峠駅は標高が624mと駅名から見ても分かるように奥羽本線内では最高所の駅である。かつてはスイッチバックの駅で古い客車と「峠の力餅」の売り子さんの姿の写真がよく本の中に掲載されていたのを記憶しているが、ここも新幹線と言う時代の波に呑まれてしまい、平成2(1990)年9月1日にスイッチバックが廃止されてしまった。
現在の駅はポイントを雪から守るためのシェルター内に設置されている。旧ホームも何とか残っていると言う感じであるが駅舎や駅名標はすっかりなくなってしまい、ホームだけがスイッチバックだったと言う事を物語っている。
峠の駅周辺は民家が3軒しかないがどの家もお店を経営していて、そのうちの1軒が峠の名物「峠の力餅」のお店である。
スイッチバックが廃止されても「峠の力餅」は今でも販売をしており、電車が到着するたびに「ちか〜らもっちっ、ちか〜らもっちっ」という掛け声がホームでこだましていた。
ちなみに「力餅」はというと、よく時代劇の峠の茶屋で一息入れるような感じの食べ物で、日本茶とセットにして食べると良く合います。また一人では量が多めなので、3人か4人のグループで食べて旅を楽しむのが望ましいです。
(2002.5.26)