ティールーム(97.10)


                                              本日のお菓子は、 麦代餅(むぎてもち)
                                                本日のお茶は、  慶知の昔(小山園)
                                                    でございます
                                               

 各部屋では 十分におはなしできなかった犬の                                 
こと、植物や野鳥などの自然、その他のトピッ
クスのお部屋です。
また豊能町についてのご案内を通して、皆様に
「豊能町への小旅行」や「短期/長期滞在」の
気分を味わっていただけたらと思っています。
                                                      

No.107(1997.10.31)親指は特別待遇 日本にはじめてやってきて滞在3ヶ月になるオーストラリア女性がはじめて着物       を着せてもらう体験をした。       一番意外だったこと?       それは「足袋」なのだそうです。       親指とその他の4本指とがべつべつになっているソックスは履いたことがなかっ       たのです。親指だけを離すのは未経験。とてもへんな感触だったそうです。              ところで、手はどうでしょう。       私達日本人は両手の指は10本、かれら(英語圏の人)は8本です。       ええっ!!!       そう、あとの二本は親指(サム、thumb)と呼んで、残りの8本指(フィンガー、       fingers)とは区別しますから。       親指の特別待遇、手か足か・・・これは、引き分けですね。
No.106(1997.10.30) ヴァ−ジニア法など 『キルトで綴る愛(How To Make An American Quilt)』に、奴隷に関する法律が       紹介されており、1753年、1910年、1924年、1932年のヴァ−ジニア法や南北戦争       前の南部法が紹介されている。       自分が仕える主人の子供を身ごもった女使用人は出産後一年間他所へ労働にや       られる。       白人女性が黒人または白黒混血の人とのあいだに子供をもうけた場合       教区委員に当時の通貨で15ポンド(かなりの金額!)払うか5年間他所で労働。       そして、子供は31歳まで使用人として働く。白人と黒人の結婚には10ポンド課せ       られ保釈なしで6ヶ月の禁固刑。            16分の1かそれ以上の黒人の血を引くものは「有色人」とみなす。       白人は白人と結婚しなくてはならず、結婚目的で人種を偽証することは違法であ       り罰せられる。・・・つまり16分の1黒人であるがルックスは全くの白人である       人が偽証するようなことがあったのでしょう。             白人と有色人との結婚は違法であり、1-5年の禁固刑となる。 奴隷は特別な状況でなければ解放はされない。読み書き、信仰、武器は許され       ず、薬も買うことはできない。結婚してはいけない、それゆえ、合法的に子供を       持つことはできない。自由の身でなければ自分の子供や配偶者を持つことはでき       ない。自分が売買されることに口出しはできない。遺産として譲り渡されること       に反対できない。集会を持つことはできない。白人と人間関係をつくることはで       きない。法廷で証言することはできない、自分のための証人は認められない。       そして、       鞭打たれ、じゅずつなぎにされ、所有され、レイプされ、体の一部を損なわれ、       殺されることはあっても、他所での労働で得たかせぎは自分のものとはならず、       学校には行けず、バスにも乗れず、レストランにも行けず、「白人専用」と書か       れたものはどんな物でも飲むことはできない。       あーーあ、こんなにまで・・・・・。       まったくの「所有物」扱いされていたことがよくわかります。後世への影響は大       きく、長く続いた奴隷制度が現代黒人の精神面を弱くし、意欲を削いでいるそう       です。       26日の「100万人行進」(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)は黒人女性が       連帯を訴え、そういった黒人社会を変革していこうとするものでした。
No.105(1997.10.15) バンダリズム 先月末、アート・ジャパン(ART JAPAN NETWORK)が招いた外国の人たちに京都を       案内するお手伝いをする機会があった。       マイクロバスで移動中、渋滞でのろのろしか進まなくなった時、ふと見ると、       左側歩道の向こうは多分神社で、なにかの行事期間であるのだろう、生け垣の       外側にガラスの額に入れられて絵が飾られてある。       絵は、全部で15くらいあったように見えたが、平安貴族を描いたものであっ       た。       みんなの目が自然にその絵にそそがれる。       オーストラリア人で教師をされている女性が、       「バンダリズムは、日本にはありませんか?」        と、聞く。       「バンダリズムって?」        窓の外を指しながら、       「絵をあんなふうに飾るなんて、オーストラリアではできないわ。        必ず、すぐ誰かが壊してめちゃめちゃにしてしまいますよ。」                     バンダリズム (vandalism) = 芸術、文化、建物、公共物などを故意に破壊す       る行為;暴力行為。       5世紀のバンダル人によるローマ破壊の行為に起源があるらしいです。         そういえば、最近残念な事件がケアンズでありましたね。       私達日本人はもっとこういった情報を常識としておかねばならないのではないで       しょうか。       歩道での貴族絵は、日本の「安全性」を彼らにはしっかりと印象付けました。       日本人には、ごくあたりまえの「安全性」、ずっと変らないでほしいものです。              
No.104(1997.10.8) デザインは優先すべきもの? 最近、豊能町の公共施設のひとつが修理中である。 玄関のひさしの雨漏りが       問題のようである。       この施設の玄関ひさしは、たいへん斬新なデザインで陽光がはいるようにガラ       スがはまっているのだが、ガラスとその周りの接点に無理があり、うまくつな       がっていないのかもしれない。       デザイン優先の結果、早くも雨漏りが始まるのでは残念だ。       斬新ではあるが、玄関ひさしに雨といがつけられていないことも気になってい       た。雨が普通程度降った時にはポタポタと大しずくが落ちてきて足元で勢いよ       くはねるのだ。       修理のついでに雨といもつけてくれるといいのだけれど。       ここで思い出すのはいつかの「デザイン優先のなべ」である。とてもやさしい       色使いで、形がとても新鮮な鍋をいただき、嬉しくて早速使ってみたものの、       欠陥品ともいうべきものであることがわかったのである。       ふたの裏につく水蒸気が鍋の中にもどらずに全部まわりをつたって底まで流れ       ていくという構造で、すぐに使用はあきらめたのだ。       デザイナーは自身で製品チェックはしないのだろうか。実際に使ってみて確認       する責任があると思いますよ。(問屋さん、販売店もね。)       日本中、年々あらゆるものが洗練され、デザインのすばらしいものが増えてい       っている。       でも、実生活にかかわるものについては「実用性」を十分満足させたうえでデ       ザイン面でのチャレンジをしてもらいたいものですね。              

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