其の壱拾壱


1993年、長野で撮影。友人から送られてきた1枚で、人物の両腕が写っていない。彼女は、両腕のある、胸の豊かな女性で、Tシャツの中に腕を隠しているわけでもない。また、人体の構造上、思い切り手を後ろにまわしても、肘が写らないというのはありえない。この写真を撮った後、彼女は交通事故にあい、腕を怪我している。また、体調を崩し、入院もした。この写真が原因ではないかと不安になって、私に送ったというわけだ。
パーツが消える写真のほとんどは、原因というより、「体に気をつけろ」という暗示の写真である。