硬式テニスの秘密 本文へジャンプ

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@ フェイス面積:ラケットの縦糸・横糸で囲まれたラケット面の大きさ。
A フレームウエイト:ストリングを張る前のラケットの重さ。ストリングを張ると約15〜20g程、重くなります。
B 長さ:ラケットのフレームの長さ。現状では27インチ〜27.5インチが主流です。
C 適正テンション:ストリングを張る時に、ストリングを引っ張る力のことで、メーカーの推奨値。
D 素材:フレームの素材。
E バランス:ラケットの重心の位置。重心がグリップ寄りの物をトップライト、ラケットの先端寄りの物をトップヘビーという。重さが同じでもトップヘビーのほうが振った時に重く感じる。一般的にフレームウエイトが軽いラケット程トップヘビーに、重いラケット程トップライトになる傾向があります。
F フレーム厚:フレームの厚さを表しフェイス面積が狭くなると薄く、広くなると厚くなる傾向があります。
G グリップサイズ:グリップの太さを表し、数字が大きくなると太くなります。一般的に男性で2〜3、女性で1〜2が目安。
H ストリングパターン:ラケットに張ってあるストリングの本数を表します。縦本数×横本数で表示

特徴 一般的な目安 特徴
・フェイスにボールが当たりやすく安心感がある
・スピンがかけやすい 
・ボレーがしやすい
・あまり振らなくても強いボールが返る

・球のコントロールがしにくい
@フェイス面積
(平方インチ)
・コントロール性が高い
・振りぬきやすくナイスショットしたボールの威力が強い
・スイートスポットが小さいので球をよく見る習慣が身につく
広い 普通 狭い
130 100 90
・疲れにい。
・操作性が高くボレーしやすい
・高い位置の玉に反応しやすい
Aフレーム
ウエイト
(g)
・力がある人なら威力のあるボールが打てる
・早いボールにも打ち負けにくい
・しゃかりきに振らなくても強い玉が返る

重すぎる場合に、高い位置の球に反応しにくくなる。(特にサービスとスマッシュの球威が出にくくなる)
軽い 普通 重い
男性250 男性
300
男性330
女性230 女性
280
女性300
・ヘッドスピードが速くなりパワフルなボールが打てる。
・スピンのかかりがよい 
・サーブの威力が増す
・体の遠くのボールの処理がしやすい
B長さ
(インチ)
・今迄27インチを使用していた人は違和感がない
・体の近くのボールの処理がしやすい
長い 短い
27.75 27.5 27
・しっかり振り切らなくてもボールが飛ぶ
・早いスイングスピードでは玉離れが遅く感じる

・ゆっくりしたスイングで、球をコントロールしやすい
Cテンション
(lbs:ポンド)
・フェイスの面圧が上がり早いスイングでボールを弾くことが出来るのでストロークでのボールの威力が増す
・中途半端なスイングではボールが飛びにくい

早いスイングで、球をコントロールしやすい
低い 普通 高い
男性45
女性45
男性
50
女性
48
男性55
女性50
・素材を限定するため、価格が安い
・アルミのラケットは玉の弾き感が落ちる
D素材 多様な素材によって、衝撃吸収性、面安定性、
反発性、コントロール性等の機能を付加できる
アルミ チタン
カーボン
ケブラー
同じ重さのトップライトのラケットと比較すると
サービスやストロークを重視するプレーヤー向き
(筋力があればストロークの威力が増す)
Eバランス
ポイント
同じ重さのトップヘビーのラケットと比較すると
ネットプレーを重視するプレーヤー向き
(ボールの威力は落ちるが操作性が良い)
トップ
ヘビー
イーブン
バランス
トップ
ライト
330mm
以上
310〜329mm 310mm
以下
・ラケットを振りぬかなくてもボールが飛ぶので、初心者やパワーのない人でも返球しやすい
・ボールとの接触時間が短いためコントロール性に少々難があります
Fフレーム厚
(mm)
・フレームにしなりのある物が多いので、強打した時のボールとの接触時間が長くコントロールしやすい
・非力な人や初・中級者にはボールが飛びにくく使いづらい面がある
厚い 薄い
30 25 19
・サーブ、スマッシュ、ハイボレーなど上のボールには、グリップが細めの方が対応しやすい
・疲労しにくく長時間プレーが続いても握りが甘くなりにくい
Gグリップサイズ ・スイートスポットを外した時にグリップが回りにくい
・グランドストロークが打ちやすい
細い 太い
男性1
女性1
男性3
女性2
・スイートスポットが広く感じ、
スイングが遅くてもボールをはじき返す反発力を得やすい。
Hストリング
パターン
・面が硬くなりスイングスピードが早くてもシャープな弾き感がある。一般的にスイートスポットが狭いがナイスショットしたときのボールの威力やコントロール性は高い。
粗い
縦16本
横18本
細い
縦18本
横20本

ラケットの評価項目

各項目の説明をします。ただし、ラケットの評価は総合的に見るものなので、ラケットを考えるときには全ての項目をみて判断することが重要です。
多分総合的にみてわかる人は少ないと思いますので、試打するのが手っ取り早いです。

@フェイス面積
一般的にはフェイス面積が狭いほど、ラケットのフレーム重量が重くなり、フレーム厚が薄くなる傾向にあります。
ラケットのフェイス面積は以下の規格で区分されます。

@MID(ミッド) 85〜95平方インチ
・最近では85インチという規格は製造されていません。一番小さいもので90インチです。
90インチはメリットもありますがデメリットがありすぎて一般の人にはおすすめできません。
トッププロでも90インチを使用しているのはフェデラーだけです。90インチを使いこなせれば、すごい武器になりますが普通は無理だと思います。
男性で週5日以上プレイする人でも小さくて95インチが使える限界の気がします。
ミッドは私のイメージではシングルス専用ラケットと思っています。
女性なら98インチが限界でしょう。

AMID PLUS(ミッドプラス) 95〜103平方インチ
・一般社会人で一番人気の有るのがこのサイズです。
ダブルスもシングルスも両方やりたいが2品番もラケットを持てない時には、100インチというのがよい選択と思いますが、ある意味どっちもベストではないという感じがします。
100インチは人気があるので、各メーカーが多数の品番を作っているので、選択の幅が広いのがよい点です。
男性のシングルスなら95〜100インチ
女性のシングルスなら98〜103インチ かな。

BOVER SIZE(オーバーサイズ) 103〜120平方インチ
・一般社会人はダブルスを行う機会が多いのでこの位のラケットの方が勝率が上がる気がします。
男性のダブルスなら103〜108インチ
女性のダブルスなら105〜110インチ かな。
シニアなら上記インチに5インチを足してもいいかも。

CSUPER SIZE(スーパーサイズ) 120〜平方インチ
・シニア専用ラケットです。

Aフレームウエイト
一般的にはフレームウエイトが重いほどフェイス面積が狭くなり、フレーム厚も薄くなる傾向にあります。
一般男性の標準が300g〜315g
一般女性の標準が275g〜300g
が標準と思います。非力な人は上記の標準から−25gまでが軽量ラケットの限界と思います。それ以上軽量では重い硬式ボールには対応が出来ないと思っています。

・フレームウエイトはメーカーがラケットに表示しています。
しかしフレームウエイトは実際にラケットを振る場合にプレーヤーが感じる重さとは異なっています。
ラケットの重量がフレームのどこに集中しているのかによって同じ重さのラケットでも振った時に感じる重さが大きく変わるからです。
また、ストリングを張ると15g〜20g位重くなるということも大きく影響します。(ちなみにストリングはナイロンやポリよりナチュラルの方が重いです)
その振った重さを表したので「スィングウエイト」です。ラケットにストリングを張ってからスィングウエイトを計る機械にかけると計測できます。

しかし、ほとんどの人は自分に合ったスイングウエイトを知らないので、数字だけ聞いても判断できません。従って、ラケットを選ぶ場合には試打ラケットを借りて実際に使って自分に合うかどうか確認する必要があります。

また、ラケットの重さはメーカーが決めます。ラケットに設定された重さが自分の使いやすい重さであるラケットを探すのは非常に大変です。
人はそれぞれ好みの重さがありますが、メーカーがその好みに合わせて細かく重量設定してラケットを作ってないからです。

私はラケットの重さは自分で作るものだと思っています。自分の好みの重さの若干軽めのラケットを選び、バランスウエイトを貼って重量を自分の好みに合うように調整するのです。

B長さ
・私はラケットの長さに関しては鈍感なので、あまり長さの違いについてはわかりません。
通常は27インチで良いと思います。

Cテンション
・私が推奨するのは男性が標準で50ポンドで、状況に応じて下限が45ポンド、上限が55ポンドです。女性は標準が48ポンドで、下限が45ポンド、上限が50ポンドです。
スーパーオーバーサイズのラケットは上限に3ポンド程プラスしてもいいかもしれません。

・テンションを選ぶ場合の注意
一般的に自分でテンションが分からない場合にはラケットメーカーが推奨テンションを設定しているのでそれを目安に決める場合が多いのですが、その推奨テンションを目安にする場合でも推奨テンションの下限を目安にしたほうが無難な気がします。
しかし、品番によっては推奨テンションが異常に高いと感じられるラケットもあります。例えば、Babolat PURE DRIVE LITEの推奨テンションが55〜62ポンドなのです。フェイス面積100インチ、フレーム重量が275gしかないのに下限の55ポンドでも高すぎると思います。このラケットにポリストリングで55ポンドで張って使ったら、テニス肘になると思います。

・テンションを変える必要がある場合
夏と冬では打球感や球の飛びが大きく変わるので、冬は夏より3〜5ポンドテンションを落としてもいいかも。ちなみに私はストリングを変えたり、場合によっては冬用にラケットを変えたりします。
同じラケットとストリングとテンションでオールシーズン使っていたら、冬か夏のどちらかは不調になると思います。
同じラケットでもバランスウエイトを貼って重量を増加させた場合には、同じストリングで同じテンションで張った場合に打球感は柔らかくなります。同じ打球感にしたいならテンションは上げなくてはならない場合もあります。

・ナイロンストリングをポリストリングに変更する場合にテンションは低くした方がいいでしょうかと聞かれる場合があります。実はこの質問はナンセンスです。
ナイロンとポリには性能に大きな差がありますので、使用方法が変わります。従って質問するのは、ポリストリングを使うようにした場合にはプレイスタイルにはどのような影響が出るのでしょうか?また、そのプレイスタイルを良好に維持するために最適なテンションはいくつ位なのでしょうか?というのが正しい質問の仕方だと思います。
ほとんどの人は、ポリが切れにくいという長所だけを期待するので、切れにくいというメリットだけを享受して、あとの影響を避けたいと思っているようです。残念ながらそうは問屋が卸しません。
ポリに変えるとプレイの質全体に影響が及びます。

D素材
・主な素材は2種類あります。
@アルミ:製造にコストがかからないので、低価格ラケットに使用されています。アルミには柔らかさはあるのですが、反発が低く本格的に使用するには向いていません。球を打ったときの衝撃でフレームはしなるのですが、戻りが遅いので球の出て行くスピードが出にくいです。
また、フレームに大きな衝撃が加わると変形しやすいです。
アルミラケットを長い期間使用して、フェイス面をよく見ると歪んでいる事がよくあります。
Aカーボンラケット:現在のラケットの主流の素材です。
アルミより反発があり、製造方法によって多様な性能を出せます。現在販売されているラケットはカーボン以外の素材を組み込むことによっていろいろな性能を付加してありますが、主素材はカーボンです。

Eバランスポイント
ラケットを横に寝かせて静止した状態でバランスが取れるポイントをバランスポンイトと言って、グリップエンドからの長さで表します。
@トップヘビー:グリップエンドからバランスポイントが 325mm以上ある場合
Aイーブンバランス :グリップエンドからバランスポイントが310mm〜325mmの間にある場合
Bトップライト :グリップエンドからバランスポイントが310mm未満である場合
一般的に、ラケットのフレーム重量が軽くなると、打ち負けないようにバランスポイントイがトップヘビーになり、重くなるとトップライトになるのが一般的です。
しかし、ラケットの重量とバランスポイントを見ただけでは振るのにどれくらい力が必要かという具体的数値にはなりません。振るときに必要な力を計測するにはラケットにストリングを張ったうえ、スイングウエイトを計る機械で測らないとわかりません。
スイングウエイトを計っても実際には、自分にその値が合うかどうかは振ってみないとわかりません。試打ラケットを借りて実際に使用してみましょう。

Fフレーム厚
一般的に薄いラケットはフェイス面積が狭く、フレーム厚も薄い傾向があります。
薄いほうがラケットがしなるので、強い球の打ち合いで、球のコントロールがしやすいですが、スイングできないと球が飛びませんので、走れる足と、筋力と技術がないと使いこなせません。
厚いラケットはフレームが硬くなり、その硬さを利用して球を反発させるため、スイングスピードが遅くても球の飛びを出しやすいですが、コントロールはしにくくなります。

@薄いラケット:20mm以下:これだけ薄くなるとフレームウエイトが310g以上で、フェイス面積が95インチ未満の物が多くなり、男性のシングルス専用モデルになる気がします。ちなみに薄いとラケットが球の打球時にしなりやすくなります。このしなり具合をフレームフレックスといいます。

A中厚のラケット:20〜25mm:現在販売されているラケットの主流の厚さです。
薄いほどテニスの技術や体力を必要としますが、コントロールの利いた強い球を打ちやすいです。
厚いほど楽に球を飛ばすことができますが、コントロール性は落ちます。
厚いことによる長所と、薄いことによる長所を両方兼ね備えたいということで、フレームの厚さが場所によって違うモデルもたくさんあります。

B厚いラケット:25mmを超えるもの:フレーム全体が厚めのモデルは女性のダブルス用かシニアモデルになります。ただし、フレームの一部分だけが25mmを超えていても手元に近い部分が20mm位のモデルはある程度打ち込むことも考えたラケットですので女性である程度以上のレベルの人か、男性で非力な人には合うかもしれません。

Gグリップサイズ
・手の大きさで選びます。握力が低いと細めの方が良いこともあります。これも相性があるので実際には友達のラケットを借りたりしていろいろ試してみないとわかりません。

Hストリングパターン
細かいほど、ラケットのフェイス面が硬くなり、強打した時のコントロールがしやすくなります。
荒いほど、ラケットのフェイス面が柔らかくなり、球が飛びやすくなり、スピン性能も上がりやすくなります。

@縦糸18本×横糸20本:現在販売されているラケットでは一番細かいストリングパターンです。
フェイス面積やフレームフレックスにもよりますが、フェイス面積が小さく、薄いラケットだと、よく鉄板ラケットと言われますが、フェイス面が硬く、高速スイングでフラットで打ち抜く専用モデルのような感じでしょうか。スピン、スライス、ロブなんていう小技は使わず、とにかくフラットで打ち抜いた球威で勝負する人向きは気がします。男子シングルス専用と思われるラケットのストリングパターンです。

A縦糸18本×横糸19本:横糸が一本少ないのでその分面の硬さが緩和されますが、縦糸の本数は18本あるのでまだまだ硬めです。このストリングパターンでフェイス面積がオーバーサイズだと、オールラウンド性が出てくるのでダブルスでも使えそうです。縦糸18本は一般的には男性専用でしょう。

B縦糸16本×横糸20本:縦糸が16本でも横糸が20本あるので、フェイス面積が100インチ前後で、縦糸が16本のラケットの中では面が硬めですので、どちらかと言うとフラットで打って良さが出るモデルのような気がします。(フレーム厚にもよりますが)
ただし、フェイス面積が110インチを超えるラケットはまた性能が違ってきます。

C縦糸16本×横糸19本:現在最も一般的で広く使われているストリングパターンです。現在男性に一番人気がある300gで100インチのモデルのほとんどが、このストリングパターンです。
フレーム重量300gで、フェイス面積100インチで、ストリングパターン16×19ならだいたい標準的な性能を狙ったモデルではないかと思われます。

D縦糸16本×横糸18本:横糸を1本減らすことにより、フェイス面の反発で球を飛びやすくしたモデルであると考えられます。フェイス面積にもよりますが、女性が使用することを想定したモデルがこのストリングパターンである気がします。同じフェイス面積で、同じ重量なのに横糸が1本少ないモデルは多分フレーム厚も少し厚めにして球の飛びが出やすいモデルである気がします。