短い板張りホームの離れに申し訳なさそうに待合室がポツンと佇む小さな無人駅、朱文別。駅前にブイが放置されているのが見受けられるが、実際に駅から徒歩1分ほどで海辺の国道に出ることができ、その道路沿いには集落が形成されている。周辺のこれといった施設は自治会館がある位で残念ながら店や自販機の類はない。
待合室の中は北海道の無人駅にはおなじみの駅ノートが置かれている。しかし足元は砂利敷きの状態でまるで地面の上にプレハブの建物を置いた感じだ。
夏場は虫、冬場は雪が入るために扉は閉めるような注意書きはされているが、閉めた状態だとどうしても蒸し暑くなってしまうため中にいる間だけ、やむを得ず扉を開けておかざるを得なかった。
廃止が刻一刻と近づいている留萌本線の末端区間、車内にはけっこう人が乗っていたが、朱文別に下車したのは私ただ一人のみで、その他大勢は終点の
増毛まで行ったのかも知れない。そしてその
増毛の訪問をたっぷり楽しんだ乗客を乗せた列車が定刻通りにやって来る。朱文別から列車に乗り込んだのは私だけだったが、運転士は特に珍しがる様子はなかったように感じた。
(2016.8.16)