第38回
サクサク

 以前、トリビアの泉の話をしたが、この番組は3月で終了してしまった。毎週欠かさずに見ていた番組だったので愛着があったのだが、終わってしまったものはしょうがない。私が好きでみている番組は、Go-oneと違い、大体は長いことやっているものなのだが…。トリビアは7月から時間を変更して再び放送されるとのこと。今は良いネタを探すための充電期間と捉えて、ガマンすることにしよう。

 さて、その「毎週欠かさず見ている番組」がなくなったのだが、最近、「毎日欠かさず見ている番組」というものができた。4月から始まるNHK教育の語学番組もそうである。ちなみに私、4月からはとりあえず全部の言語見ようと思うてNHKの350円の本を11冊も買うてしまった。このうち5冊は英語だが、残り6冊は、第2外国語である。予習がてら、とりあえず読んでみたのだが、一番苦労しそうなのがロシア語である。第1回で「ズドゥラーソトゥヴィチェ」が基本例文である。わけわかんない。まず読めない。無理から読もうとしても読めない。ハングルも知識がないと全く読めないのだが、語順が日本語と一緒であることと、母音と子音がきちんと分かれているから、まだロシア語よりはわかる。中国語は例の相原茂という古畑そっくりの先生がおもしろいのでいいとして、スペイン語、ドイツ語、フランス語はまあぼちぼち。一番楽しそうなのは、やはり中国語のようである。

 英語は放送時間も含めて、内容がガラっと変わった。まず、7:10〜7:30の帯で毎日やっていた時間帯が全くなくなった。本放送が朝(6:50から)になったり、日曜日の7:30になったりと様々である。日曜は、7:30〜8:10(100語でスタート英会話)、8:10〜8:30(今から出直し英語塾)になったりしている。日曜の朝に語学を持ってくると、朝、仕事行く前に見る、ということができなくなる。第2外国語に至っては、本放送が夜中になってしまった(朝6:00〜6:30にはやっているが、これは再放送扱いである)。視聴者のことを全然考えてない。さすがはNHKである。しょうがないから、またビデオのお世話になるしかないだろう(しかし、番組にして11本は多いなー)。

 本題に入ろう。語学の番組以外で、「毎日欠かさず見ている番組」が最近1つある。7:30からテレビ神奈川でやっている、「サクサク」という番組である。私に限らず会社でもごく一部でちょっとしたブームにもなっている(当然、私が広めたものである)。この番組、いちおう「音楽情報番組」と銘打っているのだが、ほとんど音楽に触れていない。ビデオクリップは番組の合間にチョコチョコ流れているのだが、それに対するコメントは一切なし。流しっぱなしである。

 音楽情報番組なのだが、いちおう柱としては「トーク」がある。これがかなり秀逸なのである。MCは、木村カエラという女の子と、増田ジゴロウという2人である。彼らが、横浜にあるアパートでトークをする、という設定なのである。(ジゴロウが管理人でカエラが住人という設定)。カエラちゃんはほぼ素人(Seventeen専属モデルで、テレビはこの番組が初出演らしい)で、まあ味があっていいのだが、問題はジゴロウである。とにかく、番組を見てもらったらわかるのだが、彼はボイスチェンジャーで声を変えているのである。かなり胡散臭い。さらに、彼は顔がサイコロなのである。体全体が、ではない。あくまで顔だけだ。体には、大きく「俺」の一文字。いいねぇ、このセンス。地方局ならではである。こいつがまあ基本的には喋ってネタ振ってカエラちゃんが答える形式なのだが、このネタ振りもまた適当なのである。さんぎょーみたいに、思いつきで喋っているのである。それも自分に有利になるように。不利益なことは喋らないところなんかもそっくりである。違いは、関東弁か関西弁か、もうそのぐらいである。

 このジゴロウ、スタックの誰かがやっているのであるが、その元となっている人はかなり年上らしく、ことあるごとにガンダムネタを振ってくる。さらに先日はギターの話になったのだが、「俺の時代はエレキ持っていると停学になった」というネタ振りからして、かなりの年上(もしくは田舎育ち)であることが読み取れる。プロフィールには、「熊谷市生まれ、横浜市在住」とあるから、熊谷の方ではエレキに偏見があったのかもしれない。ただ、彼はよく田無(現西東京市)のネタを振るので、純粋に熊谷育ちではないのかもしれない。また、トークも身勝手で、例えばコーナーの1つに「サクサクを見ている人にあだ名を付けよう!」というのがあったのだが、「サクリスト」とか、「サクシタン」(キリシタンから取っているらしい)とかの投稿作品の中、彼は「シャアサク」と言っていた。 「なんでもベスト3」のコーナーでは、「美しいもの」に「ガンプラカラー、つや消し黒」とか言ったり(主婦層に果たしてわかるのか)、「固いもの」にシンボリルドルフの複勝(主婦層に果たしてわかるのか)とか言うのである。ちなみに、この時の1位は「俺の…」であった(主婦層がターゲットなのがよくわかる)。もう一度言うが、この番組は「音楽情報番組」であり、放送は「7:30〜8:00A.M.」である。いいのか、テレビ神奈川!?

 さらにこの番組、効果音の音源がファミコンである。なんかすごいことやらかすとファンファーレが鳴るのだが、その音がディスクシステムの電源を入れた時の音楽だったり、ドラクエの仲間が増えた時の音楽だったりする。番組内のプロフィール紹介時には「ドンキーコング」だし。もうそれはそれは朝から笑かしてくれる。さらにさらにこの番組、夕方に再放送をやっているのである。特ダネテレビもびっくりである。ジゴロウが好き勝手喋っているこの番組が、よもや再放送やっているとは驚きである。しかも、何気に夕方も視聴率がいいらしい。このヘンもターゲットに主婦層が含まれているという片鱗を垣間見ることが可能である。(このあたりは特ダネテレビと一緒か)。夕方にこの番組を見る人を、「夕方サクサクを見る」を略して「夕サク(ゆうさく、と読んで下さい)」というらしい。これも番組内でジゴロウが勝手に言っていた。

 この憎たらしいキャラなジゴロウであるが、トークのうまさは納得でき、まあ見ていておもしろい。ただ、万人ウケするかというのは疑問である。うちの会社でも、あくまで一部のみで流行っているものだから、アテには出来ない。と思っていたら、なんとこのジゴロウのグッズが販売されているようなのである。ある時、うちの会社の同僚(私と歳も一緒)のヤツが携帯のストラップにサイコロのようなものを付けて会社に来ていたので、興味本位で見てみたら、「これ、ジゴロウ先生!」と自慢気に話てくれた。いまや、「ジゴロウ」と言えば「嘉納治五郎」でもなく、「猪熊滋悟郎」でもなく、「増田ジゴロウ」なのである。このグッズ、東急ハンズとかロフトとか結構有名どころの店で売っているらしい。恐るべし、サクサク。

 さすがにこの番組は関西でやってないだろう、と思ったら、なんと木曜の放送だけサンテレビで放送しているらしい。木曜日はメインが「最新ゲーム情報」だから、とりあえず見ても退屈するのではないから、興味ある人は御覧あれ。

 今現在、見ている番組のうち、NHKとスカパーを除くと、なんとテレビ神奈川だけ(「サクサク」と「どうでしょうリターンズ」)となってしまった(ちなみに、私の同期の北海道出身のヤツは、酔うと喋り方が大泉洋にそっくりになるが、本人にそのことを言うと泣いて喜んでくれる。どうやら意識はしているようである)。世の中、楽しいこととは「馬鹿なこと」なのであるが、「馬鹿」をやるのに金はかからない、ということである。しかし、なんでこの番組、タイトルが「サクサク」なのかは全くの謎。誰か知っていたら御一報を。

 サクサクの公式ホームページはココからどうぞ。


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