■2025年1月号

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バイオジャーナル

ニュース


●培養肉
●インドで初めての培養肉の試食会開催

 インドで培養肉の開発を進めるスタートアップ企業のバイオクラフト・フーズ社が、同国で初めて培養肉の一般向け試食会を開催した。試食したのは2025年に発売を予定している鶏肉で、同社はまた培養魚肉の開発も進めている。インドでは、食品安全局が培養肉の規制の枠組みを検討しているところである。〔Foovo 2024/12/11〕

●オーストラリア企業の培養肉を香港で販売へ

 オーストラリアの培養肉企業のVowが、香港での販売許可を得た。これにより2024年4月に販売を開始したシンガポールに続いて、香港でも販売を開始する。同社の培養肉は、細胞培養したウズラ51%に、ココナツオイル、ひまわり油、コンニャクなどを加えて製造している。現在同社は、オーストラリアでも申請し、承認を待っている状態である。〔foovo 2024/11/21〕

●異種移植
●続く豚の腎臓のヒトへの臓器移植

 11月25日、ニューヨーク州ランゴーン大学移植研究所で、豚の腎臓を人間に移植する異種間の臓器移植が行われた。移植を受けたのはアラバマ州の女性トワナ・ルーニーさん(53歳)で、重い腎不全の患者である。執刀したのは、同研究所のモンゴメリーとロックの2人の医師。移植に用いた豚の臓器は、ユナイテッド・セラピューティクス社の子会社リバイビカル社が開発した、豚の3つの免疫性抗原と成長ホルモン受容体の計4つの遺伝子を壊し、6つのヒト遺伝子を導入したものである。〔NYU Langone Transplant Institute 2024/12/17〕

●省庁動向
●ゲノム編集食品を知っている人はわずか6%

 12月3日、消費者庁は今年度の食品表示に関する意向調査を発表した。食品を購入する際、遺伝子組み換え食品表示を参考にしているかどうか尋ねたところ、「参考にしている」と答えた人は38.0%だった。にもかかわらず遺伝子組み換え「不分別」や「分別流通管理」などの表示について理解している人はいずれも10%程度で、変更後の遺伝子組み換え食品表示制度表示について、ほとんどの人が理解していないこともわかった。またゲノム編集食品に関しては、「どのようなものか知っている」と回答した人はわずか6.1%。「聞いたこともなく、どのようなものかも知らない」と回答した人は50.8%に達した。「知っている」と答えた人と「聞いたことがあるがどのようなものか知らない」と回答した人に、ゲノム編集食品表示について尋ねたところ、55.7%の人が「表示してほしい」と回答した。

●企業動向
●昆虫食のグリラス社が倒産

 徳島大学発のベンチャー企業で昆虫食を推進していたグリラスが11月7日に徳島地裁に破産手続きを申し立て、倒産した。負債額は約1億5000万円。昆虫食は人々に受け入れられておらず、札幌の企業インディールが破産手続きをとるなど、倒産や経営不振が相次いでいる。〔徳島新聞 2024/11/21〕

●明治HDがバイオ食品分野での開発を加速

 新型コロナワクチンのレプリコンワクチンを製造・販売しているMeiji Seika ファルマや明治製菓などを傘下に持つ明治ホールディングスが、食品分野でのバイオテクノロジー応用を加速させるため、神戸大学発のベンチャー企業シンプロジェンおよび米国のバイオ企業3社との連携を発表した。シンプロジェン社は、DNAの人工合成で、長鎖DNAを低コストで製造する技術を持っている。〔日経バイオテク・オンライン版 2024/12/9〕