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風蜘蛛の棘感想

最初のほうで共時性なんて出てきたので、げ、またかと思って思わずこのシリーズにおける作者の過去作品を確認してしまった。
桟敷わらしの人だったのね(^^;)
浮浪児を引き取って薬飲ませて、というのは前作と同じだけど、こちらのほうが話のまとまりはいいような感じがした。
タイトルはもちろん、車いすやラストシーンなども絡新婦のモチーフなんだけど、二重人格だ何だという辺りや、東京ローズがジョンにすがって「助けてください」と言う辺りは姑獲鳥オマージュなのかな。
構造が同じ二つの屋敷は狂骨を思いおこさせる。細かいとこ見ればもっとたくさんあるのかも。
木星号のくだりはちょっと無理やりだったかな。読み終わって結局どういうつながりだったんだっけ?ってなってるのでもう一度読み直してみないと。
八原院郁の、相手を操る話し方についてはもうちょっと詳述してほしかったかな。ページ数の関係もあったのかもしれないけど。
この長さにしては誰視点かが定まらなさすぎという感じもあったけど、今まで読んだ中では登場人物に対する違和感がほぼなく読めました。