二重星の見え方

スターツアーの二重星の写真は凝視した時の参考になるよう、かなり強拡大してあります。写真の円は視野円風にした切り抜き円です。
写真での恒星の色は、だいたいこんな感じの参考程度に。画像では表現できない、実際の星の輝きをぜひ自分の目でご覧ください。
また写真だと面積があるようにみえますが、恒星はいくら拡大しても点にしか見えません。
実際は様々な要因で光条を伴った点に近い像に見えます(下図参)。
上の写真は視野内でのイメージ(
200倍 視野円0.3°)です。重星がづいぶん小さく感じますね。 でも実際に覗くとそれほど小さくは感じません。
人間の目は注目したり凝視する時は、ぐっと引き寄せて見せてくれます。

惑星の場合視野内での大きさ

主鏡で見たしし座γ星のイメージ  主鏡での実際の見え方。
主鏡で恒星を高倍率で見ると光条を伴った円盤像に見えます。シーイングがよくドームを開けて数時間後なら恒星を囲むリング(回折環)が見えることもあります。
ほとんどの場合はピントが甘い感じの円盤像に見えます。これはシーイングのほか、ドーム内・筒内の温度差や人の出入り、体温など様々な要因によるものです。
副鏡のFC125は屈折式なので、反射式の主鏡のように斜鏡支柱(スパイダー)がない為、光条をともなわず上記の影響が受けにくくなります。
また主鏡でも影響が気にならない低〜中倍率で見る天体が観望のメインです。
蛇足ですが、恒星がただのリング状に見えるときはピントがあっていませんので、解説員にピント調整法を尋ねてください。

回折環(エアリーディスク。ディフラクションリング)
優れた天体望遠鏡でシーイングの良い日に高倍率で比較的明るい星を見ると、光の干渉により星像の中心部の円板状(エアリーディスク)の部分と、それを取り囲む淡い数本の回折リング(ディフラクションリング)が数本見られます。

●重星データーについて
データーが読めれば、見難い重星を見るときにどこを凝視すればいいのかがわかります。
データーは、主星と伴星の(色)等級 角距離 位置角の順に並んでいます(連星の場合は角が変化しています)。
等級差が大きく角距離が近いほど見難くなります。
位置角は北から東回りの角度です。北が0°です。東が90°南が180度 西が270°です。
たとえばしし座γ星・位置角125.4°の場合なら、南東の角度を注目すればいいわけです。
なお天体望遠鏡は(通常は)倒立像で下が北(0°)で、星が逃げていく方向が西です。