狂言「 靭猿 」を題材にした演目です。大名が武具の飾りにと猿曳きの猿の皮を所望しますが、懸命に芸をしてみせる猿のけなげさに心を打たれ、命を助けてやるという筋書きで、歌舞伎舞踊にもなっています。
地唄舞では、助けられた礼にと、猿引きが猿に舞わせる一場面が取られています。
「 ひんだの踊り 」とは、室町幕府末から流行した小唄踊りで、狂言の小揺にも『 ひんだの踊りをひと踊り・・・ 』とあり、「 ひんだ 」は、飛騨か、出雲の比田とも云われています。
短い中にも、猿曳きの猿への情愛、喜びの気持ち、目出度さが詠われ、いかにも地唄舞らしい品の良い作品となっています。
来年の干支「 申 」にちなみ、選ばせて頂きました。
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