〔名詞節〕が〔主格補語〕となるのは、ほとんど〔be動詞〕の〔補語〕として使われる場合です。“S+Vbe+名詞節”で、「Sは名詞節です」という内容になります。
〔従属接続詞〕の that は、〔名詞節〕をつくり、〔主語〕になったり〔目的語〕になったりすることができます。ここでは、〔主格補語〕になる場合についてみていきます。
(1) The trouble with her is that she is noisy in class. |
「彼女についての困ったことは、彼女が授業中うるさいことです」
→「彼女は困ったことに、授業中うるさい」
(The) trouble (with her) が〔主語〕、is が〔動詞〕、that... が〔主格補語〕の〔第2文型〕です。
The trouble with her=that she is noisy in class.
の関係が成り立ちます。
(2) The truth is that I have eaten your letter without reading. |
「真実は、私があなたの手紙を読まずに食べたことです」
→「実を言うと、私はあなたの手紙を読まずに食べちゃったのです」(くろやぎ)
=To tell the truth, I have eaten your letter without reading.
The truth が〔主語〕、is が〔動詞〕、that I have eaten... が〔名詞節〕で〔主格補語〕となっています。
(3) The fact remains that Japan did hurt our dignity as human beings.(ジーニアス英和辞典第3版P656, fact 1a より) |
「事実は、日本が私たちの人間としての尊厳を傷つけた状態のままとどまっています」
→「日本が私たちの人間としての尊厳を傷つけた事実は、今も残っています」
The fact が〔主語〕、remains が〔不完全自動詞〕、that Japan... が〔主格補語〕です。that節中の did hurt は、過去形hurt の強調。「傷つける」の変化は、hurt-hurt-hurt。
これは、=The fact that Japan did hurt our dignity as human beings remains. とすることも可能か? この場合、The fact と that..beings が〔同格〕で〔主語〕、remains は〔完全自動詞〕で、〔第1文型〕となる。しかし、いかにも分かりにくい。これはないか。
(1)〜(3)の that節が〔主格補語〕となる例文では、that以後の〔従属節〕が意味の上では〔主節〕のような働きをして、“S+V(+that)”が〔副詞〕の働きをしているように感じられます。特に(1)(2)。
(4) The question is whether the TV program will have a bad influence on children or not. |
「問題は、そのテレビ番組が子供たちに悪影響を与えるかどうかです。」
The question が〔主語〕、is が〔不完全自動詞〕、whether... が〔主格補語〕となります。
whether と同じ意味で使われる if は、〔補語〕としては使われません。主に〔目的語〕として使われます。
I wondered if he could get there alone.
「私は、彼がひとりでそこに行けるどうか怪しいと思った」
wonder が〔完全他動詞〕、if... は〔目的語〕、の〔第3文型〕。
(5) The question is who is going to tie the bell to the cat. |
「問題は、誰がその鈴を猫に付けるか、ということです」
The question が〔主語〕、is が〔動詞〕、who is... が〔主格補語〕。
The question is + Who is going to tie the bell to the cat?
(6) This is what I have long wanted. |
「これは私が長い間欲しいと思っていたものです」
関係代名詞what は、the thing(s) which, the thing(s) that, that which 等に書き換えできると習います。
=This is the thing which I have long wanted.
ならば、this がS、is がV、the thing がC、which I have long wanted は〔形容詞節〕となり、直前の名詞thing を「限定修飾する」と説明されます。
ところが、what の場合、wh と at に分けるなんてことはできないので、what I have long wanted 全体を〔名詞節〕とみてCとするしかありあません。
(7) He is not what he was in jail.. |
「彼はもう、刑務所にいたときの彼ではない」
what he was in jail=the man that[which] he was in jail
(×)the man who he was in jail
先行詞は the man か the person なので、関係代名詞は who を使いたくなる。しかし、この場合は「人柄」「性格」を表していると考えられる。そのためか、who は使えないらしい。
この表現は、普通、「いい人が悪くなる」場合に使い、「善くなる」場合には使わなくなりました。
(8) That is why I came here. |
「それが私がここへ来た理由です」→「そういうわけで、私はここへ来ました」
That がS、is がV、why I came here が〔名詞節〕でC。
=That is the reason that[why] I came here.
とすれば、That がS、is がV、the reason がC、that[why] I came here が〔形容詞節〕。でも、普通 the reason は省略する。the reason を使う場合は、why を省略する。また、why の代わりに that を使う。
まあ、でも、表している意味は、That is why で、And so くらいの接続詞的な役割を果たしていますね。
(9) Summer is when things are going well with me. |
「夏は私に関して物事がうまく行く季節です」→「夏になると、私の都合のいいように物事が運ぶ」(→「夏は私の季節です」ここまでは言い過ぎ)
=Summer is the season in which things are going well with me.
≒Things are going well with me in summer.
when や where も、先行詞は省略されるのが普通なので、〔関係副詞〕が導く節は、多くの場合〔名詞節〕となります。how の場合は、必ず how だけか the way だけにして、(×)the way how としてはいけません。how の場合は〔名詞節〕、the way の場合は、the way が〔名詞〕で、後ろの節は〔形容詞節〕。
(10) This is how he reached there. |
「これが、彼がそこにたどり着いた方法です」→「こうやって、彼はそこにたどり着きました」
This がS、is がV、how he reached there が〔名詞節〕でC。
=This is the way he reached there.
ならば、the way がC。he reached there は〔形容詞節〕で、文の主要素とはならず、後ろから the way を限定修飾しているだけ。
内容としては、This is how が、〔副詞〕か〔接続詞〕の働きをしていますね。
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