カードの逸話

ここではカードの逸話について、そのまんま書いていく。

愚者
「では、タロットカードについて教えましょう」
マケイヌが、私の目の前にタロットカードを広げる。
「でも先生、私、デッキマスターですよ。
占い師じゃないんだから、こんな魔力の無いタロットカードを勉強しても意味無いんじゃないですか?」
「そうではありません。
タロットは永遠の魔力が込められた理をあらわす運命のカードです。すべてのカードの基本とも言えるでしょう」
「へぇ……そんな物ですか?」
「えぇ、どんな料理人も、修行はタマネギの皮をむく所からと決まっているのと同じです」
〜『イブマヤのルポ』

魔術師
「このカードは『強い意志』を現します」
「じゃぁ師匠、これを持っていけば、アメ横でも平気ですね!!」
「どこだそれ?」
〜『イブマヤのルポ』

女教皇
「このカードは『深い教養』を現します」
「へぇ……師匠!!これ、食べたら頭良くなりますかね!!」
「逆位置では食べるなよ」
しばし後……
「師匠!!煮込んだらどこが正位置で、どこが逆位置やら」
「……どこから、つっこめばいいんだ?」
〜『イブマヤのルポ』

女帝
「このカードは『深い愛』を現します」
「もう、師匠のエッチ」
「深い愛を勘違いしてないか?
「え〜深い愛って、あんな事やこんな事、きゃ〜恥ずかしい!!」
「次のカードは……」
「のって下さいよぉ」
〜『イブマヤのルポ』

皇帝
「このカードは『目的達成』を現します」
「師匠!!これで六面そろいますかね!!」
〜『イブマヤのルポ』

法王
「このカードは『同情・思いやり』です」
「しってます!!『おもいやり』!!」
「ほぅ、めずらしいですね」
「磨くと金が隠れてるんですよね!!」
「細かいなぁ……」
〜『イブマヤのルポ』

恋人
「このカードは、そのままですね『愛し合う二人』です。そこから派生して『結びつく』ことを現したりします」
「師匠に縁が無いものですね!!」
「お前にもな」
双方、おもいっきり落ち込む。
〜『イブマヤのルポ』

戦車
「このカードは『前進』や『勝利』を現します」
「あ、これ好きです。私にピッタリ!!」
「そうか?」
「仏教に後退は無いんですよ!!」
「お前仏教だっけ?」
「知りませんでした?」
……初耳です。
〜『イブマヤのルポ』


「このカードは『力』を現します」
「そのままですね。オチはないんですか」
「豆本じゃないからなぁ……」
〜『イブマヤのルポ』

隠者
「このカードは『一人』とか『隠れる』と言う意味です」
「師匠、破ったほうがいいですよ」
「お前も破るか?」
双方、落ち込み増加。
〜『イブマヤのルポ』

運命の輪
「このカードは『幸運』や『チャンス到来』だ。お前、結構好きだろ?」
「師匠そんなぁ……私だって運まかせの人生ばかりじゃないですよ」
「お前の人生訓は?」
「『棚からぼたもち』です」
「……」
〜『イブマヤのルポ』

正義
「このカードは『バランスのとれた状態』を現している」
「え、正義がなんで『バランスのとれた状態』なんですか!!」
「そりゃぁ……正義の力でバランスを保つんだろう?」
「1対5なんて、バランスとれてると思います?」
「それ、なんの正義だ?」
「よく、遊園地にいる……」
〜『イブマヤのルポ』

吊るされた男
「このカードは……」
「はい!!わかった!!師匠!!『拷問』とか『虐殺』とか『スペイン南米大侵略』とかでしょ!!」
「ちがーう!!これは、『困難』や『悪い結果』とかだ!!」
「たいしてかわんないじゃん」
「ちがーう!!」
マケイヌの悲しい叫び。
〜『イブマヤのルポ』

死神
「このカードは『不幸』とか『最悪の結果』を現す。まぁみたままだな」
「でも……死神がこんな格好してますか?」
「イブマヤ、お前死神みたことあるのか?」
「え?……師匠は見たこと無いんですか?あの丸いつば広帽子かぶった蝶ネクタイの……」
「無いなぁ……」
〜『イブマヤのルポ』

節制
「このカードは『辛抱』とか『自重』だ。まぁ、お前には縁の無いカードだな」
「なに言ってるんですか、アリアリですよ」
「どこが?」
「おやつは三時まで食べません」
「……」
〜『イブマヤのルポ』

悪魔
「このカードは『病気』とか『反社会的』を現しています」
「ほほぅ……業界の人間はすべて背負ってるみたいですね」
「どこの業界だ?」
〜『イブマヤの……そりゃぁ……ここ』


「このカードは、『不意打ち』とか『事故』を現しています」
「なるほど……
いきなり五十九階の生物を虐殺した挙げ句に、横から剣をさしだし、通りすがりを殺そうとしたら、
後ろからスペルをくらった所から来てるんですね」
「……ちかいな」
〜『イブマヤのルポ』


「このカードは『順調』とか『美しさ』とかを現しています」
「まぁ……私にぴったりなカードですね」
「他にも、『夜間勤務』とか『南国』とかも現しているが?」
「そんなカード捨てて下さい」
〜『イブマヤのルポ』


「このカードは『ロマン』や『母性愛』を現しています」
「ふーん」
「なんだ、関心なさそうだな」
「だって、ロマンじゃ食えませんから」
「……」
〜『イブマヤのルポ』

太陽
「このカードは『幸せ』とか『スタート』を現しています」
「なるほど……日の出を現すわけですね」
「ほぅ、そうだ。わかってきたじゃないか」
「なにせ、お正月の初日の出の後のお年玉は、やっぱり幸せですからねぇ」
〜『イブマヤのルポ』

審判
「このカードは『復活』とか『決心』を現しています」
「ほぅ、ゾンビとかのカードですね」
「いや……え……そうか?」
「だって、復活でしょ?」
「そうだなぁ……」
〜『イブマヤのルポ』

世界
「最後のカードだ、本来、このカードは『魔術師』のカードから修行を始めた者が、修行を終わった事を現すカードだ。
それを踏まえて『成功』『達成』『完成』を現しています。
イブマヤ、貴方がこのカードを手にする事ができるのは、いつの日でしょうね……」
「簡単ですよ」
「え?」
「師匠がすべてを私に残すと遺書を書いて死んでくれ……」
イブマヤはマケイヌの視線を感じてダッシュでにげる。
〜『イブマヤのルポ』

逸話の元ネタへ
戻る