2004年の「実写化映画」について

今年(2004年)は、実写化映画の年である。
かつてアニメ化され、根強い人気を誇る名作の数々が、最新の映像技術の恩恵のもと、次々に実写映画化されるというのである。
始まりは、キャシャーンであった。そして、現在(2004年10月10日)「デビルマン」が公開された。
まだ「鉄人28号」という大本命が控えているとはいうものの、ここで各作品の感想をまとめておこうと思います。なお、私tokuの脳内ランキングでは、各作品の評価は以下のようになってます。
キューティハニー>ハットリくん>キャシャーン=デビルマン
サンダーバードもありますが、これは番外という扱いです。
次に国産実写化映画を作品ごとに、感想を述べてみたいと思います。
キャシャーン
たったひとつの命を捨てて
生まれ変わった不死身の体
鉄の悪魔を叩いて砕く
キャシャーンがやらねば、誰がやる!

CMでの唐沢寿明のナレーションは、結構センセーショナル。そして、「人間を皆殺しにする」とのたまう唐沢ブライ。
監督は宇多田ヒカルの旦那、紀里谷和明。原作は、かつてシリアスなストーリーで人気を博したTVアニメーションと色々話題を呼びましたが、この作品、一言で言えば、唐沢寿明に尽きる!
はっきり言って、見に行った私にとっての最大の収穫は、唐沢氏が素晴らしい俳優であることを再確認する為の映画であったと言い切れます。
では他は・・・
話題になったビジュアルについては、確かに見事!でもそれだけ・・・
ストーリー的には、色々言われてますが、私の視点では女性キャラが「やさしすぎる」。あえて、誤解を恐れずに言えば、その優しさは「男にとって都合のいい」優しさです。
母ミドリはすべてを包み込む聖母として描かれ、恋人ルナは献身的にキャシャーン=鉄也を愛し、敵である新造人間の死にも涙を流す心優しき女性・・・
いや、それはそれで素晴らしいとも言えるが、いささかステレオタイプでないかい?こういう伽キャラの作り方の方がよほど(悪い意味で)「マンガチック」だと思うのだが、いかが?
そして、映画の最後に流れるテーマ・・・結局、ラブ&ピースかい?
「鉄の悪魔を叩いて砕く」のは、ほんのちょっとだったのに・・・
アクションシーンは、ほんの少しだが、よくできていただけにこの点も不満。
無理やりテーマを詰め込みすぎ!
映像美と己のテーマ性に囚われて、エンタメとして破綻してしまったようね内容・・・とここまで書いて、ふと思ったのは、この失敗事例は「EVA」で庵野秀明氏が犯したのと同じ失敗では「ないかと。
話題を呼び、庵野氏の名を世に知らしめた「EVA」ですが、私にとってこの作品はエンタメとしての失敗事例だと思っています。少なくとも私にとって、ラストのそれは面白くない。
以上、色々グダグダと書きましたが、紀里谷監督もこれが初監督作品ということもあり、次回作に期待。それに悪口めいた内容に矛盾するのですが、私はさほど嫌いではないのですよ、この作品。
一生懸命、エンタメしようとしていたのは事実だ
忍者ハットリくんtheムービー
伊藤四郎がニン!と言っているのにつられて、映画館に行ってしまいました(笑)
映画を見終わって思ったこと・・・「ハッピーコーラ」のCMはなんだったんだー!!
まるでストーリーの布石のように、執拗に繰り返されるコーラのCM。新興カルト集団のように、むやみに微笑みかけるCMの中の数多くの男女。
それが、結局何でもないなんて・・・
この脚本家、ひょっとして、ひねってひねって、布石のようにみせかけて仕掛けでも何でもない描写を観客に見せていたのか?映画は時間制限があるんだから、そういう描写は避けようよ・・・
話は戻って、VFXはかっこいいし、香取慎吾もハットリくんに向いたキャラ。ゴリのケムマキも意外と似合っている。
ただ、黒影の犯行に及ぶ動機が見ている側からすると、若干弱い。
ハットリくんが「掟を破って戦う」ためだけに登場したキャラにするには、「黒影」というキャラ、演技にも殺気が出ていてもったいない気もするのですが。
でも、子供が活躍するシーンもきちんとあって、そこはこういう映画らしくて良かったかなと・・・
でも、もっともっとマンガちっくにはじけても良かったのではないか?と思ったしだいです。
キューティハニー
サトエリ、かわいいなぁ・・・
いや、ある意味彼女の存在によって成り立っている映画です(キッパリ)

EVAの庵野というと私にとってはいいイメージはないのですが、正直見直した。
話題になっているハニメーションは、なかなか効果的に使われてましたし、パンサークロー四天王、特にブラッククローこと及川ミッチーが素敵!
この場合の素敵とは、マンガチックな役をテレなしに演じきってくれたことです。
サトエリのお色気も、ちょうどいい具合。ハニーってあんまり色っぽいい人が演じても、違和感あると思うんですよね。彼女の起用は、その点バランスを考えてのことなのだろうか?
だとしたら、庵野エライ!
キャストも、何気にマニアックだったし。2004年の実写化映画の中では、頭ふたつ抜け出た存在です。
にもかかわらず、興行的には失敗らしいのだが、私のセンスはおかしいのだろうか。

ところで最後が少し説教くさくなったのは、いただけなかったかな・・・
松田龍平、何しに出てきたんだろう・・・
デビルマン
現時点(2004/10/10)では、まだ公開されたばかりなので、多分にネタバレを含みます。
それでも、読みたい方は、こちらをどうぞ。
ひとつだけ言えば、去年の「仮面ライダー555」劇場版の方がデビルマン的世界観だったなぁ・・・
デビルマン感想文(ネタバレ含む)
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