涼しい映画館2005年度バックナンバー

 

 

ランド・オブ・ザ・デッド ゾンビ映画の教祖(w)ジョージ・A・ロメロ監督作品。いや、ホントにDVD付録のメイキングを見ると、スタッフ&出演者の監督に対するリスペクトであふれている/いつもながら、ロメロの作品にはわかりやすい風刺が込められているが、今回もそれは健在。残酷描写も、他のホラー映画とは一線を画す。特に、かなりの効果をアナログの職人芸、いわゆる”特殊メイク”で表現しているのがうれしい。それと、一作ごとにどこか進化していくゾンビだが、本作での進化度はスゴい。昨年のリメイクの秀作である『ドーン・オブ・ザ・デッド』がオリジナルに忠実なゾンビを描いている(走るゾンビではあったがw)のに対し、さすがは創造主ロメロ、やってくれる。彼の目は常に、弱者に向けられているのである。


電車男 一箇所、泣いたw エルメスが主人公から渡されたパソコンのカタログの束を見るところ。あの付箋の数に泣いた/監督はTVディレクターの村上正典。脚本もTVの金子ありさと全体にTVっぽい絵だが、ダレずに一気に見せる。原作は未読だが、掲示板で主人公を支えるやつらがいい。主人公の恋が成就したあとのオタク仲間のセリフ、「さわやかに鬱にしてくれてありがとう」には笑った。秋葉原ロケがもちろん多いが、ほとんどどこで撮ってるかわかる俺です(苦笑)


隣人13号 本年度、邦画の傑作。監督はこれが初監督の井上靖雄。PVディレクターだそうだ。PVといえば、映像的に凝るのはあたりまえだけど、この内面描写はどうだ。冒頭の執拗な主人公のアップにただならぬものを感じた。原作マンガは読んだが、完全に原作を土台にして、それを超えている。主題を見極め、それに一直線に向かっていった脚本の威力も大きい。終盤、通学路の先にアパートが見えてきたときは、久しぶりに鳥肌がたった/役者的は中村獅童が注目されているが、今作の要は何といっても主人公の復讐の的、「赤井」役の新井浩文だ。原作と映画でいちばん違うところもこの「赤井」の設定である。彼がリアルだったからこそ、この世界が成功したといえるだろう。


ハービー 機械仕掛けのキューピッド リンジー・ローハン主演のコメディ。車(フォルクス・ワーゲン)が意思を持っているという(しかもこの車だけ)、楽しい設定。が、とくに説明のないまま物語は進み、終わる。”思考能力のある車”という設定のわりには展開はおとなしく、話の中心はやはりリンジー親子。そうか、普通、この設定ならリンジーと車の友情がメインになるハズなのに、車はオマケみたいに扱われてるから、違和感があるんだな。悪役マット・ディロンがいいカンジ。父親役は最初誰だかわからなかったが、マイケル・キートンでした。


交渉人 真下正義 実は『踊る大走査線』って観たことないのだが、かなり楽しめた/ここ2年ほど東京通勤で都心部の地下鉄を頻繁に使うようになったので、駅名もわかったしw いやー電車って面白いなぁ。鉄道マニアの心境がちょっとわかる気がする。”線引き屋”(臨時ダイヤを組む職人)とかホントにいるんだろいうけどカッコいいぞ。あと、ヤーサンみたいな木島刑事役の寺島進が良かった。ああいう人っているよな。映画「踊る大走査線」も観てみよう(いまさら)。


アイランド ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンという、ちょっと楽しみな配役のSF。監督がマイケル・ベイってことで期待はしていないのだが。ストーリーは正統なSFという感じだが、風刺や批判性は特になし。映像のスケールはさすがにスゴい。特に『バッドボーイズ2』を彷彿とさせるカーチェイスの迫力は他の映画では味わえないと云ってもいいだろう。もうちょい頭のいい脚本だったらなぁ。


タナカヒロシのすべて 強力な配役による、強力な作品w/主人公を演じる鳥肌実は、TVにも映画にもほとんど露出していないようだ。今回はじめて見た。どんな人物かはWebで調べましょう/監督はこれがデビュー作の田中誠。設定や音楽にいいセンスを感じる。劇中歌の選曲が面白い。特にエンディングのクレイジーケンバンド!こんなに興奮したエンド・クレジットはそうない。


24 twenty four  SeasonU シーズン”1”より面白い。やはり核爆弾という緊迫感がポイントだな。主人公ジャックのキャラの描き方がだんだん雑になっていくのがマイナス点。それにしても、現実の対イラク戦争とかぶりまくる。戦争って、ホントにこうやって始まっちゃうんだろうな。(旧作)


姑獲鳥(うぶめ)の夏 「この世には、不思議なことなど何もないのだよ、関口君」。なかなかカッコいいセリフだが、作品がこのセリフに負けてしまっている。堤真一演じる京極堂にもさっぱり魅力がない。これは監督の力量不足のせいだと思う。監督の実相寺昭雄は初代のウルトラマンやウルトラセブンのとりわけ印象的なエピソードを手掛けていることで有名だが、どうも本作では冴えがない。要のトリックも、「無頭児」や「死蝋(しろう)」といった手塚治虫で見聞きしたものばかり。完全に失敗作といえる。


鉄人28号 予告編が良かっただけに大きく期待したのだが、どうもひねりがないというか、子供向けすぎる。もっと大人向けに作ってもよかったのではないか。ストーリーに面白みがない。二転三転どころか、一度も意外な展開がない。悪の研究者を熱演している香川照之が気の毒になってくる。主役の少年は確かに”熱い”演技をするが、毎回ワンパターンなのでだんだんしつこくなってくる。ただ、鉄人のCGは良かった。ふつうの特撮アングル(「ビルなめ」とか)に比べると新鮮である。俯瞰の絵でこれほどリアル見せるのはCGならではと思った/全体に酷いところはないのだが、いかにも物足りないといった感じである。


吠える犬は噛まない 2000年公開の韓国映画。この面白い題はことわざのようだ(口やかましい人ほど、実行を伴わない)。で、もっと面白いのが原題。「フランダースの犬」。劇中で主人公がアニメ「フランダースの犬」の主題歌をカラオケで歌うシーンもある。なかなか脚本が凝っていて楽しませてくれる/ただ、全体のトーンがよくわからない。コメディなのか、社会派なのか、どうもスッキリしないうちに終わってしまった。(旧作)


ハウルの動く城 最近の宮崎作品(「もののけ姫」と「千と千尋」)の中では一番楽しめた。その理由は、なんとなく主人公(ハウルのほう)に感情移入できたから。ハウルはちょっとアナキン・スカイウォーカー的だな。それにしても宮崎監督の少女マンガ的趣味もここに極まりという感じ。「動く城」は良かった。動力源である火の精とあの扉の仕組みは面白い。エンディングまで倍賞千恵子なのはやりすぎか。


フォーガットン 今年の隠れ脚本賞。昔の「ミステリーゾーン」みたいな感じがグー。たぶん観れば観るほど印象的になってくる映画だと思う。父親(元アイスホッケー選手の)が娘を思い出すシーンは最高。最高にドラマチックだ。


宇宙戦争 スピルバーグ作品。2時間以上、いっときも飽きさせないのはさすが。とくに前半の宇宙人出現までのスリリングなシーンはお家芸で、こういう展開を撮らせて彼の右に出る者はいない/ちょっと気になったのが、この物語では世界中が大変なことになっているのだが、各国の様子は映し出されない。唯一、冒頭に我が国・日本が出てくる。そして後半、人々のうわさの中で出てくるのも唯一日本で、「日本人がどうやらこの化け物を倒すのに成功したらしい」というものだ(もしかしたら字幕スーパーに訳さなかっただけかも)。なんで?/『未知との遭遇』や『E.T.』といった友好的外交作品を撮ってきたスピルバーグが、9.11後に宇宙人映画を撮る。それがこの内容となると、いやでもアメリカの現在の感情が伝わってくる(いや、スピルバーグだけでなく、すべてのハリウッド映画がテロ後変化しているのだが)。スピルバーグが再び友好的宇宙人映画を撮る日は来るのか、と不安になってしまった。で、そうそう、なんで日本しか出てこないんだよ!


オープン・ウォーター サメ怖いというか、海ぎらいの俺としては、ど真ん中直球の恐怖を味わえそうな作品。いやー恐かった!足の先がむずむずした。あたりまえだけど、夜になると海上って真っ暗なんだなぁ。気が狂うな、俺だったら。で、恐かったんだけど、どうも後味が良くない。メジャー映画だったら、きっともっと後味よくしてくれたんだろうけど。「恐い」の後は「ホッ」とさせて欲しいのだ。「ホッ」があるから「恐い」が生きてくる、と思う。


800 -TWO LAP RUNNERS- 『ヴァイブレータ』『ラマン』の廣木隆一の初期監督作品。高校の陸上部の話(800m走)。川崎と鎌倉が舞台で江ノ電も出てくる。なかなかエロくて、廣木監督の原型を見たという感じ。青春映画の佳作。(旧作)


カリスマ 黒沢清監督作品。これまた恐い話である。とくに人を殺すシーンの引き気味の絵(まるでビーカの中を覗く観察者のような)がおっそろしい!それにしても黒沢作品というのはオリジナリティがある。こんな映画観たことないもんな。難解の快楽。(旧作)


ファム・ファタール 「若者よ、これがデ・パルマのシャシンだ!」と指をさしてしまいたくなるほど、興奮しっぱなしの傑作。脚本もケッサクだ。映画を観る醍醐味、ここにあり。と云ってしまおう。あのあまりにも映画的なラストはどうだ。あれが映画でなく、何が映画だ!いやーすばらしい作品である。B級だけど!(旧作)


スクービー・ドゥー2 モンスターパニック なんだかんだいって好きだなこれ。3でも4でも続編が出たらきっと観てしまうだろう。キャラもみんな良い。もしかしたら、原作(TVアニメ)を知らないほうが楽しめるのかも。(旧作)


スクービー・ドゥー ハンナ&バーベラの人気テレビアニメ「スクービー・ドゥー」の実写映画。アニメのほうはまったく知らなかったが、なかなか楽しめた。原作は’60年代から続いているらしいが、そのへんのレトロっぽいところが感じられなかった。もっとマニアックに作って欲しかったと往年のファンはきっと思っているだろう。あ、そうだ、ローワン・アトキンソン(Mr.ビーン)出てます!(旧作)


藍色夏恋 青春映画の傑作。やっぱ中国映画はすげぇ。新人・グイ・ルンメイがいい。彼女なくしてこの作品はありえないと思わせる好演だ。真夜中のプール、朝の通学シーン、映像も素直で美麗。(旧作)


機動戦士Zガンダム ‐ 星を継ぐ者 ‐ ”Z”はリアルタイムでは観ていない。大人になって、レンタルビデオでいっき観して、かなり感動感激した。独特のセリフまわしに中毒性あり。再びその世界に浸かって感激した。エンディングはかっこいいが、オープニングがあっけなくてショボい。物語の始まりにもっと力を入れてもらいたいものだ。


ライフ・アクアテック ビル・マーレイ主演作にハズれなし。ウェス・アンダーソンという監督、名前は聞いたことがあったが初めて観た。すんげぇ面白い。なんだコレ、このゆるいテンション。出てる役者が妙に豪華。それでこの内容。いちばん感激したのが音楽。音楽の使い方。すごいセンスだ。ウェス・アンダーソン。他の作品も観よう。


サマリア はっきりいって、韓国映画って、”映画の基礎”みたいなものができていないと思う。なんかみよう見真似で表現してみました、ってカンジのものが多々ある。これもそう。展開がヘンだ。映像は美しいのだが、流れが美しくない。(旧作)


建築家の腹 ピーター・グリーナウェイ監督作品。これ観てなかったんだよな。グリーナウェイ・コレクションというDVDを購入して、久しぶりに彼の世界を満喫。画面をキャンパスに見立て、シンメトリーな構図で見せるイタリアの町並み、建築、ミニマルな音楽(マイケル・ナイマンかと思ったら、違う人)に心奪われる。イタリア行きてぇ〜。(旧作)


オペレッタ狸御殿 鈴木清順、なぜにして狸御殿(日本映画黄金期の人気シリーズ)。しかも、チャン・ツィイー主演って。すごい企画だ/いろんな役者がいい味を出しまくっているが、中でも、由紀さおりと薬師丸ひろ子が最高。久々に薬師丸ひろ子の歌声を聴いて感動しちゃった/なんかチャン・ツィイーがすごく楽しそう。日本語で歌うツィイーがカワイイ!あと、山本太郎にパパイヤ鈴木!こういう芸を持った役者たちがたくさん出て楽しませてくれる、それを観に行く、映画黄金期に狸御殿シリーズを観に来た人たちの楽しみがちょっとわかったような気がした。


ラマン 『ヴァイブレータ』『理髪店主のかなしみ』の廣木隆一監督作品。愛人役に安藤希、愛人契約を結ぶ男に田口トモロヲ、村上淳、大杉漣という、いやがうえにも期待が盛り上がるラインナップw 愛人女子高生の安藤希はハマリ役。演技がイマイチなのが幸いしてか、無表情なクールさと、それが崩れた時に現れるヘビーさがグー。それと、大杉漣だ。彼はなぜこんなに面白いのだろう。きっと、撮影現場は大爆笑の渦だったにちがいない。


カレの嘘と彼女のヒミツ 原題は「Little Black Book(黒い手帖)」。「黒い手帖」とくれば洋の東西を問わず、何やらキナクサイものが漂うが、じつは彼の元彼女リストというブリタニー・マーフィ主演のロマンティック・コメディ。新米TVプロデューサー候補のブリタニーの部屋に「ワーキングガール」(メラニーグリフィス、ハリソン・フォード)のポスターがあったり、母親ゆずりのカーリー・サイモン ファンだったり、そういうアイテムが親近感を与えてくれる。前半はヒネリもセンスもなくモタつくが、クライマックスからエンディングにかけてが俄然面白い/同僚役のホリー・ハンターがいい。クライマックスでの彼女の存在感は圧倒的だ。


ザ・インタープリター いや〜ニコール・キッドマンが綺麗だこと。アフリカ生まれという劇中の設定と、彼女の白い肌・金色の髪に、ものすごくコントラストを感じた。ちなみにキッドマンなんて、ヨーロッパっぽいけど、生まれはハワイ・ホノルルだそうですね(なんか意外!)/シドニーポラック監督作品。非常に映画っぽい映像を撮る。特に、大統領が空港から車で移動するシーンのダイナミックな映像はシビれる。が、テーマがテーマだけに、脚本に迷いのあとが。ラストはもっと盛り上げて感動させて欲しかったところだ。


レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 原作は、売れてる児童小説だそうだ。あの印象的な”切り絵”は本の挿絵なのかな/凝った映像が楽しい。が、お話はあまり印象に残らなかった。なんかこじんまりし過ぎている/エンドロールの映像が素晴らしい!この部分だけハードディスクに保存して、いつでも見れるようにしたいくらいだ。


コンスタンティン 「オカルトものにハズれなし」というくらい好きなジャンルである。原作はアメコミだそうだ/メキシコのファーストシーンから、いきなり衝撃!その後のアジアン・アパートで、悪魔に乗り移られた少女のオッカナイこと。やっぱキリスト教ものは面白い/なんかキアヌ・リーブスとガブリエル役のティルダ・スウィントンがデビルマンの明と涼のようだ。そのうち、キアヌが変身するんじゃないかと思ってしまった/ラストカットがシャレている。思わずヘヘッと笑ってしまった。エンドロール後にワンシーンあり。


アメリ なんかジャケットの顔がムカつくんで敬遠していたのだがw、遅ればせながらの鑑賞。ゲキ面白い。こりゃあ、ハマる人多いわ。つうか、フランス行ってみたくなるね。音楽も良かった。目の不自由なおじいさんに解説しながら街を駆け抜けるシーン、最高だ。 (旧作)


ドッペルゲンガー 黒沢清監督作品。ここにきて、恐怖とコミカルの配分が半々くらいになっている、奇妙な味わいの作品。ブラック・コメディーというべきか。役所広司も最高にいいが、映画初出演の永作博美が好演/役所による、一人二役の面白い合成シーンがたくさんあるが、鉄塔から飛び降りる女性のカットは衝撃的なデキ。(旧作)


ULTRAMAN みんな知ってました?ウルトラマンが映画化されていたなんて。ほとんど話題にならなかったのではないか/一見、オリジナルっぽいが、なんとコレ、初代ウルトラマンの放映第一話『ウルトラ作戦第一号』を原作としているのだ。これはシブい。TVとの一番の違いは、主人公が家庭を持っていて、子供もいて、航空自衛隊員という設定だろう。この現実感のある設定によるドラマと、ウルトラマンに変身して怪獣と戦うというカタルシス・シーンの配分がちょうどいい。主人公・別所哲也も、妻役の裕木奈江(なんか久しぶりに見たなぁ)も地味、お話も地味、ハデなのはウルトラマンのデザインくらいだが、作り手の誠実さが伝わってくる好感の持てる作品になっていると思う。


降霊 黒沢清監督作品。タイトルどおり、オドロオドロシイ恐怖もあるが、妙なコミカルさもある。話も一筋縄ではいかない展開だ。ファミリーレストランのシーンの怖いこと!恐怖に縛られず、運命に縛られず、開き直る役所広司がいい。主人公らの行動にいまいちリアリティがないのが惜しい。(旧作)


ジャッカス・ザ・ムービー 「ジャッカス」、初めて見た。日本でいうところの「電撃ネットワーク」か。とにかく、オープニングからスゴい。アホだ/こういうイタズラ系は、外人の思考がわかって面白い。まぁ、アメリカ人は良く知っているので、いろんな国のアホ番組が見てみたくなる/どうしようもなくアホで下品だが、カラダを張ってるせいか、なぜか見た後元気になる、パワーがみなぎる(何のパワーだ)、というか、たぶん脳から何か出るヘンな作品だ。(準新作)


田園に死す 寺山修司作品。大昔に『書を捨てよ町へ出よう』は観ていたが、代表作ともいえる本作はこれがはじめて。一見、不可思議な世界だが、彼の著作と同じように、言ってることはシンプルである。それにしても、この映像イメージの面白さは!主人公が少年時代の主人公と出会うシーンにはフラフラした。語り草(あとで知ったことだが)になっているラストはやはり衝撃的で、俺が外人なら、Oh My God!と叫んでいただろう。(旧作)


回路 引き続き、黒沢作品。序盤がむっちゃコワイ。すごい映像感覚だと思う。渋いんだよな、見せ方が。「キュア」に比べ、物語があるんで(ゾンビ系)、ありきたりながら、結末を描かなくちゃいけなかったところがちょっと窮屈になってしまったカンジ。麻生久美子、小雪と女優陣が豪華。本作も役所広司が主演だ。(旧作)


CURE/キュア 黒沢清監督作品。黒沢清といえば、『スウィートホーム』というホラー映画を昔観たくらいで、特に印象もなく、ノーチェックだったが、タランティーノが賞賛しているので『アカルイミライ』に続き、ちょっと見てみた。…衝撃の黒沢体験!こりゃ、面白い。中田や清水作品と見せ方は同系列だと思うが、ストーリーがマニアック。この恐怖感覚は今までにない面白さだ。ヘンだよ、コレ/萩原聖人がサイコに好演。(旧作)


父と暮らせば 原作は井上ひさしの戯曲。『美しい夏キリシマ』の黒木和雄監督作品。舞台劇をそのまま見ているかのような斬新なスタイル。狭い家の中のみで、これだけ見せるのだからスゴい。原作はどうなっているのだろうか、ラストは安心して観ていたら、いきなりガツンとやられた。5秒くらい思考が停止した。傑作だ。


青い車 『ピンポン』のARATA、宮崎あおい、麻生久美子、そして田口トモロヲといい役者が揃っている/パッケージなど、スタイリッシュな感じを醸し出しているが、実際本編の映像はかなりショボい。時間が無かったのか、予算が無かったのか…。中盤までのダラダラした雰囲気は好きなので、そのままARATAと田口トモロヲの中古CDショップ商売記を見ていたかったりした。


スーパーサイズ・ミー マクドナルド・ハンバーガーを1ヶ月食べ続けるドキュメンタリー。1ヶ月食べつづけて、カラダに果たして異変は起こるのだろうか?というテーマなのだが、マックがどうこういうより、1ヶ月も「同じもの」を三食喰い続けることに拒否反応を起こしているように見える。前半に、とって付けたような「吐く」シーンがあったりして、全体にマックに対する嫌悪感みたいなものは希薄である。だから、これを観た多くの人が云ってるように、観た後、「マックが食べたくなった」なんてことになってる中途ハンパなドキュメンタリーである/俺的に一番驚いたのが、マックではなく、途中で挿入される、アメリカの小学校給食の貧困さ、というかほとんどジャンクフードじゃん!って感じのメニューである。なんかチョコバーとかあるんだよね。そういえば、ヤンキースの松井が、球団のランチにポテトチップスが出てショックだったって言ってたなぁ。


フォーチュン・クッキー リンジー・ローハン主演の親子コメディ映画。娘役&母親役とリンジーの魅力が炸裂。ライブ・シーンにいまいちセンスが感じられなかったのが惜しい(選曲の問題か)。 (旧作)


理髪店主のかなしみ 足フェチの理髪店主に田口トモロヲ。監督は、(ヘンな)エロ映画を作らせたら当代随一、『ヴァイブレータ』『東京ゴミ女』の廣木隆一。これで面白くないわけがない。他の役者も超くせ者揃いで、これはもう世界に出してもハズかしくない作品ですなw (旧作)


 

クライモリ パッケージを見て、モンスター系映画かと思っていたら、ホラー類・狂人一家目・悪魔のいけにえ目・サマーバケーション科の正統派恐怖映画だった。しかも最近のおとなしめのホラーの中では、ショッキングシーンが鮮烈。問答無用で惨殺されていく展開が’80年代っぽい。ちなみにタイトルは、日本側でつけた造語。原題は「wrong turn」。もう引き返せない〜!!


ドッジボール たとえば『少林サッカー』というおバカ映画があるが、いくらおバカに作っても、やはりそこには思想があって、真にバカ映画にはならないのである。その点、この映画は完全バカといっていい。ハリウッド・システムという中でのみで生まれえる、最高のバカ映画である。特に、ベン・ステイラーの徹底したバカっぷりは見ていて快感さえよび起こす。あの容姿としゃべり方がしばらく頭から離れなかった。


スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー こういう映画好きなのだが、どうもイマイチ乗れなかったのは、その個性的な映像に比べて、お話があまりに平坦だったからか。それにしても、このタイトルのネーミングセンスは、なんかのパロディーなんだろうか、非常にイカス。


ゴヤ スペインの巨匠、晩年のゴヤを描いたなんとも印象的な映画。ゴヤの生涯うんぬんというより、映像、雰囲気を味わう伝記映画だ。貴族の倉庫でベラスケスの「ラスメニーナス」を見せてもらって、驚愕するシーンとか見ていて興奮する。けっこう好き。(旧作)


スターウォーズ エピソード3/シスの復讐 四半世紀の歴史の重みを加味してみても、なんとも冴えないハナシではある。俺は、この後期3部作の最大のミスは、アナキン(大人)とオビワンのキャスティングにあると思う。なんか華が無いんだよな。EP2のジャンゴ・フェットだけは、「これこれ、バウンティー・ハンターはこういう顔つきじゃなきゃ!」って感心したのだが/それでも、ラストのダース・ベイダー誕生〜タトゥーイン・2つの太陽が出づる星へ〜は感動したけど。何かのインタビューでルーカスが、EP4のもっとも好きな(重要な?)シーンに、タトゥーインでルークが家を出ることを決意するシーン(夕焼けに2つの太陽)を挙げていたっけ/ちなみに、『クジラの島の少女』のキャッスル嬢は全然出てこねーと思ってたら、最後の葬送シーンにちょこっと映ってた。役名は「ナブーの姫」だって。(劇場)


モーターサイクル・ダイアリーズ チェ・ゲバラの旅行日記をもとにした、青春映画。意外と何も起こらないw が、なんとも長期旅行に行きたくなるなるアルゼンチンである。


エージェント・コーディ/ミッションinLONDON シリーズ第2弾。コーディ役の少年ってアメリカの「えなりかずき」なんだろうなぁと思って見てた。前作のヒラリー・ダフが超かわいかったので、今回はヒロインがパワーダウンか。


いま、会いにゆきます もうあらすじを知っただけで涙が出そうな映画。で、確かに泣けはしたが、号泣まではいたらずw その理由は、いまいち演出がヘタだからだ。もっと泣かせてほしかったなぁ/でも、ストーリー的にはツボ。俺は雨の季節に生まれたせいか、昔から雨が好きで、この設定には切なくなる/学生時代と現在(28歳)とで、演じる俳優が違うのだが、この年代で違和感がないのは、ちょっとビックリ/両主演もいいが、脇役も良かった。YOUがよかったね。しかし、彼女、『誰も知らない』でも思ったのだが、オープニングのテロップで「YOU」と出て来ると(しかも1名表示だと)、「...そしてあなた」みたいに思っちゃうんだよな。「ああ、観ている人も登場人物なのか」みたいなカンジで。


カンフーハッスル チャウ・シンチーの大傑作。「やつし」(「乞食に身をやつす」とかの「やつし」ね)の効果が熱い。大家夫妻のカッコいいことよ。弦楽器の殺し屋のシーンは得体の知れないコワさが出ていて、名場面だ。得体が知れないといえば、伝説の殺し屋もエライ凄みがあった(見た目はただのオッチャンなのに!)/アクション、ロマンス、そしてシンチーの人生観が詰まった見事な作品だ/そういえば、ン・マンタ(「少林サッカー」の監督役)が出ていなかった。シンチー映画で彼が出ていないのもめずらしいな。


バッファロー・ソルジャーズ/戦争のはじめかた 冷戦時代末期、「ベルリンの壁」崩壊時期が舞台。ドイツに駐在の、ヒマを持て余すアメリカ兵たちの驚くべき実態!?その内容ゆえに全米公開が5度も延期されたという、軍隊コメディ。コメディ?なるほど、そう思って観れば…ただ、笑えないけど。火の無いところに煙は立たず、大小あれど、こういうことって現実なのだろか。役者は、ホアキン・フェニックス、エド・ハリス、アンナ・パキンなど、見応えはある。特にいつも冷徹な軍人役が多いエド・ハリスが、情けない軍人を演じているのが面白かった。


ゴジラ FINAL WARS 『ヴァーサス』『あずみ』の北村龍平監督作品。北村常連俳優も多く出ている。まず、歴代ゴジラ映画のカットを編集して作ったオープニングのカッコよさにシビれた。続く、マンダと轟天号の戦いもカッコよく、「これはもしや傑作なのでは…」と思って観始めたのが、結局オープニングのゴジラのカッコよさを越えてはくれなかった。特にイヤだったのが、キングシーサー。なんか着ぐるみ全開で、走る姿は、もう人間が入ってるとしか思えない。次のゴジラは、福井晴敏原作、樋口真嗣監督でお願いします。


ヴィタール 塚本晋也監督作品。なんか浅野忠信って、いつも同じ喋り方だなぁ/全体的にうまく素材が消化されていない感じがする。あと、浅野忠信がミスキャストなんではと思っている。彼は、どうも存在がリアルすぎて、幻想的な作品には向いていない。


永遠のモータウン 原題は「standing in the shadows of MOTOWN」。 数々のヒット曲を生み出した、モータウン。そのヒット工場の裏方である、バックバンド「ファンク・ブラザーズ」にスポットをあてたドキュメント映画/2000年にデトロイトで行われたライブが収録されているのだけど、これが最高にカッコいい。特にチャカ・カーン。何気なく歌ってるんだけど、かみそりのようなリズムの切れ味。彼女のカッコよさを再認識した。/ちなみにライブシーンを収めたサントラCD買っちゃいました。(旧作)


ボーン・スプレマシー これまたシブい作りで。オープニング映像がまたカッコイイ。雰囲気はちょっと懐かしい70年代を意識しててグー。だけど、1作目に比べてなんか印象に残らなかった。ちょっと、製作者の意図が鼻についたのかも。


バットマン・ビギンズ ちょっとシブすぎるんだけど大丈夫か?!…と前半は観ていて周りのお客さんの様子を心配してしまった。クリスチャン・ベールは歴代ブルース・ウェインの中でもっとも神経質そうなところ(見かけは普通だが、実は変人なところ)が良かった。そして、ゲーリー・オールドマン!えっ、出てたの??っていう人いるんでは。いやー、ゲイリーの役どころが実はいっちゃんシブいところだったりして。(劇場)


トロイ 意外と面白かった。ヴォルフガング・ペーターゼン監督(ドイツ人)起用が功を奏したか。なんかこれだけスケールの大きいハナシ(&舞台)ながら、ショボいところがなかった/『ハルク』ではパっとしなかった、エリック・バナもここではカッコよし。それと、オーランド・ブルーム!やっぱ弓矢なのかい!(旧作)


ファインディング・ニモ ピクサーの超ヒット作。ストーリーは平凡だが、CGはすごい。この動き、この質感!特に、海ガメと海流に乗るシーンは白眉で、子供が観たら、いつまでも心に残ること間違いなし。50年後に観てもきっと素晴らしいと思う。(旧作)


シュレック 久しぶりに観たピクサー映画『Mr.インケレディブル』が面白かったので、見逃していた話題のアニメを。でも、これ、ピクサーじゃなくて、ドリームワークス製作なんだよね。つまんねぇw なんであんなにヒットしたんだろ。もう、ドラゴンのデザインとかショボすぎる。日進月歩の3DCGだからしょうがないけど、インクレディブル観た後では、CGの動き&質感にも大きな隔たりがある。やっぱ、ピクサー作品=「アート」、ドリームワークス作品=「ピクサーみたいにそれっぽく作りやした」感は否めないなぁ。(旧作)


モンスター 今年観たアメリカ映画でダントツの一本/”スターの青春映画”ってあると思う。別に青春物ってことではなく、例えば、スタローンなら『ロッキー』であり、デニーロなら『タクシードライバー』、パチーノなら『セルピコ』みたいな、なんか、いい監督と巡り合って、全身全霊を賭けて演じて、アメリカン・ドリームを勝ち取る、作品も名作になるような…。そんな雰囲気を持つこの作品に心打たれた。シャーリーズ・セロン、アカデミー主演最優秀女優受賞。


ステップフォード・ワイフ 監督がフランク・オズってことで期待したが、全然面白くなかった。豪華な配役なのに。もっと、現代風に思いっきりアレンジすればよかったと思う。オハナシに無理がある。いっそ夢落ちにして欲しかったくらい!


バッドサンタ 話によると、最初、サンタの役はビル・マーレイだったらしい。クランクイン前に失踪(!)してオジャンになったとのこと。でも、このオッサン(ビリー・ボブ・ソーントン)いい味でてます。


ふたりにクギづけ ファレリー兄弟作品。マット・デイモン主演のコメディ。内容を知らなかったので、開始3分で驚かされた/ファレリー兄弟にしか成し得ない作品か。お涙頂戴の場面が無いのがいい。ラストもいい終わり方だと思う。つうか、忘れてた、シェール。シェールが前代未聞の役柄に挑戦。マット・デイモンがやけに若く感じたが、2003年の作品である/原題は「Stuck on you」。邦題も巧く付けたものだ。


Mr.インクレディブル ピクサー作品は久しぶりに観た。こいつはメチャクチャ楽しい映画だ。どうもCGの進歩に目がいってしまうが、なんか髪の毛とかスゴイ/何よりこの作品で大好きなのが、シンドロームの秘密基地のイメージである。あの、滝の中をくぐるときのディテールの細かさ、高速で移動する乗り物、’70年代っぽい勇ましい音楽、ハートを掴まれた。あと、ダッシュがジャングルを走るときの疾走感。脳からなんか出る/こんなファミリー向け作品なんだけど、けっこうヒト死ぬんだよね。


パニッシャー アメコミが原作。ハードな内容で、さすがにシリアス一本で突っ走ると沈鬱すぎると思ったのか、ところどころにコミカルなシーンが入っている。ラストを見ても、娯楽作品に仕上げたかったのが判るが、どうにも家族の復讐劇、娯楽にするにはハードすぎるのだ/トラボルタの悪役はやはり最高で、これは大満足。主演のトム・ジェーンという役者も良かったのでオシい作品だ。序盤の小島でのカーチェイス、ロシアの殺し屋との大格闘なんか手に汗握る場面である。


エイプリルの七面鳥 久しぶりに泣けた映画。各映画祭で賞を獲りまくった母役のパトリシア・クラークソンがやはり素晴らしい。見終わった後、立ち上がって「ブラボー!」と叫びたいくらいイイ。主演は『バットマン・ビギンズ』のヒロイン等、人気急上昇中のケイティ・ホームズ。こっちも名演だ。監督のピーター・ヘッジスはこれがデビュー作だが、堅実、それでいて気の利いた演出が光る/旅の車中で、母親のジョーイがウォークマンを聴いてるところや、マリファナを吸っている場面が、物語の結末がどうなるかを教えてくれている。


ディボーズ・ショウ ジョージ・クルーニーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが笑わせてくれる、後半はマンガみたいなコメディ。とにかく脚本が面白い。こういう特殊な法律事情をコメディにして、クライマックスに向けてたたみかけ、ハッピーで結ぶ感じは、日本の映画みたいだ/もうひとつ洗練されて、深い表現があったなら、大傑作だったろう。(旧作)


マグダレンの祈り ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞の作品。カトリック教会の残酷な一面が取りざたされている問題作だが、意外にもそんなに協会のヒドさは感じられず、一種の青春物語として感動した。イギリス=アイルランド作品。(旧作)


ファイト・バック・トゥ・スクール 『少林サッカー』のチャウ・シンチー主演。’91年製作。彼の主演作では初期の作品だ。当時大ヒットし、現在も香港歴代ベスト10に入っているらしい。作品としてはB級、C級、シンチーのキャラのみが魅力か。香港のハイスク−ルが舞台なのだが、かなり日本と雰囲気が似ているのが面白い。(旧作)


エイリアンVSプレデター いや、なかなか面白かった。なんだかんだいっても、両者の重量感あふれる対決はカッコイイ。ベストシーンは、スカープレデターが一撃でエイリアンの頭部を切断するところ。観た後、猛烈にフィギュアが欲しくなるw/人間と一緒に走るプレデターはどうにも着ぐるみに見えてしょうがないが、嫌いじゃない。次回作も(あったなら)、どんどん人類と意思疎通をしてもらいたい。


プレデター2 下の理由より、こっちのほうが好きである。なんかLAのロケが時代を感じさせてくれてグー。ラストもB級SFテイストが感じられて素晴らしいと思った。この後、パート3が作られなかったのが不思議なくらいである。俺的には、戦国時代に来て欲しいなぁ、彼ら。(旧作)


プレデター 新作『AVP』を観る為に今一度…といいたいところだが、じつは初めて観るのだ、プレデターを。今見ると、なんかシュワルツェネッガーの印象が大きい為、プレデターという稀有なキャラのインパクトがもうひとつ出ていないような感じがする。もし、主演がシュワでなければ、さらにカルト映画になっていたような気がする。まぁ、それじゃ、客は入らんだろうが。(旧作)


白いカラス 興味深いストリーだ。だが映画化は難しかったに違いない。やはり観ていて、どうしても過去と現在の主人公が役者的にうまくシンクロしないのだ。これはアンソニー・ホプキンスが悪いのではなく、こんな複雑な役は誰が演じても難しいと思う。ラストもイマイチしっくりいかず、感動には結びつかなかった。(準新作)


トリコロールに燃えて 第二次世界大戦中のパリ、スペインを舞台にしたメロドラマ。ちょっと2時間に詰め込みすぎの感あり。もう少し、時代の重厚感みたいなものがあったらよかった。パリでの3人の生活、束の間のユートピアは良かった。ラストの「ドイツ降伏後の女丸坊主」シークエンスは、なるほど、こういうこともあったかもしれぬということでちょっと新鮮な驚き。


笑いの大学 面白い!ほとんど取調室の中の話で、映画の大画面がもったいない感じだが、面白すぎる脚本がそれを補って余りも発生。とくに、役所広司がサイコーだ。最近、売れに売れている彼だが、もしかしたら、本作が最高演技かもしれない。彼が怒りながら言う、「いったいどういことだ。今まででいちばん面白いじゃないか!」は日本映画史に残る名シーン、名ゼリフに認定!



アカルイミライ 実は黒沢清作品、初めて観た。ちょっとニセものっぽいが、雰囲気は嫌いじゃない。オダギリ・ジョーがいい。前半の浅野忠信との空虚な日常が見ていてなんだか心地良く、このまま、これだけ見ていてもよいなぁ、なんて思った/それにしても、こんな若者イヤだな。共感はカケラもできん/エンディングは超カッコよし。The Back Honeの主題歌がいいねぇ。(旧作)



隠し剣 鬼の爪 『たそがれ清兵衛』につづく、山田洋次+藤沢周平、第二弾。前作とかなり役者がダブるのがちょっと気になったが、見応えは十分。また若干、主演の永瀬正敏がカルい感じがしたが、これも最後は満足。タイトルの付け方がウマい!


砂と霧の家 これはオススメ。非常にメッセージ性の強い社会派悲劇だ。何の悲劇か。自分は、人種差別的悲劇を特に感じた。この見た後の、虚脱感、怒りをいったい何に向ければいいのか。ジェニファー・コネリー、ベン・キングスレーが共に素晴らしい。


イリヤ 自殺希望者を前にカメラを回すイリヤ。なんだか深そうで、よくワカラナイ映画。自主制作かな。パッケージには『キューブ』で御なじみのビンチェンゾ・ナタリ監督の好意的なコメントが紹介されていた。(準新作)



ターミナル この映画の、この2時間の、”幸せ度”はすごい。まぁ、ファンタジーなのだが、こんなに幸せ気分に包まれる映画はめったにない。想えば、『トワイライトゾーン(第3話)』『アメージング・ストーリー(第1話)』など、スピルバーグはこの手のジャンルが得意であったのだ。空港で生活をするワクワク気分、そこで働く人々との友情、そしてスッチーとの恋(キャサゼタ超キュート)。そして感心したのが、アメリカという国の自信だ。ニューヨークが誇れる場所であるからこそ、この物語は成り立つ。ニッポンにそんな街はあるだろうかと考えてしまった。


ミーン・ガールズ この脚本は素晴らしい。ただものではない学園コメディだ。最近、「アジア系アメリカ人」というように、黒人も「アフリカ系アメリカ人」と呼ぶようなことをどこかで読んだけど、冒頭、そのへんのギャグシーンがあって「おっ」と思った。考えてみれば、学校というところは、いろんな人種がいて言わば社会の縮図、シャレになる年代だし、新しい民族の感覚は真っ先にスクールムービーに反映してくるのだろうか/主人公ケイディ(女)に妙に共感してしまった。特に、自分の過ちをみんなの前で告白しなければならないシーンは、なぜか身につまされて(爆)、ケイディの心境がひとごとではなく伝わってきた。なかなか深い映画だと思う/脚本は、コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の初の女性ヘッド・ライター、ティナ・フェイ(先生役で出演もしている)。


ヴィレッジ 天才シャマラン監督作品。友人が「もはやシャマラン作品は、演出だけを楽しむ傾向にある」と言っていたが、なるほど。一般的にシャマラン映画といえば、「”超常現象”をめちゃリアルに描くが、そのあまりに立派な映像&ストーリー展開に対し、オチが結局”超常現象”なので、なんか肩透かしを食らってしまう」といったところだろう。しかし、彼の本質はそれだけではない。いや、むしろドンデン返しのストーリーは実は隠れ蓑ではないか。彼の作品には、「アメリカという国でマイノリティとして受けた、知った、感じた、様ような事柄」を想像の原動力としているところが見える。そのへんをポイントにして、『スチュワート・リトル』(脚本のみ)から過去作品を見直してみてはいかかでしょう。キーワードはズバリ「アメリカ」。


僕の彼女を紹介します 『猟奇的な彼女』の監督&主演コンビ。またしても、M男が喜ぶチョン・ジヒョンの”S”ぶりw しかも今回は女警官なので、さらにSぶりはヒートアップ!(バカ)/構成や展開にヘンなところがあるが、ほとんどチョン・ジヒョンのアイドル映画といってもいい作品なので問題なし。ジヒョンが刑事に昇格してからのファーストシーンなど、むっちゃかっこいい!あと驚いたのが、劇中、「Xジャパン」の曲がかかる。韓国映画で日本語の曲が流れるなんて初めてではないのか/ちなみに、「猟奇的な彼女」を観てからのほうが、ちょこっと楽しめます。


スタスキー&ハッチ 70年代に人気を博した刑事ものTVシリーズの映画化。全てがセブンティズで最高に楽しい。映画なのに描かれる事件が意外に小さい。これは、メインは事件解決ではなくて、あくまでスタスキーとハッチのコンビぶりを楽しむということなんだろう。『イージーライダー』のパロディは笑った笑った。


ヘルボーイ アメコミ原作。こりゃ面白い!地獄からこの世に召喚されしヒーロー、その名はヘルボーイ。さしずめ、米版デビルマンか。第二次世界大戦で幕を開けるところなんかも含めて、『X-MEN』にテイストは似ている。一番の違いは主役が愛嬌たっぷりで、肉弾戦の後には、土方のオヤジよろしく疲労感たっぷりにフ〜と煙草を吸うのだ。このキャラにはヤられた。ヘルボーイ、地獄から来たくせに、とにかく人間臭いのである。


デビルマン 事前に酷評を聞かされていたのだが、やっぱりヒドイ。まず、ヒーローものである以上、かっこいいシーンが欲しいのだが、それがない。(『キャシャーン』にはそれがあった。しかも、そのバトルシーンのみに樋口真嗣を雇っているのだ) そして、あまりにも原作のストーリーに縛られ過ぎていて、映画製作者の作家性が皆無である。ただ、アイドルものとして見ると面白いので、全3部シリーズくらいにして、毎回、いろんなアイドルが敵のモンスターを演じ大見得を切るなんて、そんなシリーズも面白いのになぁと思ったりした。


マーシーX /フレンズ以上、恋人未満!? 過激な歌詞で世間から非難が絶えない人気ラッパー。ついにその飛び火はレコード会社の責任問題として降りかかり、社長は過労で入院。そこでラッパーを教育しようと社長の娘(超お嬢様)が奮闘するのだが。過激黒人ラッパーx白人お嬢様という、絶対笑えそうなコメディなのだが、どうもパンチが足りない。というか、お嬢様がオバさんなのがどうも。どのマーケットを狙った映画なのだろうか。


エクソシスト ザ・ビギニング 題名のとおり、第1作『エクソシスト』の前の話。あのメリン神父の若き頃の話だ。けっこうグロいし、神秘的不気味さもあって、それなりに楽しめる。イスから飛び上がるほどビックリするところもある。で、本作、監督はなんとレニー・ハーリン(ダイハード2、クリフハンガー等)である。’90年代の超売れっ子監督、最近はどこへ行ったか、名前すら忘れていた。


シルミド これは’80年代の角川映画か!? 『野生の証明』とか思い出した。これが大ヒットしちゃうのか、現代韓国映画界。まぁ、たしかに、キム・ジョンイルの首を取りに行く話なんてセンセーショナルだけど。実事件に基づいているところも衝撃的ではある/役者の顔がいい。皆、一度見たら忘れられないツラ構えだ。特に、ソル・ギョング(訓練兵インチャン)の地味ながら内に何かを秘めたる表情は圧倒的存在感。ただ、映画はいまひとつB級である。


ローレライ なんか、しょっぱなからのハイテンションにもう涙目w。途中でも2、3回泣いた。こういうのに弱いのだ(例えば、軍医が去っていく兵士にライカを渡すところ)/監督の樋口真嗣は、胸のすくアクション映像を作ることにかけては定評がある。『エヴァンゲリオン』第九話のシンクロ・ファイトシーンや、『キャシャーン(映画)』のロボット軍団とのファイトシーンがそれだ。本作も、ミサイルがらみのシーンが快調だが、俺的に一番カッチョ良かったのは、最初に伊507が海中に潜るところ。海面スレスレまで引っぱって、ハッチ閉じ、するするキュッと降りてくる艦長!これこれ、これが樋口真嗣の映像なのだ/パウラの超能力の扱いについては、やはり、ジレンマはあっただろう。きっとパウラの超能力がらみのシーンは、一番おいしい映像が作れたはずなのだ。なにせ彼女はガンダムで言うところの「ニュータイプ」的存在なのだから。原作はどうなっているのか知らないが、観ていて、パウラのシーンを相当抑えている感じがした。俺的には、もっとパウラとミサイルの胸のすくカットバックが観たかったというところ/それにしてもピエール瀧はいい役もらったなぁ。



ドリーマーズ ベルナルド・ベルトリッチ監督最新作。1968年の5月革命に揺れるパリが舞台。パッケージ等よく見ずに借りてきたこと、プロジェクターの為、画像の質がわかりにくかったこと、出てくる俳優を誰も知らなかったこと、実は、新作ではなく、当時製作の旧作作品のDVD化だと思って最後まで観てしまっていたという、ある意味すごい体験をした。ほんとに違和感がなかった。それくらい、美術も完璧だったし、俳優の容姿も古っぽかったw。どこで気づいたかというと、エンドロール、”VFX”のスタッフチームを見つけたから。ありえない?いや、ほんとに旧作だと思って観てたよ!/で、内容のほうだが、全体に”若さ”に対する執着が濃く描かれてはいるが、不思議にノスタルジック感はない(ここがだまされたポイントなのだ)。3人の共同生活はユートピア的で、映画を観ながら、このシークエンス、終わって欲しくないなぁと久々に思った。最初は2人に振り回されていたマシューの心情の変化、マシューは現実的で、テオとイザベルは夢想的。このへんが切ない。


オールド・ボーイ カンヌ映画祭グランプリの韓国映画。審査員長・タランティーノの強烈プッシュがあったということだ。原作は日本のコミックである。なるほど、衝撃的なストーリーだし映像も凝っている。が、コメディとシリアスのバランスがどうも悪い。完璧シリアスでいったらどうだったか。それも重くなりすぎるか…。こういうストーリーを2時間の映画に仕立て上げるのは難しい/主人公のオッサン、誰かに似ているんだよなぁ。誰だ?いまのところ、森次晃嗣(モロボシ・ダン)で落ち着いているのだが…。


コール 原題は「Trapped」。なぜコールに?/シャーリーズ・セロン、ダコタ・ファニング、コートニー・ラヴの見応えある女優陣に曲者・ケビン・ベーコンが絡む誘拐サスペンス。犯人側の心情がミソで、気づけば犯人のほうに感情移入してしまっていた。それにしても被害者のお父さん、カッコよすぎ。ジェ−ムス・ボンドだよ。クライマックス、娘の前に現れるシーンはカッコよすぎて涙出た。(旧作)


竜二 ’83年製作。下の「人斬り与太」とは10年の差なんだけど、ずいぶん雰囲気が違う。例えば「仁義なき戦い」は実録ものということで、当時はリアルだと言われていたかも知れないが、やはり菅原文太をはじめとする役者陣がリアルなヤクザじゃない。どうみても彼らは「役者」だ。そういった意味でこの作品は、「たけし映画」などに繋がる現代ヤクザ映画のレジェンドだと思う。きっと、たけしは(あと長渕も)相当影響を受けてるはずだ。必見。(旧作)


人斬り与太 狂犬三兄弟 ’72製作。人斬りシリーズ第二弾。敵の親分に渡辺文雄(「連想ゲーム」の人ね)を配したのは、ヤクザもビジネス稼業色濃くなった時代を映してのことか。ちなみに「与太」を広辞苑で調べてみると、@知恵の足りない者。役に立たない者。Aでたらめ。ふざけた、くだらないことば。


マーダー・ライド・ショー ミュージシャン、ロブ・ゾンビ衝撃の監督デビュー作。ヘヴィ・ロックな正統派ホラー!。そういえば、名作『ゾンビ』も『悪魔のいけにえ』もリアル路線だった為か、ノリのいい音楽とは無縁だった。しかしホラーとヘヴィ・ロックは愛称バツグンなのだ/内容は『悪魔のいけにえ』まんまだが、こいつはイイ、この世界はイイッす。続編も全米公開待機中。


ミスター3000 「チャーリーズ・エンジェル」などに出ていたコメディアン、バーニー・マック主演のメジャーリーグ映画。自分の記録ばかり気にしているイヤなベテラン選手・スタンが、引退後、訳あってカムバックするのだが…。復帰後、かつての自分のように自己中なスター選手に助言を与えるシーンがいい。スタン「そういう態度をとってると、いずれ孤立するぞ。そして、お前の引退後のセレモニーには”荒馬”が来てスピーチすることになるんだ」「誰だよ?”荒馬”って!」スタン「俺もあんときそう思ったぜ!」/スタンの心情の変化に関して、もうすこしキッチリ整った脚本だったら、大傑作になっていただろう。監督は「ドラムライン」のチャールズ・ストーン三世だ。



スウィングガールズ すごいノリの映画だ。爆笑と苦笑のくり返し。矢口作品は、前作『ウォーターボーイズ』でもそうだったが、ハズカシくなるような演出とストーリー展開が持ち味だ。もはや「味」といっていいだろう。「ダサイ」と「ツボ」は表裏一体、楽しめば全てツボとなる。ちなみに、サックス35万は高いだろ。俺の買ったトロンボーンは新品で6万だったような。



ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター 元子役スターの苦悩はどこの国にもあるようだ。この物語の主人公はその元子役。ショービジネスに明け暮れていた為、人並みの子供時代を経験していない。そこのところをオーディションで指摘され、ある行動にでるのだが/展開にかなりムリがあるが、かなり楽しめる。いろんな本物の”元子役スター”が出演しているらしいのだが、さすがにワカラン。知っていたのはコリー・フェルドマンとアリッサ・ミラノ(いたなぁ。「コマンドー」のシュワの娘役)くらいか/エンディングの元子役達の合唱ステージはないほうが後味は良かったと思う。


SAW ジェームズ・ワンという、アジア系監督の作品。『CUBE』や『THE CELL』のような不条理ホラーだと思っていたが、意外とサイコ・サスペンス。設定は面白いが、手法はオーソドックス。展開にもうひとつ緻密さが欲しいところ。


現代やくざ 人斬り与太 深作&文太、’72年の作品。今回の文太はちょっと軽い役だ。ラストは、アメリカン・ニューシネマっぽい(かな)。ムショから出てきて、久しぶりに町へ戻ったときの何かが始まるワクワク感、これって、ヤクザ映画の醍醐味のひとつだな。(旧作)


コラテラル かっこいい!つうか、カッコつけすぎ、マイケル・マン&トム・クルーズ。脚本家はたぶん、もっと冴えない中年の殺し屋を思い描いていたんだろう。しかし、脚本を読んだトムが「俺にやらせてくれ!」、脚本家「しかし、年齢が…」トム「白髪にするから!」…とこんな感じで決まっていったのだろう。殺し屋に過去の説明はいらない。しかし、殺し屋がトム・クルーズでは話は別だ。あれだけの説明では何か物足りないのだ/それにしても、LAの夜間ハイウェイシーンは美しい。ファースト・シーンのタクシードライバーと女検事の会話は良かったなぁ。


誰も知らない カンヌ最優秀男優賞受賞で柳楽優弥くんがクローズアップされているが、そんな興味で見ると痛い目にあう。俺は痛い目にあった。是枝監督は涙を描かない。観客も泣いてはいけない。泣けば「映画に感動した」で終わってしまうから。観る前と後で必ず何かが変わる、日本映画史に残る作品だ。


赤目四十八瀧心中未遂 久しぶりに見応えのある日本映画だった。文学の映像化としては、かなりいいセンいってると思う。鈴木清順を知らない人が見たら、きっとビックリするに違いない。監督は鈴木清順のプロデュースを手がけてきた荒戸源次郎。2時間半のどこか懐かしい日本、異次元体験。


新・仁義なき戦い 組長の首 1974年作品。ほんとに役者が豪華だ。中でも、ウルトラセブンのアンヌ隊員役だった、ひし美ゆり子が出ていてビックリ。ウルトラセブンでは大根っぽかったのに、本作ではなかなか堂々とした演技だ。彼女の「あんたは前からね?後ろからね?」というセリフは仁義シリーズの中でも名ゼリフのひとつに数えられている、らしいw (旧作)



ハットしてキャット うーん、楽しい。こういう突き抜けたファミリー映画大好きだ。マイク・マイヤーズのキャットも最高。笑い声がオースティンパワーズのDrイーブル入ってる。さらにツボだったのが、キャットの手下、THING1&THING2。なんだこりゃw 子役達もかわいいし、セットも楽しい/ちなみにこの映画、ラジー賞という最低映画に送られる賞の’04年度最低作品を受賞してます。反論は無し。


岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇 三池崇史監督。主演に千原兄弟、鈴木紗理奈ら。ナインティナイン主演の前作に比べると、かなりテイストが変わっている。構成が悪いのか、なんだか後半から間延びした印象を受けた。あと、妙にケンカやイレズミのシーンが生々ましい。まぁ、このへんは三池監督だからな。それにしても千原兄、存在感あるなぁ。(旧作)


リディック 謎のSF映画w 人気急上昇中のヴィン・ディーゼル、またヘンな作品選んだなぁ。そういえば、『ピッチブラック』(SF映画の佳作)が出世作だったっけ。えっ、ピッチブラックの続編なの!?ぜんぜん気づかなかった…。こういう映画って、二度三度観るとだんだん面白くなってくるんだよな。


県警対組織暴力 1975年作品。仁義シリーズ以外では、深作&文太コンビの秀作との評価が高い。なるほど、テーマは面白い。だが、たたき上げ警官とヤクザの親分との友情、それを撤廃しようとするキャリア警官なんて、設定だけなら「踊る大走査線」でもできそうだが、もはや現代にして観客の共感を呼ぶのは不可能か。実際、キャリア警官役の梅宮辰夫がどうしても悪役に見えなかった。なんだか時代を感じさせる作品である。(旧作)


仁義の墓場 深作欣二監督、1975年の作品。実在したヤクザ・石川力夫の生涯を、渡哲也が演じている。本作より先に、リメイク版(三池崇史監督・岸谷五朗主演)を見たが、三池版のほうが、なぜ石川力夫が狂っていったのかという事を克明に描いていた。たしかに時代的な迫力はあるが、一歩も二歩も三池&岸谷版のほうが優れていると思う。(旧作)


サウンド・オブ・サイレンス どうも脚本がよくない。ブリタニー・マーフィ演じるエリザベス(スゴ演技でインパクト大)と事件の関り合いのバランスが悪い。それと、取ってつけたような美人女刑事。話にカラんでこないのに目立ちすぎ!ちなみに原題は「Don't Say a Word」。「サウンド・オブ・サイレンス」って意味不明…。(旧作)


ゲーム デヴィッド・フィンチャー監督作。さすがに面白いものを作る。終盤のCRS社の休憩室のなんとも悪夢的に気味の悪いこと!超次元の恐さではなく、現実の不気味さが味わえる。こういう話って、後味が大切だけど、本作はいいエンディングだった。なんだか、まだ気味の悪さが残っているところが絶妙だ。(旧作)


ファンタジア2000 アニメーションとクラシック音楽をイマジネーションで繋いだ名作『ファンタジア』のパート2。実はいままでずーっと、旧ファンタジアのリマスター版だと思ってた(汗。ところが全く別物、まったく新しい映画だった(ミッキーの「魔法使いの弟子」だけ再収録している)。いや素晴らしい。感動した。冒頭、いきなりベートーベンの「運命」で始まるところなんか、気合いが入ってると思う。幻想的なクジラと、森の妖精(顔が日本のアニメっぽい)が良かった。(旧作)



オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー ファーストシーンにはやられた。これだけでも一見の価値ありだ/お話は、お下劣下ネタ満載。今回は日本が舞台になるので楽しい。だが、注目はなんといってもビヨンセ。序盤のディスコシーンのかっこいいこと。ミュージカル風にしてもよかったのでは、と思ってしまう。もっと音楽で楽しませて欲しかったなぁ。(旧作)


アイ・ロボット これは面白かった。ウィル・スミスも最高だが、ロボット・サニーのキャラが抜群で、もっとこのコンビの物語を見たくなってくる。鉄腕アトムのような未来世界も素晴らしく、あらためてコンピューター・グラフィックの威力を知る。ストーリーはどこかで見たようなアイデアの詰め合わせっぽいのだが、脚本が巧いせいか、映画としてとても新鮮味があった。


ル・ディヴォース パリに恋して ケイト・ハドソンとナオミ・ワッツ競演という、興味津々の作品。さすがに見応えがあった。パリのロケもいいし、金持ち階級の雰囲気もいい感じ。薄幸そうなワッツとイケイケのハドソンのコントラストが面白いし(ちなみに姉妹役)、フランス人とアメリカ人のお国柄もちょっとスパイスを効かせて描いている。ジェームズ・アイヴォリー監督作品、他の作品も観てみたくなったぞ。


真珠の首飾りの少女 タイトルは17世紀のオランダの天才画家・フェルメールの作品名。この一度見たら忘れられなくなる絵画はどのようにして生まれたのか、実際、フェルメールという作者像でさえ謎に包まれているので、この物語はまったくの想像といっていい。それにしても素晴らしいのは美術だ。フェルメールの”光”を意識した映像が素晴らしい。音楽もいい。主演の美少女に『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソン。しかし、物語がつまらない。ラストも、「えっ、だからどうしたの?」って感じである。もう少しドラマチックにして欲しかった。



アップタウンガールズ これは良かった。お金持ちの少女と元お金持ちの女の子の友情。このお金持ちの設定が面白い。片や亡きロックスターの父の遺産、片やロック業界敏腕プロデューサーのママを持つという、根底に”ロック”あり、なのだ。ここでもブリタニー・マーフィは最高の演技を見せてくれる。遊園地のシーンは感動。オタクっぽい『スクール・オブ・ロック』なんかより、よっぽどロックしている。なにより優雅だ。(準新作)



タイムラビリンス 時空の扉 原題は「The Devil's Arithmetic(悪魔の演算?)」。児童文学が原作のTVドラマ。題名からファンタジーものを想像していたが、内容は、現代の少女が1941年のポーランドにタイムスリップ、ナチスによるホロコーストを体験するというハードな内容であった。タイムスリップものということで、多少の救いはあるのだが、やはりユダヤ人収容所は映画として扱うにはつらすぎる過去だと思った/主演の2人は今をときめくキルスティン・ダンストとブリタニー・マーフィ。(旧作)



8マイル 昔、プリンスの『パープルレイン』という自伝的プロモーション映画があったが、これは白人ラッパー・エミネム版パープルレインといえる。ラップの本質が良くわかる映画だ。剣をペンに、ならぬ、銃をマイクに、だ。エミネムは役者といってもいいくらいに上手い。表情がいい。母親がキム・ベイシンガーというのは時代を感じるなぁw ライブシーンよりもドラマ部分が充実していているのがこの映画の素晴らしいところだ。(旧作)


ウェルカム・トゥ・コリンウッド スティーブン・ソダーバーグとジョージ・クルーニー製作のコメディ。くせもの役者が揃ってる。ファッショナブルなソダーバーグの『オーシャンズ11』に対して、こちらは失業者を集めたダメダメ泥棒チーム。そして、愛すべきチーム。彼らは最後に何を手に入れたのか。(旧作)


ジャスト・マリッジ ブリタニー・マーフィ主演作。いわゆる日本でいう成田離婚的ラブコメ。脚本的に新鮮味はないが、主演の2人に魅力があり、楽しい。軽妙な音楽も趣味良し。ゴキブリのシーンは腹抱えて笑った。(旧作)


エレファント ’99年にコロラド州のコロンバイン高校で起こった銃乱射事件をもとにした作品。空。雲。ベートーベンの月光。学校。月光。雲。青空。複雑な気持ちのエンドロール。ガス・ヴァン・サント監督、日常との境い目を見せない。


24 twenty four 人気TVシリーズ。4日間でいっきに見た。面白いけど、感動は無かったな。黒人初の大統領候補という設定は興味深い。一番個性的なのは、大統領候補パーマーの妻シェリーか。良かったシーンは、選挙スタッフのエリザベスを囮に使った暗殺者アレクシスとのサスペンスシーン。密室の緊張感もさることながら、エリザベスの突然の行動には驚かされた/それにしても、全編に渡って携帯電話が大活躍で、もはやネタがつきたと思われる犯罪サスペンスというジャンルも、この小道具によってまだまだ開拓の余地ありといった感じだ/観ながら一番思ってたことー「体力って大事だなぁ」。(旧作)


スパン 最近注目の女優、ブリタニー・マーフィ主演作。この顔は一度見たら忘れられない。目の下のクマが、なんかジャンキーっぽい。死にそう。そして実際、そんな役が多い。泣き演技が上手い/ここのところメジャー映画ばかり観ていたので、こういうインディーズっぽいものは久しぶりだ。プロレスラーみたいな巨漢のオヤジが出てるんだけど、顔だけはミッキー・ロークに似てるなと思ってたら、ほんとにミッキー・ロークだった…。ホテル暮らしのレズのおばさんが、どうもデボラ・ハリー(ブロンディ)みたいだなと思ってたら、ほんとにそうだった…。やばい、マイナー映画面白いよ。


(ここより2005年)

 

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