「タンポポより追伸」の部屋

Part-12 ( Ed. Apr-26,1997 )



ようこそ「タンポポより追伸」の部屋へ。豊能町の自然 Part-10 でのタンポポの報告の後で、
在来種に関してうれしい発見がありましたのでこの部屋を追加しました。




先ずは帰化種と在来種の総苞(ソウホウ)の違いをご覧ください


右の写真 セイヨウタンポポの総苞(ガクのように見える部分)は反り返っているのが特徴です。ほんとうのガクは、この内側にある同じ緑のもので、総苞より長くなっています。

左の写真 在来種の総苞は、ぴったりとガクにくっついています。ちょっとわかりにくいかも。




満開時の花の比較


在来種(左の写真)の方がいくらかおとなしく見えるます。この在来種の場合は中心が少しへこんでいました。一方セイヨウタンポポ(右の写真)の方は、中心が少し盛り上がっています。花(花びらのように見える)の数も相当ちがうようです。

私が町内で観察した在来種は、夕方5時にはほとんどが花を閉じています。一方、セイヨウタンポポはまだしっかりと満開です。在来種は、セイヨウタンポポに比べると、太陽光がある程度以上の強さでないと満開にならず、真昼以外やうす曇りの時などは開き具合が十分ではないようです。


在来種と帰化種との攻防は ?

野草の図鑑には、「タンポポ戦争」の解説があり、セイヨウタンポポには在来種と異なる幾つかの点があるようです。例えば

  1. 主に春咲くがその後もポツポツと年中咲く
  2. 受粉しなくても単為生殖によって結実(クローン種子)
  3. 都市化の悪環境にも適応できる
のように強い繁殖力のため、在来種の敗北は明らかであるかのような議論が盛んです。




在来種の群生 !


でも、実際の調査では・・・ たくさん見つかったんです、在来種が。しかも車道沿いの歩道に面している所(上の写真)や、車道に近い公園などに群生しています。その数約150-300株という勢い。嬉しくなってしまいました。タンポポは根が2mもあるそうです。いったん根を下ろしたらずっとそこで頑張って、まわりに仲間を増やしているのでしょう。豊能町内でのレポートです。


場所によっては在来種の群生のすぐそばに帰化種が群生していたりしています。 「戦争」ではなく、それぞれの種がそれぞれのペースで「共存」しているのではないでしょうか。偏見のない見方で「タンポポ」を楽しみましょう。




シロバナタンポポ


最後に、在来種で珍しい「シロバナタンポポ」です。 これは、 Gocho Museum の後町健次さんの撮影によるものです。皆様にもご覧いただきたく問い合わせましたところ、特別のご厚意により掲載が実現しました。(この写真の著作権は後町健次さんに帰属します。)
Gocho Museum は、アーティスティックな写真の大ミュージアム。本館、別館の猫の部屋、花火の部屋などの他に、新館 Flower Garden がスタートしています。



いろいろなタンポポが観察できるシーズンはまだまだ続きます。どこでどんなタンポポが見つかるでしょうか。皆様が出会われたタンポポについてのお便り、お待ちしています。



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