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「島ノ内ねり物 一夜官女 北森新いく」「吾斗好」
天保七(一八三六)年六月
「島ノ内ねり物 一夜官女 北森新いく」
「吾斗好」
大判錦絵一枚雪花楼北英画
財団法人阪急学園 池田文庫所蔵

講演要旨(上)
早稲田大学教授 古井戸秀夫(現・東京大学文学部教授)
平成十四年五月十九日 合羽摺の世界展
於(財)阪急学園 池田文庫
「山村友五郎と池田文庫」

古井戸秀夫 山村流の研究をするきっかけは、宝塚歌劇団理事長(現・特別顧問)で山村流家元山村若氏の御尊父、植田紳爾氏から「子供達のために山村友五郎を調べて欲しい」と言われたことであった。
山村流の流祖である友五郎は文化文政期の上方で活躍したが、歌舞伎の振付という分野を成長させ、今日に繋がる功績を残した人物である。また、花街との接点もあり、座敷での踊りだけではなく、練り物や舞さらいの会なども手がけた。友五郎は晩年「吾斗」と称した。派手な「吾斗好み」といわれる趣向は、夏に遊里で行われる遊女たちの仮装行列「練り物」の衣裳にも現れている。池田文庫に残る上方の練り物図を見ていると、ファッションリーダー的役割をも担っていた友五郎の姿を見ることができる。

(館報 池田文庫第21号より転載)

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