第28回
不当な配当は馬券購入者の罪である

 8/17(土)。我らがすぐらーがお盆での福島遠征からの帰り道に関東に寄る、ということになり、集合場所を大井競馬場に設定。なぜここになったかと言う経緯は不明であるが、ネタで「大井や」言うたら「ええなぁ」と言われたという、結構ええかげんなノリやったと記憶している。1レース(16:00)から行く予定で15時に家を出て車で向かう。平和島インター(首都高湾岸線での最寄インター)を15:45ぐらいに出る。いいペースである。が、お盆の週末のせいか、ロクなレースも無いというのに、いつも停めている駐車場はすでに満車。フザけている。みんな、行楽と言ってどこか思いつかなかったのであろうか。こともあろうに大井にファミリーで行く、と誰が決めたのだろうか(多分おとんであるが)。こんなグチが口をついて出てくるぐらい、家族連れが多かった。ともあれ、競馬場に着いた時には1レースはすでに終了。スキャン産駒が新人騎手で勝ち、非常に1レースらしい。ただ、中央と違うのは、すでに夕暮れということか(ナイターだから当たり前ではあるが)。

 2レース。まだ誰も来ない。退屈なので予想屋のところに行く。南関東で予想屋といえば、有名な「佐々木の予想」である。ここはトークがおもろい。K太情報では、昔ここに閑田Bに声色がそっくりな予想屋がいたそうであるが、残念ながら今日はいない。予想屋の予想通り浦和のミサトスパーキングが快勝。ヤネは石崎隆である。単勝2.3倍の1番人気だったが、2着と3着にそれなりの人気薄が来たので、3連複が万馬券。取れず。ちなみにミサトスパーキング、ホリスキー産駒でこのレースの距離は1590mであった。3レース。1番人気のカイジンボスから行くも4コーナーで失速し、馬連で7万、3連複で12万の大波乱。こうなると勝てない流れである。

 K太、閑田Bと次々に到着。しかし、お互いに調子は悪いようである。閑田Bと私が予想がかぶるといつもロクなことがないが、今日もバッチリ予想がかぶっている。こらアカンわ。しばらくケンと負けが続き、7レースぐらいですぐらー到着。全くヤル気のない風貌とヤル気のない顔である。いつも通りだが。しかも荷物を置いたと思ったら「場内見学してくるわ」と言い残して馬券を買うそぶりすら見せない(当然、競馬新聞も持っていない。東北版の日刊スポーツは持っていたが)。そういえば、府中に行った時もそんなことをやっていた。競馬の結果より、その競馬場に来た、ということの方が大事なようである。まあ金は使わなくていいが、テーマパーク的要素のない競馬場で馬券を買わないのであれば、何のために来たのやら。で、しばらくして戻ってくる。自分で土産として買った柏屋の薄皮饅頭をパクパク食って予想だかわからんが馬柱を見る。が、まだ馬券は買わない。そうこうしているうちに、事件が起こるのである。

 8レース。1番人気はハートワン、という馬。ヤネは、それなりにリーディング上位の今野。デキのいい牝馬ということで、人気が集まっているようである。続いてクリアリダー。3番人気にホクトプリウス。このレースはかなり堅い(事実、ハートワンを切る要素が無かった)と踏んでケンにする。レース直前、ゲートに入らない馬が1頭。14頭立て14番人気のエビスセイントである。かれこれ5分、ゲート前で押し問答があったが、どうにか収まる。で、こんな馬に限って、スタートでポンっと出てしまう。ちなみに、大井は外回りではかなり直線の距離があるので、追い込みでも充分届くのが他の地方競馬と違うところであるのだが、このレースは前々がガリガリ行かず、思ったよりスローペース。浦和のセン馬、トップギャラントがペースを形成。そのまま4コーナーへ。外から必死にハートワン。しかし、前述の2頭で前々の決着。トップギャラント11番人気、エビスセイント14番人気。3着にはスペシャルライス(4番人気)が入り、ハートワンは4着。持っている新聞を照らし合わせると、スペシャルライスがそれなりに印が入っている。しかし、である。私は3連単が発売されてから過去3回大井に来ているが、その3回とも100万以上の馬券が出ているのである。何かある!と確信はするが、それでも印の兼合いから、行って100万かなぁ、とK太と相談をしていたのだが、掲示板に出た払戻金はこんなんだったのである!

 975万ってあんた…。中古のフェラーリとか買えてしまうやん(←貧乏人のため、相場がようわからんが)。最初、97万かと思ったら7桁あったわ。もう笑いも出ない。このレース、やらんでよかったわー。絶対取られへんもん。場内は大歓声と共に、そこかしこで拍手が聞こえる。975万をそんなに誰しもが取ったとは思えないので、みんな驚愕して拍手しているんだろう。と、ここで閑田Bが一言。

 この配当を生み出したのは馬券買ったあんたたちやろ!

 見事な一言である。しかも至極正論である。やはり、この男、ただものではない。

 メイン(この日はメインが9レース)。的場文と石崎隆のエース2人で決まり、馬連800円。前レースと比較してあまりに夢のない馬券で決まってもうた。当然取れず。結局ボウズで終了。閑田Bは昼にWINS渋谷でJRAをやっていてダブルヘッダーだったのだが、合わせても1レースも取れず。ご立腹でした。

 その後、神宮球場(ヤ−阪)に塚Pがいる、とのことで合流して飯でも食おうという話になったのだが、神宮は生憎延長に入っているようである。まあしかし、大井から神宮外苑までは車でしばらくかかる上に、悪名高い国道246号&渋谷駅前を通るため、時間がかかりそうである。ぼちぼち行こうか、と車を走らせる。山手線に沿って北上し、渋谷駅前へ。以前、すぐらーが来た時には、渋谷のネパール料理店へ飯を食べに行き、渋谷駅前でさんざんな目に会った(第25回参照)のだが、今回は信号に引っかかることもなく、なんとすんなり抜けてしまったのである。しかも夜だからか、246はガラガラ。青山学院大前もスルっと抜ける。と、ここで連絡が。ヤがサヨナラで勝ったらしい。米野のタイムリーだそうだ。米(西京−神戸製鋼−横浜)ではない。米野(北照−ヤクルト)である。古田の代役を見事にこなす劇的な勝利のようだ。塚Pは球場に行くとヤクルトが勝てないというジンクスがあるのだが、今回は当てはまらなかったようである。ん、ちょうどいい。青学前から神宮外苑はすぐであるからして、出てきた頃に拾えるのではないか。青学から外苑前まで約5分で到着。球場からはゾロゾロと阪神ファンが出てくる。さすが神宮、阪神ファンの方が多かったようである。しかもその形相は怖い。そらそうや、11回まで行ってサヨナラ負け。この頃は貯金だ借金だと5割付近をウロウロしとった時である。ナーバスにもなるっちゅうねん。かく言う私は、開幕時の世間の阪神フィーバーに興ざめし、すっかりロファンになっているのでどうでもよかった。

 しばらく待つ。しかし、一向に姿が見えない。さては、また迷子になりよったな?と連絡を取るのだが、すでに球場は後にしているらしい。しかし、待っても来ない。5分ぐらいしてようやく登場。ヤファンのなりは全く見せず、フツーに登場。インパクトゼロ。そんなんでは大きくなれんぞ。

 飯を食いに行く。とりあえず軽いもの所望のすぐらーのリクエストを受け、ファミレスを探すのだが、行けども行けども見当たらない。吉野家、松屋の類は見つかるのだが、それではイヤなようだ。環八に出るがさらに行っても見当たらない。K太の家が荻窪なので、杉並方面に向かうと、1軒、レストランとおぼしき建物が。しかし、ラストオーダー後だった(店の名前も忘れた)ので、退散。向かいにデニーズがあるのでそこや!ということでグッとUターン。結局デニーズかい。さんぎょーが横浜来た時もデニーズだったなぁ。関東にはそこかしこにあるっちゅうことやな。デニーズでは、すぐらー、塚P、K太、閑田B、そして私の5人であるから、このメンツでは野球以外の話にほぼなり得ない。競馬ネタも挟むのだが、やはり野球になってしまう。ホプキンスとか、オーテンジオがさらっと通じる世界。やっぱいいねぇ。これでまた会社に戻りたなくなるねんなぁ。ちなみに、この5人では、最年少は私である…。驚き。

 K太、閑田Bを送り、家に。塚P、すぐらーは我が家に宿泊。時計はすでに2時。明日(日付的には今日)の東京Dのために、早く寝ないと!と思うのだが、たまたまつけたチャンネルで「われめでポン!」なんかやってる日にゃーあんた、見てしまうのが人間ってもんよ。萩原流行、加藤茶、阿藤快、武藤敬司のメンツだった。この勝負が決まったら寝よう、と思うのだが、そんなオーラスで6本場。ダラダラと続いた勝負は、ツキの全くなかった阿藤快が加藤茶にフリこんで終了。我々も就寝。草津と違って2人ゲストがいると部屋が埋まるので、私は玄関で寝る。ものすごーく生ゴミくさい。しかも暑い。あまり深く眠れることができなかった。時間は4時。もう空は白んでいた。

 翌18日(日)。8時半に起床。テレビでは智弁学園vs智弁和歌山の高校野球の放送。朝早くからご苦労様である。高校野球観戦はもう10年から15年していない。専らプロ野球観戦専門になってもうた。が、高校野球は基本的に暑い上、すでに関西にいないので、よっぽどのことが無い限り、観に行くこともないであろう。そして今日も涼しい東京Dである。ロッテ戦である。今年、千葉で6戦(2勝4敗)、東京Dで1戦(1勝0敗)、大阪Dで1戦(1勝0敗)、おまけでハマスタで1戦(0勝1敗)。トータルで9戦、4勝5敗。チーム勝率を考えると、いい確率であろう。今日も勝ちに行く!しかし、予告先発が高木(ロ)と隼人(日)。今年、相性の悪い隼人とちょっと前まで中継ぎだった高木。ムリかなぁ。

 すぐらーが支度に思いっきり手間取り、横浜を出たのが10時過ぎ。水道橋到着が12時。しかもかなりの雨である。とりあえず馬券を買いにWINS後楽園へ。後楽園は、PRこーなー以外は電話が通じにくくなるので、入る前にスプリングマンに電話。するとPRコーナーにいるとのこと。さすがである。次にK太に電話すると、PRコーナーの近くにいるとのこと。さすがである。ってみんな、そういうことだけはしっかりしてるのね。

 閑田Bの到着を待って球場入り。時間にして12:30である。開始1時間前にして、レフトはいつも通り満席。さすがにそこはロッテファン、そんなことはわかっている。今日はハナからライトに座るつもりでいたのでよしとする。ライトは1時間前でも埋まらない。いかんね、日本ハム。親会社がゴチャゴチャしとるから、そんなんやねん。

 試合前、日ハム応援団が応援歌集を配る。が、以前東京Dに西武戦(カブレラが天井に当てたあの試合である)を観に来た際に配られたものと比較して、田口の応援歌が抜けているだけであった。手抜きやな。親会社とソックリや。そのくせ、スタメンは5番サード林(もちろん、載っていない)。…フザけとる。

 試合開始。1回にサブローのツーベースから、福浦のファーストゴロで3塁へ。メイの4球目にワイルドピッチで先制。この前の週の日ハム戦で、芝草がサヨナラ暴投でロッテが勝っている。相性か?と思いきや、2回に奈良原のタイムリーでアッサリ逆転を許す。うーん、やっぱり隼人では勝てないのか。

 4回に田中幸雄が、6回にクローマーがそれぞれホームランで4-1。その間、ロッテは見せ場一切なし!非常につまらない展開。iモードで高校野球を見て試合を観ない始末(おかげでクローマーのホームランは見ていない)。が、9回にかなり盛り上がる場面が。先頭のメイがセンターフライ。続く初芝がレフト前、大塚がレフトフライだが、立川がセンター前で2死1,2塁。そこから清水将がレフト前にタイムリーでまず1点(4-2)。さらに代打の佐藤幸彦がセンター前で立川還って1点差(4-3)。なおも2死1,3塁。幸彦に代えて代走渡辺正人で磐石の態勢。しかし、1番に返った小坂がサードファウルフライでゲームセット。小坂が最近元気ない。仙台では何とかしろよ。

 すぐらーが晩のムーンライトながらまで時間があるということで、東京駅まで出て飲み。新沼謙治はネタとして我々の世代には通じない、という意見で一致した(何を話しとんねん)。すまん、あんまり覚えていない…。

 いつも思うのだが、RUQS関係者と話をすると、どうも俗世間から離れた気分になる。これは、あまりにRUQSが浮世離れしている象徴なのだが、それがどうにも心地よい。これが、コンパで失敗する原因なのだろうが、5年もそんなのがフツーの社会にいると全く還俗できん。これがRUQSの怖さなのであろう。社会人になってから、ジワジワと実感するこの脱力感。脱するには、ネタを変えることなのだろうが、そんなことが不可能なのは、RUQSのOBならば誰でも知っている…。げに恐ろしいサークルである。


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