2016年3月のダイヤ改正によって、1日3往復から1往復に減ってしまった札沼線の浦臼~
新十津川の末端区間。その1往復の区間に入って最初に停車する駅が鶴沼である。浦臼町の施設である鶴沼改善センターの裏手にひっそりと存在しているこの駅は、コンクリート敷きと木造のホームが半々という変わった構造だ。軽量鉄骨とトタンの外壁で造られた待合室に入ってみると、入口にはクモの巣が張られていて、普段は誰も使っていないことがうかがえる。
鶴沼は1往復区間内の駅では最も国道に近い所に位置し、浦臼から歩いても約1時間、駅から徒歩10分の所には食事もできる道の駅やキャンプ施設がある鶴沼公園、さらには温泉という観光施設に恵まれているため、浦臼から新十津川町役場を経由して滝川へ行く路線バスの他に函館本線の奈井江から浦臼までいく町営バスも公園を経由して鶴沼の駅近くに行くため、アクセスが比較的容易であるとも言える。駅には人が誰もいなかったが、道の駅にはたくさんの人や車があって、町内の移動手段がいかに車が中心であるということも痛感させられる。
JR北海道では鉄道が走る市町村それぞれに、ご当地入場券というものを販売しているが、浦臼に関しては温泉がある保養センター内でしか購入できないので、入場券に記載されている駅は浦臼にも関わらず、最寄りは鶴沼という変わった事案が発生している。
滝川から浦臼へ行く朝の路線バス、奈井江から浦臼へ行く朝の町営バスは共に鶴沼から
新十津川行きの列車に対応し、なおかつ駅の撮影や駅ノートの書き込みもできる時間もある。午前9時11分、始発にして最終である
新十津川行きの列車には青春18きっぷのシーズンだったこともあり、多くの鉄道ファンが乗車していた。
(2018.9.4)