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| 九州の大都会、福岡。下関から九州入りする時、ふと「九州に来たからには、絶対博多ラーメンを食べるばい！」と思いついた。ラーメンが好きな訳でもないのだが、自分のお財布で楽しめる九州のグルメではラーメンしか思いつかなかった。ところが京都から徹夜で下道を走り続けて記憶が退化したのか、今まで関わりも興味の無かった九州の地理がもともと私の脳みそに刻まれてなかったのか、日本人として信じられないほど恥ずかしい質問がでてきた。 「博多って何県？」 たぶん福岡だろうと見当はついたが、確信はない。火の国熊本といわれれば熊本のような気がするし、異国文化の玄関、長崎のような気もする。宮崎や佐賀ではないと思うけど、九州弁のイメージの濃い鹿児島かもしれない。 私は海中の関門トンネルを渡りながら、地図帳をめくり始めた。信号で止まるたび、めくる。市町村名の索引もみる。どこにも載ってない。（←見つけられない） その時は福岡の中心部は通らずに宮崎の海岸方面にルートをとっていたから、走っているうちに、どんどん信号の少ない道になっていった。しまいに私は走りながら馬鹿でかい地図帳を抱えるようにしてめくっていた。危ない。でもこうなったら意地だ。（車を停めて見ればいいのに） そのうち愚かな考えが浮かんできた。 「もしかして博多って通称名かなんかで、正式にはそんな地名は無いんじゃ・・・」 信州だって、県の名前でも市の名前でもない。だったら地図帳で探しても無駄だ。私は諦めた。こうして私は無事、事故もなく、一命をとりとめている。 後日、知らない間に、博多は福岡の中心部だったという知識が戻っていた。初めから知っていたのか、いつのまにか学んだのか、自分でもわからないし、なんでこんな常識がわからなかったのかも謎である。睡眠不足とはおそろしいものだと、とりあえずは寝てないせいにすることにした。 (上写真：飯塚市） |
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Copyright (C) 2004 Yuka Hoshino