エレキバンのCMで有名になった
比布の両隣には
南比布と北比布という駅が存在する。それらは仮乗降場としての開業に旅客駅の昇格日がいずれも同じ日という、双子のような趣きだ。
北比布は短い板張りホームの駅で、周囲は田畑に囲まれ、民家も転々としている散村地帯となっていて、利用者が少ないせいか、一部の普通列車も通過してしまうという不遇な扱いを受けている。
待合室は、かつてはブロック塀造りの建物であったが老朽化が激しく、壁は木造で屋根はトタンの片流れという小振りなものに置き換えられた。また北海道名物となっているサッポロビールの宣伝が入ったホーローの駅名板が待合室とホーム端にあるが、それはまるで行き場を求めて何とか落ち着いたといった感じが出て面白い。
比布町は利用者が少なく、JRから廃止の要請を打診していた
南比布と、ここ北比布の廃止を受け入れた。立地は微妙に違えど、誕生日が同じ双子駅の
南比布と北比布。駅としての役割を終える時期も同じという数奇な運命をたどることとなった。
(2020.9.2)