続き

 「バッテリーなくなった。」

 なんということでしょう(「ビフォーアフター」のナレーション風に。声:加藤みどり)。あと4区を残して、ついにバッテリーが力尽きてしまった。ちなみに私のカメラのバッテリーは専用電源のため、市販の乾電池は使用できない。

 さあ困った。残り4区をカメラ無しで回るのは可能だが、それではここに載せる分が後半やたら寂しくなる。次の日に改めて回る、ということも可能だが、次の日には別な予定が詰まっている(この段階で次の日の企画はまだ決まってなかったが)。考えた末、導き出した結論は、

 「充電しに家に帰る」

 であった。この時点で時間は20時をゆうに超えている。スグノレのお別れの時間となってしまったのだ。スグノレを新横浜駅に送り、さんぎょーと私は、残念ながら一度帰宅となった。

 <一旦帰宅> 20:42、総走行距離163.0km

 失意の帰宅。とりあえずは体を休める。日付が変わらないうちにあと旭区を含めてあと4区を回るには、最悪22時には出発したいのだが、家に帰ってきた時点で20時半を超えているので、充電時間は長くて1時間ちょい。ちなみに、カメラは充電時間が2時間必要である。バッテリーの類は、50%の充電時間で50%分の時間稼動できるものではない。充填率と稼働時間は、指数関数に近いものである。となると、不十分な充電だとひょっとしたらまたすぐに切れてしまうかもしれない。撮影技術が無いのでフラッシュをたいて何回も撮影するのが悪影響を及ぼすかもしれない。完遂までの時間を後ろにズラせば問題は解決されるのだが、それではやはり次の日に影響を与えてしまう可能性が高い。つまり、この選択肢も、この時点では完遂の可能性が100%あるものではなく、やはり危険な賭けに乗っているのである。

 充電に1時間を費やすとして、この時間が勿体ないので、ここで明日の予定を立てることにする。スグノレ亡き今、私とさんぎょーの2人となったが、幸い明日はkageが休日ということで彼をアサイン。企画も無事決まり、あとはひたすら野球観戦。ラジオで散々聞いていても、最後には野球しか残らない悲しい中年2人組。しかも放送時間延長しても試合終了まで入らず。つくづくついてない。

 <再び旭区へ> 21:55、総走行距離163.0km

 充電時間およそ1時間で再び舞台は愛車フィットへ。今度はロケハン済。まごうことなく旭区のカントリーサインをゲット。家を出てからわずか12分も、「旭区」のくじを引いてからは何と2時間13分後。最も長い時間を費やしてしまった。


カントリーサイン

 <第15の選択:旭区> 22:07、総走行距離167.4km

 スグノレがいないのでさんぎょーが6回目の抽選。鶴見区を引く。もうどこ引いてもハズレはハズレであるが、今度は最東端。しかし、もうここまで来たら行くしかない。


目的地

もはや言葉も出ない…

 環状2号から国道16号を経由、国道1号に出る。国道15号(箱根駅伝のルート)でもよかったが、旭区により近い1号線を選択。ここに来て、初めての国道1号である。日本を横断する道路も、横浜市民にとってはただの東西にいくための道路の1つ。市内を回るなら環状2号の方がどれだけ使えるか、身を持って体験した我々である。

 さすがに野球も終わり、聞くラジオもなくなったのでCDに変える。が、さんぎょーはお疲れモードか、昼間よりは口数が少なくなってきた。このあたりは淡々と進む。

 国道1号に入って、東に行くのだが、途中、国道16号と国道1号に1つづつ、銭湯を発見する。さんぎょーは、最近家にあるような小さな風呂に入ったことがないらしく、うちの風呂を毛嫌いしているのである。時間があれば、これらの風呂に入りたい、という願いがあるようだが、極楽湯のようなスーパー銭湯ではなく、ただの街の銭湯である。日付が変わって果たしてまだ開いているだろうか。どちらも、時間の確認ができなかったのだが、16号のはともかく(保土ヶ谷区)、1号線のヤツは神奈川区の鶴見寄りである。鶴見の後に2つの区を残しており、それがいずれも鶴見とはまるで関係無い方向にあることから、どうかんがえてもここに戻ってくることはない。それでも必死にチェックするさんぎょー。22時を過ぎたというのに、客足は途絶えていないようである。駐車場は満車に近かった。

 そうこうしているうちに鶴見区到着。時間がそろそろ押し迫ってきた。


カントリーサイン

 <第16の選択:鶴見区> 22:41、総走行距離182.8km

 残るは2区。もうどっちでもいいが、南区の方が東側にあるので、どちらかというとそっちが望ましい。最後の抽選を私がする。無事、南区を引き当てる。しかしスグノレよ、こんな疲れている時にミナミで「たっちゃん」はないやろう…。


目的地

暗すぎてよう見えん…

 国道1号を道なりに行き、関内から国道16号を西へ。関内からの国道16号ということは…、そう、曙町を通るのである。さあ、ゲームの始まりです!裏金産業の本領発揮。

 …と、よう考えたら写真を撮ってない。大失態。もう疲れてた、というのは言い訳にもならない。とりあえず、読者諸君は通りの左右を埋め尽くすように風俗店が並んでいることを想像していただきたい。が、横浜市民は、この通りの一筋北の通りが本線なのを知っている。

 しばらく行くと、曙町、黄金町を抜け、ここで歓楽街は終了。あとはひたすら、西に行けば南区である。ところが、である。また「ところが」である。この日何回目かわからん。この16号が厄介で、どうやら西区と南区の境目を走っているようなのである。これだと、おそらくこの通り沿いにカントリーサインは現れない。仕方がないので途中で左折し、戻ってきて16号を横切る、という作戦を立てようとするのだが、この流れだと見つかりそうも無いのはこれを読んでいる誰もが想像できることである。実際無かった。このままズルズルと16号を西に行き(途中から16号は南向きになる)、ようやく見つけたカントリーサインは、すでに港南区のものであった。裏側には南区があったが、これにより歓楽街を通ったのは、ただ単にさんぎょーを喜ばせただけになってしまった。しかしさんぎょーの眠気も飛んだのであろうか。曙町あたりからはかなり饒舌になってきた。ここと雄琴を比較し、どれだけ雄琴が特殊かを講釈たれる始末。さすが我らのさんぎょー、やはりこうでなくてはいけない。


カントリーサイン

 <最後の選択:南区> 23:18、総走行距離206.3km

 いよいよ、長かった「神奈川カントリーサイン」の旅も最終チェックポイント、泉区を残すのみとなった。戸塚区を横切るだけなのだが、日付が変わるまではあと42分しかない。行ってすぐにあれば十分足りる時間ではあるが、果たしてすぐに見つかるのだろうか。ちなみに、くじは引かなかったのだが、ボケとして何が書かれていたのか、くじを破棄した今では真相は闇の中である。まぁ、最後にとっておきのボケが残っていたとも思えないので、気にしない。


目的地

 さあ、ひたすら西に進む。泉区は住宅街なので、あまり幹線道路として大きい道が走っていないのが気にはなる。

 戸塚までは非常にスムーズ。が、戸塚に入ったところで、道がやたらと狭く入り組んできた。住宅街特有の区画整理である。ここから泉区のカントリーサインを探すことになるのだが…。やはりうまく行かない。泉区に入っているハズなのにサインが無い。そんなこんなを2、3回繰り返して…

 ついに、泉区のカントリーサインを発見。今まで見てきた中で一番みすぼらしいサインだが、しっかりと「泉区」と書かれている。例によって1車線なので、民家に車を突っ込んで撮影。ここに、「神奈川カントリーサイン」は完結されたのである。この時の時間が23:55。ホント、ギリギリ。


最後のカントリーサイン

「神奈川カントリーサイン」サマリ

回った区18区
総所要時間10時間55分
総走行距離219.8km
総経費高速代1100円
食費それぞれ負担
馬券代それぞれ(相当)負担
ガソリン代約1000円
くじのボケ指数ポイ

 <帰路>

 家に着くと当然のように日付が変わっていた。でも次の日の準備とプロ野球ニュースを見ないといけない。就寝は結局26時。次の日は朝7時起床。何をやったかは…また次のお話。 


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