第45回宝塚合唱連盟合唱交歓会
        平成23(2011)年7月17日 ベガホール

 この宝塚合唱連盟合唱交歓会に行くのは何年ぶりだろうと思いながら、会場のベガホールにつきました。観客は、ほとんどが出演者とその家族と考えられます。しかし、合唱の盛んな街宝塚だからこそできる行事です。
 2番目に登場したボーイズ・エコー・宝塚は、「空を見上げて」「にじを歌って」「大空讃歌」の3曲を歌いました。人数は15名と卒団生4名の抜けた穴は大きく感じましたが、それでも、「空を見上げて」では合唱の合間に2重唱(soli)を入れてアクセントをつけるなど、工夫のあとが感じられるステージとなりました。1曲1曲はまだ磨けばさらによくなるという出来栄えでしたが、今年度のメンバーに期待してよいと感じられるステージでした。ボーイズ・エコー・宝塚が退場したあと、続いて宝塚少年少女合唱団が登場して歌いました。しかし、これはまるで技だけで歌っているという感じが否めませんでした。技だけでは人の心を動かすことはできないので、感動は全くありませんでした。10数年前、ボーイズ・エコー・宝塚の団員数が、10人台前半になったとき、宝塚少年少女合唱団と合併(事実上併合)したらどうかという話もありましたが、とんでもない暴挙と言わざるを得ません。理念の違うものを一つにすることはできません。これからも、ボーイズ・エコー・宝塚は、ボーイ・ソプラノの声で歌の感動を伝える合唱団であって欲しいと願っています。

ボーイズ・エコー・宝塚 第27回定期演奏会
平成24(2012)年3月25日() 宝塚市立西公民館


 プログラムを見ると今年度の団員は15人と、人数的には減少気味できびしい状況が続きますが、実際に舞台に登場したのはさらに一人少ない14人で、あまり広いとは言えない西公民館の舞台に並ぶと横一列。しかし、4・5年生という高学年の比率が高かったことが、演奏の質を安定化させてくれました。

   空にもいろんな歌がある

 この日は、団長の藤村君の指揮する団歌でコンサートはスタートしましたが、「空を見上げて」と題された第1ステージは、小学唱歌から最近の歌まで2〜3分の小曲が8曲並びます。団員と等身大の歌で、背伸びすることなく、歌そのものはどの曲もさわやかに歌われていました。「見上げてごらん夜の星を」あたりを最後にするともっと盛り上がるんだろうなとか、最近の名合唱曲「地球星歌」などを最後にもって来るといいななどと考えながら聴いていました。やはり、一つのステージには核となる曲がほしいと感じました。

   テーマは「地球環境」かな

 第2ステージは、「地球にやさしく」と題された地球環境の保全を歌った曲が中心でした。この中では、金子みすずの「こだまでしょうか」が新鮮でした。むしろ、この曲が含まれる金子みすずの「星とたんぽぽ」でワンステージを構築してもよいのではないかと感じました。また、「青い地球はだれのもの」は、青い地球はだれのものという詩とラララのオブリガードが繰り返されるだけで、山場をつくるのが難しいと感じました。久しぶりに聴く歌ですが、合唱好きな人ならこの曲のハーモニー―を楽しんでいたと思います。

   東日本へのエール

 「東日本へエールを」と題された最後のステージは、東北各県のわらべうたが中心のステージでした。ところが短くて素朴さが持ち味のわらべ歌を最後にもって来ると、曲数は多くても、一つのステージとしての盛り上がりには欠けるところがあります。「しあわせ運べるように」は、最近では、「神戸」の部分を「ふるさと」に変えて日本中どこでも通用する「ふるさと版」も出ているようですが、兵庫県のボーイズ・エコー・宝塚としては、あくまでも「神戸」を歌ってよかったと思います。しかし、この曲を「みんなで歌おう」にしてしまえば、この歌をボーイズ・エコー・宝塚の歌声で聴いて感動を味わいたと考えている私のような者にとっては、ちょっと残念という気がします。ニューイヤーコンサートで「ラデツキ―行進曲」を盛り上げるためにみんなで手を叩くのとは違います。東日本大震災からの復興を願って仙台市立八軒中学校合唱団が謳った「明日という日が」と阪神淡路大震災から生まれた「しあわせ運べるように」を最後にもってきて大きな盛り上がりを創ればいいのになあと思いながら聴いていました。

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