カードの逸話

ここではカードの逸話について、そのまんま書いていく。

毒薬
「解説しよう。
ここで言う毒薬は、満月の夜に採取されるゲネティック・マンドラゴラから抽出される。
このゲネティック・マンドラゴラの主成分であるアラクノマイシンは、空気中のゲゲド・メチルチロシンと反応し、
コスモアンフェタミンとなる。この物質は服用者の脳内でハキサソイドに変質し、きわめて重度の睡眠を促す。
と同時にモルヒネ作用を持った小型蛋白質(ペプチド)の合成を促して鎮痛作用と快感をもたらすが、
その反面シナプスの結合を破壊し次第に脳を縮退化させるということが起きるのだ!
脳が縮小するということすなわち、身体への神経伝達手段が凍結し時間と共に自由が奪われ、
しかる後に生命活動が停止するということに他ならない。
さて、ここで合成されたものとは別に……」
「ハカセ、ジカンガナイろび」
「お、もうそんな時間か。では結論から言おう。毒薬を食らうと毒に犯されるゾ。以上!」
〜『チャペック その輝かしき研究』

毒消し薬
「解説しよう。
そもそも毒消し薬はある毒を合成作用によって中和し、打ち消すものである。
したがって従来の毒消し薬ではひとつの種類の毒しか消すことはできない。
しかしノームスカラーのフリードリッヒ・アルフェンダーの手によって
全ての毒素の主的要因を内包するジオ・ジフテリアトキサイトが発見され、その研究は大きな進展を見せた。
このジオ・Jを征すれば、現在発見されている全ての毒に対応する毒消し薬が完成することになるからである。
肝心のジオ・Jだが、翌年エルフドルイドのハワード・アルバンクラインが
蛋白質分解酵素と還元剤で処理することによって成分を二分し、毒素を無力化することに成功した。
そしてスーパーストリングスから発振されるザ・パワーの影響を多分に受けた重力素子の……」
「ハカセ、モウジカンろび!」
「お、もうそんな時間か。では結論から言おう。毒消し薬で毒は消せるゾ。以上!」
〜『チャペック その輝かしき研究』

回復薬
「いたたたた」
「大丈夫ですか?師匠?」
マケイヌの怪我を治しながら、私は聞く。
「とりあえずな。回復薬出してくれ」
「無いです」
「え?何で無いんだ?
「えー、そもそも今回の爆発はですね、回復薬と毒薬、混乱薬を混ぜたらどうなるかという壮大な実験の結果でありまして……」
やばい、マケイヌの眼が本気だ。
〜『イブマヤの実験』

石化薬
せきかやくはね
いしになっちゃうの
いしになるとからだがかたくなるから
すをのもうね
〜『フーアのおともだち』

肉化薬
「しまった!!バジリスクの息を受けちゃった!!」
マケイヌとのデュエル、私の右手は石化していく。
肉化薬……肉化薬……デッキに入ってなーい!!
「備えあれば憂い無しだ!!イブマヤ!!わかったか!!」
……ムカツクー!!。でも右手が石じゃ……右手が、右手が……。
「イブマヤ……負けを認めるか?」
勝ち誇ったように目の前に立つマケイヌ。
そうだ!!
「ハンマーパーンチ!!」
思いっきり石化した拳でマケイヌを殴る。えぐりこむ。
……その後の自分に起こった惨劇は思い出したくも無い。
〜『イブマヤのルポ』

混乱薬
近頃、安酒に混乱薬を混ぜて前後不覚にするインチキ酒屋が問題になっています。
冒険者の皆さん、気を付けてください。
あ、そうそう、ティフェレトさんは只の大トラなだけです。
それはそれで気を付けてください。
〜『ブラックオニキス観光協会パンフ』

鎮静薬
「おまえは、これを飲ませてもうるさいな」
師匠の前でジェスチャーゲームをしていたら怒られた。
〜『イブマヤのルポ』

大回復薬
「今度の爆発は何だ」
体中に包帯を巻いたマケイヌが私を睨む。
「はぁ……大回復薬を作ろうかなぁと」
「お願いだから、ある物を作らないでくれ」
〜『イブマヤの実験』

攻撃力UP薬
「攻撃力を上げる薬は、力を上げるんだから……
世界樹の葉っぱに赤唐辛子と、ゴリアテの皮膚組織、ドラゴンの目玉に……」
「こら、イブマヤ!!おまえまた薬を……ぬわあああ」
閃光が走る。
〜『イブマヤの実験』

防御力UP薬
「防御力を上げる薬は、体を固くするんだから……
ゲンブの甲羅に、ガラムマサラ。エントのカケラにリヴィアタンの憂鬱……」
「こら、イブマヤ!!おまえまた薬を……のわわわわ」
爆炎が広がる。
〜『イブマヤの実験』

敏捷性UP薬
しゅっ!!しゅっ!!軽快に動く二本足の龍。
「なんだこれ?」
マケイヌが、私に聞く。
「いいでしょ師匠、メルクリウスに敏捷性UP薬を飲ませたんですよ」
「……ワビサビがないなぁ。ある意味メルクリウスの動きは芸術だろ」
「本当に師匠はのろいメルクリウスがすきですねぇ」
「王者の魂が……」
〜『イブマヤの実験』

透明化薬
これはいい薬にゃ
これを飲んでいれば、魚屋さんで魚が食べ放題にゃ
おやじに叩かれないですむにゃ
さっそく食べにいくにゃ!
いたいにゃ!尻尾を踏むなにゃ!いたいにゃ、いたいにゃ!
ひどいめにあったにゃ
これならいつものほうがマシだったにゃ
〜『ケット・シーのひとりごと』

加護破壊薬
加護破壊薬ですか?
カゴハカイ…いい響きですわね。
だいたい、人々を加護するなんて傲慢な天使さんたちの偽善活動ですわ。
そのファッキンな天使さん達の行いを無に帰す。あぁ、素晴らしいじゃありませんか!
地とルルイエと悪魔の御名において、うぐいぁ、くとぅるふだぐん……
〜『マリアの悪魔大辞典』

爆薬
ぼがーん!
「化学は爆発じゃーーーーっ!」
静かな夜に突然の大爆発。そしてチャペックの叫び声が響く。
「マタ、イミモナクバクハツサセテルろび」
「ストレス発散にはこれが一番なんじゃよ。わっはっはっ!」
「チャペックさん!いい加減にして下さい、毎晩毎晩……」
村人からの苦情を聞きながらチャペックは思った。化学と芸術は理解されないことが多い。
「ハカセガワルイろび」
〜『チャペック その輝かしき研究』

巨人薬
「ロビーよ!これを飲んで巨大化するのじゃ!
巨大ロボ対リヴィアタン、南海の大決戦!見せ物にして大儲けじゃ!」
「ハカセ、キカイニクスリハキカナイろび」
「なにっ!……巨大ナイスミドル対リヴィアタンでも客受けするかのぅ……」
「ヤメタホウガイイろび」
ロビーの愛の無い突っ込み
〜『チャペック その輝かしき研究』

小人薬
「ロビーよ!これを飲んで小さくなるのじゃ!
身体の中に入って、ミクロの決死圏じゃ!」
「ハカセ、キカイニクスリハキカナイろび」
「なにっ!そういえばそうじゃったの」
「ハカセガハイルろびカ?」
「わしゃ消化されるのはイヤじゃ。さて、次、次」
飽きの早い科学者であった。
〜『チャペック その輝かしき研究』

飛行薬
「ロビーよ!飛行薬を飲んでグランダークロスじゃ!大空を舞うじゃ!」
「……ハカセ、ロボットニクスリハ」
「はいはい、わかっとるよ……。でもロビー、飛行パーツは科学者のロマンなんじゃよ……」
そういうと、チャペックはさびしそうな顔で虚空を見つめるのだった。
「ハカセ……。ハカセ、ヤッテミルろび!」
「そうか!よく言ってくれたロビー!さすがワシの作ったロボットじゃ!」
「ハカセ!」
「ロビー!」
抱き合う二人の友情はともかく、結果は大方の予想通り失敗であった。
〜『チャペック その輝かしき研究』

脱翼薬
「師匠、羽って人間で言うと毛ですかね、それとも爪ですかね?」
「さぁ、考えたこともないな」
「ところで師匠、最近毛が抜けたとか爪がとれたとかしませんか?」
「ぶーっ!」
マケイヌは、飲んでいるお茶を吹き出した。
脱翼薬。飲んでも毛や爪は抜けない……と思う。たぶん。
〜『イブマヤのルポ』

逸話の元ネタへ
戻る