「デカドロン」投与をそれぞれ行った。特にデカドロンの点滴投与直後にはムーンフェイスとなったので、これが誘引であろうと推定している。

アルコール起因について 発症した人は「日本酒1日3合、ビール大瓶2本以上、ウイスキーダブル2杯以上または全体としてこの程度の摂取量」を「毎日」、「約15年継続する」レベル。40歳代に多く、男女比では「男:女=2〜3:1」の割合。
患者数 全国で1万人程度と推測。私の住む仙台市(人口約100万人)では約60人(99年度調査時点の特定疾患認定者数)です。年間3,000人が発症しており、年々増加しているらしい。
初期の症状 最初の段階では、股間節痛や膝部分、臀部が痛くなる。また徐々に股関節の可動域の制限、(曲がりが悪くなる)が出てくる。
病型の分類 病型はレントゲン画像の診断で次の3種類に分けられる。

・Type1(帯状硬化像型):骨頭壊死部分の面積が1/3以下のA型、1/3〜2/3のB型、2/3を超えるC型に分けられる。A型やB型はすぐに骨頭陥没(圧潰)が起こることはなく経過観察し、C型は関節機能が温存されているうちに手術するというのが一般的。⇒私の左足はC型、右足はB型の分類になる(99年8月当時)。

・Type2(間接面不整像型):骨頭が陥没している状態。壊死範囲はType1-Cに分類されることが多い。

・Type3(透過陰影型):壊死が骨頭中心部にあるA型と荷重部分にあるB型に分けられる。A型はすぐに骨頭圧潰の危険性がなく経過観察が多い。B型の壊死範囲はType1-Cに分類されることが多い。

病期の分類 病期は次の4段階に分けられる。

・Stage1:レントゲンでは異常が見られない段階。MRIや骨シンチグラムで診断。 ⇒私の右足は当初(99年8月当時)はこの段階であったが、やがてStage2へ遷移し、01年7月に骨頭回転骨切り術で手術した。

・Stage2:レントゲンで変化は見られるが、骨頭圧潰が見られない段階。

・Stage3:関節症はないが、骨頭圧潰が見られる段階。 ⇒私の左足は当初(99年8月当時)はこの段階で、99年10月に人工骨頭置換術で手術した。

・Stage4:関節症もあり、骨頭圧潰も顕著。臼蓋きゅうがいにも変化が出始める段階。

治療 一番の問題は骨頭圧潰。骨頭がつぶれないようにすることが大切。圧潰の発生あるいは進行を防止するために松葉杖を使うことでの保存療法があるが、壊死の場所と範囲によっては圧潰が発生しうるので、最終的には手術を行うべきとされている。
手術療法 骨頭回転骨切り術  内反骨切り術  外反骨切り術  血管枝付き骨移植術  間接固定術  骨頭穿孔術  人工骨頭置換術  人工股関節置換術  など    

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