ログハウス調の小ぶりな駅舎を持つ細岡は駅を出たらすぐに釧路湿原の原野が広がる。駅前にたった一つだけ集会所のような建物があるが、窓ガラス部分に板が打ち付けられて、もう使うことはないという印象を受けた。
釧路湿原を一望できる代表的なスポットとなっている細岡展望台の最寄り駅は隣の
釧路湿原に取られてしまっている。また駅から達古武沼の方へ歩いてみると、踏切の手前にカヌーの発着場があり、ここからカヌーで釧路川をツーリングすれば、さらに湿原の魅力を満喫することが出来そうだ。
踏切を渡って間もなくすると達古武沼が見えてくるが、レジャーを楽しむようなキャンプ場は一旦国道に出て回り込まなければならないので、駅からのアクセスは不向きである。この年は暖冬と言われたものの、歩道は除雪されておらず、雪のない車道を歩かざるを得なかった。
細岡の駅舎内には駅ノートが置かれている。ほとんど無人地帯と言っていいような場所だが、湿原観光を楽しんだ方々の書き込みが多く、この細岡も決して捨てたものではないと感じた。
近年、JR北海道管内の利用者が少ない駅の廃止が進められている。細岡も利用者が1人以下というのが現実ではあるが、自然的な観光資源がある分、今のところ廃止の打診までには至っていないのがせめてもの救いである。
(2020.2.24)