地震・防災関連用語集
カテゴリ:環境
人類は今から約五百万年前に誕生したと言われていますが、猿人、原人、旧人、新人と進化する過程で道具や言葉の獲得などにより人類としての特徴を備えてきました。生物の個体数は、増えすぎると各種の制限要素が働き、系としての均衡と調和が保たれるのが普通です。しかし、人類は他の生物とは異なり、農耕や牧畜を開始し、これを拡大することによって、安定した衣食住を確保し、更には技術革新により化石燃料を活用することによって活動の規模を地球上のほぼ全域に持つようになりました。このように文明の発展に伴いただ1種類の人類が生息域、生息密度とも他の生物を圧倒して増加を続けており、生物として極めて特殊な存在となっています。
生物は進化の過程で数々の絶滅を繰り返しながら、環境の変化に適応してきました。大規模な絶滅の中には環境の変化が要因となったものが多いと言われています。また、ミケーネ、メソポタミアやイースターのように、いくつかの古代文明の衰退や滅亡は、文明自身が及ぼした環境の変化がその有力な原因であることが花粉分析の結果から推定されており、環境変化の前には人類も例外ではないことがわかります。
人類は長い旧石器時代を経た後、約1万年前から新石器時代へと移行し、研磨した石器や土器を初めとして現代の文明まで急速な発展を遂げました。そして、大量生産、大量消費、大量廃棄という言葉で代表される現代文明は生物の適用に必要な速度を遥かに上回る速度で環境変化をもたらすようになりました。
人類が将来に亘って生存するためには、これ以上の環境への負荷の増大を抑え、持続可能な文明に変えることによって、人類の生存基盤たる環境を子孫に引き継いでいかなければならないとの認識が国際的な合意となっています。
我が国では、環境基本法に基づく環境基本計画が策定され、
以上の四項目を目標とし、これを通じて持続的発展が可能な社会の実現を目指すこととしています。