★あらすじ
『にたり地蔵 公事宿事件書留帳七』 澤田ふじ子


「旦那の凶状」

 料理屋の「枡伝」の奉公人たちは、うまく行かなくなった店を買い取り、立て直します。ところが、元の主人の安之助が店を取り戻そうと、嫌がらせを始めました。


「にたり地蔵」

 瀬戸物問屋の尾張屋の隠居・お栄が、地蔵堂の前で倒れていました。町内の人に助けられたお栄は、地蔵が笑って立ち上がり、錫杖をついてどこかへ立ち去ったと言います。そして町内に、いなくなった地蔵の身代金請求の手紙が届きました。


「おばばの茶碗」

 嫁のお梅から粗末に扱われていた小間物屋の夷屋の隠居・お佐世が亡くなりました。お佐世の身の回りの品は、長屋の住人たちに分け与えられましたが、その中に高価な品があると知ったお梅は、取り戻そうとします。


「ふるやのもり」

 お信の長屋に住む、高瀬川の川人足の助五郎は、お人良しで、いつも見知らぬ人を連れてきては世話をしています。ある日、助五郎が連れて来た老婆は、粥を一椀もらうとしゃんとして、浸水した長屋の始末をてきぱきと指図し始めました。


「もどれぬ橋」

 杼作り職人の定吉が、葭屋町でふとした喧嘩から石に頭を打ち付け、死にました。菊太郎は、懸賞金をかけて目撃者を探し、絵師の吉信(再登場)に似顔絵を描かせようと考えました。


「最後の銭」

 「鯉屋」の近所の空き地から、大量の壷に入った古銭が発掘されました。地主の古手屋・堺屋をはじめ、かつてその場所に住んでいた筆屋の夷屋、紙屋の河内屋の遺族が所有権を主張しましたが、そこで何代も質屋を営んでいた大和屋の関係者だけが、名乗り出てきませんでした。

2002.6 幻冬舎/2003.12 幻冬舎文庫 



「公事宿事件書留帳」へ
「時代小説ワールド」へ