3月8日

和歌彦「ちっ。時間を食っちまったな。姉上や七瀬たちは無事なのか…?」
グルルルル…
和歌彦「…何だ、今のは?」
狼「ガァァァッ!」
和歌彦「な…!ありえねぇ。狼なんざ、日本じゃ絶滅してる筈だってのに」
ガチン!
和歌彦「これも、幻術のひとつだってのかよ。まったく、嫌になるぜ…」

同時刻 七瀬たちは…
七瀬「まったく〜。知り合いの偽者なんて嫌なもの作るよね〜」
昴「そうだね〜。でも…」
昭哉「でも、どうしたッス?」
昴「ひょっとして、私たちの偽者も作られているのかな〜って」
昭哉「まぁ、ありえない話じゃないッスね…」
七瀬「でも、バカ彦たちどこ行っちゃったのかな?」
昴「そうだよね〜。あの扉開けて部屋に入ったらめまいがして…」
昭哉「気がついたら、おれ達だけだったッスからね…」
七瀬「でも、上手いことバラバラにならなくてよかったよね。ボクたちだけでも」
??「運が良かったのではありません。あの二人を分断しただけですよ」
昴「だ…誰?」
勇人「お初にお目にかかります。私は鬼島勇人と申します」
昭哉「来たッスか…」
勇人「先ほどは愚弟たちがお世話になったようで…」
昴「弟?」
勇人「寧と匡樹ですよ。できの悪い弟を持つと、苦労するものです」
七瀬「それはそうと、分断したってどういうこと?」
勇人「あなた方の中で怖いのは、あの剛剣使いと風使いの二人ですからね…」
七瀬「バカ彦と、ナージャさんのこと?」
勇人「えぇ。ですから転送の術で分断しました」
昴「なんだか、私たちだけだったら勝てるって言い方してない?
七瀬「うん。ボクたちには勝てないって言いたげだよね
シュッ!
七瀬「…あれ?」
勇人「実像と虚像の区別も付きませんか。間の抜けたお方だ…」
七瀬「うっわ。本体現さないなんて、卑怯じゃないか〜!」
勇人「勝つためには手段は選ばないものですよ。こういうのはいかがです?」
スゥゥッ…
七瀬「げげっ!増えた…?」
昭哉「でも、幻像だと知っていれば…」
勇人「確かに幻ですが、実体はありますよ。それに、力量は本物と同等です」
七瀬「どれが本物かわかんないなら、こうすればいいもんね。飛沫!
ヒュンヒュンヒュン!
勇人「く…!そう来ましたか」
七瀬「続けて…螺旋!
ドゴッ!
勇人「くっくっく…」
七瀬「あ、あれ?ひょっとして、打ち所が悪かった?」
勇人「いえいえ、ここまで見事に引っかかってくれるとは思いませんでしたから」
昭哉「な…何ッスとぉ!?」
勇人「生憎ですが、私はここですよ…」
七瀬「え…?しまっ…」
ズガッ!

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