■2025年2月号

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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●NGTsの安全責任はバイテク企業ではなく食品企業が負う

 EUでいま進められている、ゲノム編集技術などニューGMO(New Genomic Techniques :NGTs)の規制緩和政策では、この技術を用いて開発した食品の安全性評価や問題発生時の責任は、バイテク企業ではなく食品企業が負うとしている。EUの食品産業業界は、食の安全に関する責任をすべて食品企業が負うことに関して、全面的に不利益をもたらすとして問題視しており、NGTsで利益を得る企業も責任を負うべきだとする発言が相次いでいる。〔GM Watch 2025/1/14〕

●EUのNGTs種子特許禁止は実効性に難あり

 ドイツ連邦議会の緑の党議員グループは、NGTsに関する種子特許を禁止あるいは制限を加えるとする欧州議会と欧州理事会の見解に対して、それを批判する専門家の意見を欧州議会のオンライン・イベントで発表した。12月9日、ベルリン・フンボルト大学のアクセル・メッツガー教授は、種子特許禁止の実効性に疑問があると指摘した。理由として、そのためには欧州特許条約などの国際条約を改正する必要があるからだとしている。〔No Patents on Seeds 2025/1/6〕

●NGTs規制緩和政策をめぐるポーランドの提案に批判相次ぐ

 EUの次期議長国のポーランドが、EUが進めているNGTsの規制緩和政策に関して、NGTs種子の特許権を認めないとする提案を行なった。しかし、この提案に対して環境保護団体などから相次いで批判が出た。なぜならこの提案は、特許権の問題だけで妥協を図ろうとするもので、環境影響評価や食の安全性評価、トレーサビリティ、食品表示といった問題に触れるのを避けているからである。〔Friends of the Earth Europe 2024/12/21〕

●フードテック
●培養肉はハイブリッド肉が主流に

 昨年、シンガポールで初めて小売店で培養肉が発売された。米イートジャスト社の培養肉部門グッドミート社が製造販売する「グッドミート3」である。この培養肉の特徴は、培養鶏肉の割合が3%しかない点で、今後培養肉は、このような藻類や植物由来の食肉と組み合わせるハイブリッド肉が主流になりそうである。シンガポール食品バイオ技術革新研究所では、魚の脂肪細胞を培養して、他の動物の脂肪細胞や植物由来タンパク質などと組み合わせるハイブリッド肉の開発が進められている。〔日経バイオテクオンライン版 2024/12/20ほか〕