■2025年2月号

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バイオジャーナル

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●異種移植
●中国でブタの肝臓をヒトに移植

 中国北西部にある陝西省の空軍軍医大学西京病院のチームが、ゲノム編集により遺伝子を改変したブタの肝臓を脳死患者に移植した。ゲノム編集されたブタの臓器のヒトへの移植は米国以外では初めてである。今回移植に用いられたブタの臓器は、四川省にある成都中科奥格生物科技有限公司が開発した。この肝臓は、6つの遺伝子を壊した生後13か月のブタから取り出したものである。これまで同有限公司では、ブタからサルへの肝臓移植と、ブタからヒトへの腎臓移植の予備実験が行われ、安全性確認が進められていた。今回移植を受けたのは、脳梗塞から脳死状態になった患者で、手術は10時間以上に及んだという。ゲノム編集された肝臓を患者のもともとあった肝臓と入れ替える形で手術は行われた。〔CGTN Japanese 2025/1/17〕

●厚労省が異種移植を容認する動き強める

 米中で異種移植が進むなか、日本でも厚労省が異種移植を容認する動きを強めている。2025年1月17日、同省は都道府県衛生主管部に宛てて「再生医療等の安全性の確保等に関する法律の下で実施する異種移植の実施について」という文書を出し、同時に「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症リスク管理に関するガイドライン」の改訂を伝えた。日本においても、異種移植が臨床研究の段階に至る事例が想定されることから出したものである。