其の壱拾弐


20年ほど前、家族旅行で華厳の滝に行った時のスナップ。滝がよく見える展望台で、撮影したもの。足もと右に、髪の薄い中年男性が写っている。
現場に行ってみたところ、この展望台、写真に写っている鉄柵の後ろは、谷となっていて、人が立てる場所ではない。もし、立ったとしても、鉄柵から地面までは、かなり高さがあり、ジャイアント馬場クラスでも、写真のようなアングルで写り込むことはできない。
華厳の滝には、記念撮影専門のカメラマンが数名いるのだが、彼らにこの写真を見せ、感想を聞くと、初めは、嫌な顔でコメントを避けていたが、「ここでは、こんな写真、珍しくないんだよ。いちいち気にしてたら、きりがない。」
吐き捨てるように、答えてくれたのが印象的だった。
P・S・
なお、この場所には、展望台が二段あるが、下段の展望台で撮影したものである、と、手紙の主は、記している。