おうち日記 (7/4)




サウスポー

ごく最近、野球中継を見ていて、今更ながら気付いた事がある。右ピッチャーに強いといわれる「左バッターの存在」  当たり前だが右利きが多いから左ピッチャー=サウスポーは有利といわれている。同じ様に左バッターも有利だということで、右利きでもわざわざ左打ちに変える選手もいるという。
さて贔屓の阪神の選手は左バッターが多い。ピッチャーを除く8人のレギュラーのうち約半分の4人が左だ。そんなわけで今まで、あまり深く考えなかったのだが、プロまで這い上がる選手たちはともかく、普通の草野球、少年野球などでは左打ち、左投げというのは圧倒的に少ないんじゃないかな?もちろんその分有利なんだろう

さて本題の私自身の話に飛ぶ。私は野球はやったことがないのだが、たぶん左打ちが得意である。ボールは右で投げる。(ボールは投げたことがないが、物を投げたことはある。これは普段使っている右手で投げる。) 私は日常生活では100%右手利きだけど、元々は左利きなのか、手以外は左利きなのである。手にしたってお箸だか鉛筆だかを初めて持たされた頃、「左の方が使いやすい」という私に母が「子供はみんな左の方が使いやすい時期があるけど、そのうち右の方が使いやすくなるから、右を使おうね」と躾、混乱した挙句、お習字で筆の持ち方を習う時期とお箸を持つ時期が重なったらしく、お箸で筆の持ち方を練習してるうちに、正しいお箸の持ち方が出来なくなってしまった。うちの母は私のお箸の持ち方を見て「いつのまに」と嘆くが、記憶力の乏しい私にしては珍しく、このあたりの記憶だけはしっかり覚えている。

さらに話は遠い昔、小学生の頃、オリンピックを目指すべく、かなり本格的に体操競技をやっていた時、私が幸か不幸か稀少な「足ギッチョ」だった頃に遡る。スポーツでは左右得意な方を優先させるので、何も考えずやりやすい方でやっていたら、逆立ち、側転から始まって、蹴る飛ぶひねるターンする、果ては柔軟で得意な側まで、何から何まで周りと逆だった。これにはかなり苦労した。先生をはじめ、同輩先輩、とにかく目に映る人達のほとんどが、自分とは逆なので、新しい技を習う時は必ず頭がぐちゃぐちゃになった。「もっと左足を〜して」というのは私にとって「右足」だし「もっと右手を強く〜して」というのは「左手」だし、先生のお手本をみたって、常に逆。典型的なのは側転の練習。みんなが鏡を見て練習できる方向に二列に敷かれたマットで、私だけが鏡を見れず、鏡を見ながら側転してる友達と向かい合って練習してた。柔軟運動もそう。得意な方と苦手な方、もちろん両方するのだが、みんなが痛くてぎゃーぎゃー言ってる時、私は楽で、みんなが得意な方になると、私一人が孤独にぎゃーぎゃー苦しむ。これは子供心に複雑だった。

そんなこんなで、すっかりマイペースの「周りをかえりみない」(見たら余計ややこしくなるから)、「みんながこっち向いてる時はあっち向いてる」ような性格が出来上がってしまった。
それから何?十年。野球観戦にはまり、左利きが有利な世界をみると、「進む道、まちがったかな〜」と思うこの頃である。

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