北見より西は地下に潜る北見トンネル、北東部は高架化。地方都市としては珍しい積極的な立体交差によって、開業時は仮乗降場だった柏陽は近代的な高架駅になっている。
無人駅のため、階段を下りればもう駅出口ではあるが、そこは野付牛モールと呼ばれる遊歩道になっており、駅入口も鉄骨とコンクリートを組み合わせた建物も造られ、市街地であるがゆえの恩恵を受けた駅であるとも言える。
駅の目の前には生協があり、仮に途中下車しても食材の買い出しやトイレにも困らない。また周辺には北見柏陽高校や北見工業大学といった学校もあるので、駅利用者の年齢層が若いのも大きな特徴ともいえる。
高架の柏陽から町を眺めると、計画的に碁盤目状に造られた市街地の先にある山のふもとには畑作地が見えるため、やはりここは北海道であることを再認識させられる。
個人的に、この柏陽に下車したのは、レンタカーの最寄り駅が北見ではなく、ここという単純な理由だった。車を借りたのは石北本線でも取り分け無人駅のレベルが高い、いわゆる白滝シリーズで最も列車での訪問が困難な
上白滝の乗下車を成立させるための秘密兵器だった。
夕方に柏陽に下車して、借りたプリウスで暗くなり始めた北見の町を走り出した。向かうは
白滝である。
(2014.9.6)