駅名の通り、比布町の最南端の駅である南比布は元々地元住民の請願によって誕生した駅で、最初は仮乗降場として開業し、4年足らずで正式な駅として昇格した。昇格した当初はそれなりに利用者がいたという記録があるが、利用者は減少し、旭川から近く宗谷本線内では比較的列車が通る本数が多い南比布ではあるが、停まる列車よりも通過列車の方が多い。
老朽化が激しくなっていた木造の待合室は取り壊されて、
北比布と似たような小振りのものに置き換えられた。しかし
北比布のものと照らし合わせてみると、片流れの屋根の向きは真逆になっている。
駅の北側には国道40号線がオーバーパスしているが、同時に歩行者用の階段も設けられており、近くに踏切が無い南比布にとってはホームと真向いの場所へ行くための重要な通路となっている。
南比布の訪問時間が20分弱とあまり時間が取れなかったが、国道の陸橋は非電化区間の駅の撮影にはうってつけであり、高い位置から駅の全景を撮ることができた。
ホームからは田園風景の絶景が広がるが、民家は離れた位置に点在し、国道の車通りを見ても地元住民の足は車がメインとなっていて、今となっては利用者は望めそうにないというのが正直な感想だった。2021年のダイヤ改正で南比布は
北比布と共に廃止される予定である。
(2020.9.2)