ロッキー



今ではうめきちと仲良く暮らしてますが
まだうめきちが生まれるず〜〜っと前
俺が小学生の時
うちではシェルティーを飼ってました


名前はロッキー
オスのシェルティーで、友達の家からもらってきた犬
俺にすごくよくなついていて
木の枝を投げると、走って行ってくわえて持ってきます


ロッキーは外の犬小屋で飼ってたので
今のように一緒に寝るなんてことはしてなかったんだけど
すごくかわいい犬でした


そのロッキーをもらいに友達の家に行った時のこと・・・



何匹か生まれていた子犬を
1匹わけてもらえるということで
しばらくその友達の家で育ててもらい
普通に飼えるようになったちょうど良い時に
もらいに行きました


友達は、自分の家で飼う犬をすでに決めており
それ以外の中から1匹を選ぼうと
子犬達と戯れている時
ふと、友達に「名前は何にしたの?」と聞くと

「ラッキー」




















かくして、うちの犬の名前はめでたく

「ロッキー」

に決まりました!!




















ラ行下げてってパクッただけやないか・・・





















んっ?? いかんのか??




















そんなわけで、めでたく

ロッキー

に、決まりました〜〜!!(これ本当 笑)



そのロッキーを連れて帰るとき
子供達が提案したことがあります


「車乗らないで、みんなでロッキーと散歩しながら帰るよ〜」


車に乗ってすぐ帰っちゃうよりは
ロッキーと遊びながら帰りたかった子供達


そんな子供達の気持ちをわかってくれて
親も「気をつけなさいよ!」とは言ったものの
快いOKで了承!


喜びにはしゃぐ子供達
4〜5キロとはいえ
小学生にしてみれば結構な距離を
なんのためらいもなく、ロッキーと歩き始めます


ロッキーも、初めてまともに外を歩くので
草や電柱など、あらゆる物に興味津々で
匂いをかいだり、足で突ついてみたりと
かわいい仕草満載


しかし、こういう時にこそ、悲劇はやってくるもので・・・





















雨・・・


パラパラ〜から、あっという間に
サァーーーッという音に変わり、勢いを増してくる雨
アスファルトも、次々に黒に染まっていく


しばらくは、濡れるのも気にせずにはしゃいでいた子供達も
次第に無口になっていき、雨に文句を言い始める

「こんなに濡れたら風邪ひいちゃうよ」

「早く帰って、ロッキーも拭いてあげなくちゃかわいそうだよ」




















そんなことはわかってんだよ、ボケッ!


俺は、自分のジャンバーにロッキーをくるむように
抱きかかえて、ロッキーが雨に当たらないように
かがむようにしてゆっくりと歩いた


しかし、ロッキーが何もしなくなると、みんなおもしろくなくなり
自転車を押してきていた奴の1人など「俺帰ろぅ〜」などと
つぶやき、とっとと帰ってしまった


1人が帰ると、それにつられるように次々とみんなも・・・

ロッキーを心配そうに気にしてくれた人もいたが
結局全員帰ってしまい、雨の中残された俺とロッキー



ずぶ濡れになりながらロッキーと歩いてる時に思った

あいつらが、この先いくらロッキーをかわいがっても、それは見せかけ

いざって時に、人は本性を表す

自分が濡れるのが嫌だからと、自分のことだけ考えて
帰ってしまうやつは冷たい人

気にかけ、心配しながらも帰ってしまう人は普通の人

そこにいる人を心配し、残れる人は暖かい人



そして
「俺は、お前を置いて行ったりしないからね」
そうロッキーに話しかけながら、雨の中歩き続けた・・・



家についた時には、俺もロッキーもビショビショで
疲れ果てていたけど、冷えた体を温めながら
「俺は、こういう時残ってあげる人になりたい」
ってぼんやりと思ってた



あの日、ずっと抱っこして歩いた事を覚えててくれたのか
ロッキーは俺に1番なついていた気がする
俺がいる時はリード外して遊ぶこともしょっちゅうだった
親に見つかると怒られたけど・・・



引っ越す時に、引っ越し先がペット禁止の住宅街で
親の知人に引きとってもらうことになったのですが

俺はこの家にロッキーと一緒に残るから、勝手に引っ越せ!
なんて言ってました(できるわけないのに・・・)

しかも、
引っ越す前から飼っていた犬ならば、飼っても良い
という話しも聞いていたので、なおさらだよね
実際引っ越したとき、同じタウンの中に犬飼ってた家あったからね、いくつも


それを見た時は本気で親を憎んだ!
なんでロッキーを連れてきてくれなかったの?
なんであの犬は良くてロッキーはダメなの?
その問いかけに対する納得いくような返答は一切なし・・・

飼ってる家の犬、バットかなんかで殴り殺してやろうかな?
とも少し思った・・・もちろんそんなことやってないけど
規則っていったいなんだ?



結局ロッキーは、もらわれていってしまったけど
小学生なりの、ささやかな抵抗
今思えば、抵抗になんてこれっぽっちもなってなかったけど
あの頃は、それでもがんばってた



あれからもう10数年、今頃ロッキーは
空から俺を見てくれているんだろうか・・・



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