「ねぇ、君だけ幸せでいいの?君には幸せになる資格あるの?」
誰?聞いたことのある声・・・。
暗い・・・。ここは、どこ・・・。君は・・・。
青く、綺麗だが、冷たい眼光が僕を見ている。
「君は醜い。」
そう、僕は醜い。
「君は最低の人間だ・・・。」
そう、僕は最低の人間・・・。
「賢ちゃん、賢ちゃん。」
「誰?」
「賢ちゃん、大丈夫?」
現実?
じゃあ、さっきのは夢?
分からない。
「ママ・・・。」
「目が覚めたのね。」
「ママ、とっても心配したのよ。賢ちゃん帰ってくるなり突然倒れちゃって・・・。」
見慣れない光景・・・。自分の家じゃない。でも、ママがいて・・・。
「ここ、どこ?」
「病院よ。賢ちゃん、救急車で運ばれたんだから。」
そういえば、学校から帰ってくる時から眠くて、だるかった。それからの記憶が途切れている。
「お医者様はね、軽い貧血だって。だから、明日にも帰れるんだけど、賢ちゃん大丈夫?大事をとって何日か入院させてもらう?」
「大丈夫、帰るよ・・・。」
「そう・・・。でも、無理はしないでね。」
「分かった。ごめんね、ママ。心配かけて。」
「いいのよ、賢ちゃん。」
次の朝、僕は家へ帰る。
今日一日は学校を休んで家で寝ることになった。
しかし、僕は寝るのが怖かった。昨日倒れたのだって寝てないから・・・。
寝てしまうといつも夢に出てくるのは高石。
いつからか僕は高石に抱かれるようになった。僕は彼の存在が恐ろしかった。何でも見透かしているかのような青い目。時折その目には感情がないのかというくらい冷たい。抱かれている時もそんな目でずっと見られる。
そしていつからか、その目が頭からこびりついて離れなくなる。夢に出てくるのはいつも彼のあの目・・・。だから寝ない、考えない、そうすることにした。しかしそれも限界だったらしく僕は倒れた。案の定気を失っている間夢に彼は出てくる。