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 「元気な高齢者がカウンセリングの基本を学び、悩みを持つお年寄りの話し相手として相談にのる」というのがシニア・ピア・カウンセリングです。日本では、高齢者に対する「傾聴ボランティア活動」とも言われています。
 「ピア」は仲間、同士という意味を持っています。同じ世代で、同じ時代を生きてきたからこそ分かり合える仲間意識があります。だから悩みを打ち明けるには、最適の相手になりうるのです。
 お年寄りの最大の悩みは孤独(寂しさ)です。独居をしていれば、話をする機会も少なく、孤独になります。家族と同居していても、世代の違いがあれば、必ずしも、高齢者の悩みを理解してもらえるとは限りません。むしろ家族の中にいて、話が通じないで、よけいに孤独を感じるケースも多く見受けられます。
 そこで、高齢者のピア・カウンセラーの役割が大事になってくるのです。
 つまり、シニア・ピア・カウンセリングは、共通の社会的経験を持つ同世代の者が、相手の嘆きや悩みを「きちんと聴く」ことによって、相手の心の不安を軽減し、かつ、その人なりの判断や納得を促すという意味で、社会的にもとても重要なことなのです。
 日本では、まだ耳新しいシニア・ピア・カウンセリングですが、アメリカでは、30年程前から既に行われています。カリフォルニア州のある診療所で始めたのが最初です。診療所が高齢者の健康診断をしていてくうちに高齢者の健康は肉体だけでなく、その心の悩みが大きく影響していることがわかり、カウンセリングの手法を取り入れて、シニア・ピア・カウンセリングが生まれました。その後全米に広がり、今日に至るまで、多くの実績を挙げています。
   
 シニア・ピア・カウンセリングといっても、ただ、お年寄りの相手として、世間話、茶飲み話のお相手をするわけではありません。悩み、不安、問題を持つお年寄りの気持ちに沿って、心を傾けて『聴く』ことが何よりも大切になります。アドバイス、忠告をすることでも、諭すことでもありません。勿論、適当に相づちを打っていればよいというものでもありません。相手の立場に立って話を『聴く』ためには、それなりの訓練が必要です。又、高齢者の肉体、心理などについても基本的な知識が必要になります。 上記の点をふまえて作られたのが、傾聴ボランティア養成講座のプログラムです。  シニア・ピア・カウンセラーのお仕事は基本的にボランティア活動であるとお考え下さい。金銭的な報酬はなくても、悩みを抱えるお年寄りの役に立ち、喜んでいただけるということに大きな意味があるのです。この活動はボランティアとしてカウンセリングをする高齢者にとっても、ご自身の生き甲斐づくりに役立ちます。そして、こうした活動がご自身の免疫力を高め、健康になるという嬉しいデータも得られています。
デイケアセンター、デイケアセンター、老人ホーム、特養ホーム、病院,或いは自宅に出かけてなど、活動の場は沢山あります。
これからの日本は、高齢社会から超高齢社会へと進んでゆきます。その時、高齢者は社会から扶助を受ける立場ではなく、社会を担う重要な一員として活躍していなければなりません。シニア・ピア・カウンセラーはそのなかの最適の活動の場ではないでしょうか。
 
 養成講座を受講されているのは必ずしも高齢者だけではありません。ホームヘルパーをはじめとして老人介護のお仕事に携わる方々もレベルアップを目指して、たくさん受講されています。又、お身内のお年寄りのために受講される方もたくさんいます。
 
 

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