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瑕と榎木津1

姑獲鳥映画の解説本みたいなのを古本で買ったんですよ。
それに原作(邪魅は出版前)の解説も結構ページ取って出ていまして。
陰摩羅鬼に関する記述の中にこんなことが書いてありました。

「長らく鬱を患う関口、失明した榎木津、過去の迷宮入り事件の記憶に苛まれる退職刑事の伊庭――みなさまざまな意味での瑕を負った者たちだ。」

京極先生がどういう意図で書かれたかなど拝察することすら私には無理なのですが……。
私は失明自体を「瑕」とはとらえませんでした。
ただ、この作品の榎さんに関してはかなり引っかかるものがあったのは事実。
なので下に書いた「魍魎」ほどは意外な感じはなかったのです。

シリーズ感想にも書いたとおり、まずこれに榎さんがいる必要を感じない。
いなきゃ一層暗くはなるだろうけれど、だったら益田か鳥ちゃんでも行かせておけば、関くんと漫才みたいな会話を繰り広げていたと思います。
ファンが納得しないとかそういうことはどうでもいいんです。(意外とその辺冷めてます。というか、京極先生にはファンに媚びてほしくないので)

一時的な失明、というのがひっかかるというのも以前書きました。
関口くんが長々と榎さんについて語る必要もないと思うのです。

長すぎたので一旦切ります。