ムセキニンシアター −無責任な予告編−


氷牙とひろなが考えている、お話の予告編です。
まだ断片しか作れていないので、皆さんのお目にかかる日はいつになるやら……。
リクエスト&ラブコールいただければ、筆の進みが少しは早くなるかも知れません?



PREAUDI -プリオーディの伝説-

「フィル、プリオーディって知ってるか?」
「プリオーディ?」
「そう。白い髪に紅い瞳を持つ、予言者の一族だ」

傭兵のフィルは、とある町でルリという女に出会う。
白銀の髪、緋の目を持つ彼女は、未来を知る力を持っていた──。

「私は目が見えません。でも波動を感じることができる。フィル、あなたは赤金の……、太陽のような人だ」

「プリオーディはそう遠くない未来に滅びます。けれどきっとその時には、人々は私たちの能力を必要としなくなっているでしょう」

滅びに向かう一族。その力が世界を滅ぼすのか、それとも滅びゆえに世界を救うのか?

「フィル、私は一族の村に居る必要はなかった。私を必要としてくれる何かを求めて旅をしているうちに、クナイの町であなたに出会ったのです」

「オレが守る。ルリ、おまえをプリオーディの宿命から、悲しみから守ってみせる!」

────present by Hyoga Aikawa



メルーカ

半分以上を砂地に覆われたこの大陸に、昔から伝わる伝説がある。
水の精霊の血を引くものの中に、罪を浄化し幸福を与える力を有するものが現れる、と──。

<水>の子、メルーカは、ある日突然、平穏な日々を奪われた。漆黒の髪と目、翼を持つ男、エレスによって。
エレスの犯した罪を浄化する旅につきあうメルーカ。彼の罪とは、メルーカの身体の秘密とは?

「メルーカ、町に帰りたいか?」
「エル!? なんで? ぼくはあなたと一緒に行くって言ったよ!!」

「オレはおまえに触れられない。その翼の輝きが、オレの罪を許さない」

いつになったら辿り着けるのだろう。彼の罪を癒せる場所に。
何をしたら愛されるのだろう。罪に汚れたオレは……。

「エレス! 今度こそ、その罪を死を以て償え!!」
「マハール、やめてぇ──ッ!!」

────present by Hyoga Aikawa  →→  Now Writing ! !



あの空の向こうに

双子の転校生がやってきた。垣内紫(かきのうちゆかり)と茜(あかね)。無愛想な兄・紫に関わる内に、天方空居(あまかたそらい)は彼らを狙う謎の組織と、小さな村の迷信に巻き込まれていく──。

「そらくん、お願い。紫ちゃんをまもってあげて。私はいいから、私は紫ちゃんが守ってくれるから。
──そのかわり、そらくんのことは私が守るわ」

誰よりも大切にしたい、何者からも守りたい。
──それは、恋愛感情じゃないといけないのか?

「だめだ。おまえが死ぬと茜が悲しむ」
「だったらなおさら! おまえを守る! オレが死ぬのとおまえが死ぬのと、茜ちゃんにとってどっちがつらいと」
「おまえだ。天方、茜はおまえのことが好きなんだ」
「紫!!」

あの空の向こうには、何があるんだろう……。

────present by Hyoga Aikawa



背徳の少年

思い出す。あれは、俺がまだ小学5年生の時の出来事だった。
『いやだ! お父さん、やめて、お父さん……!』

「風生(かざき)、愛してるよ……」
諒平(りょうへい)は俺に夢中だった。あるいは、俺に似ている“あいつ”に。
母が大きくなるにつれ自分に似てくる俺を厭うようになったのは、諒平が俺の向こうに見るのは、
生(せい)。小田切(おだぎり)生。──会ったことはない、風子の兄

「クラス委員の顔くらい、覚えていて欲しいな。野田貴司(のだたかし)だよ、よろしく」

「風生さん、好きです。兄さんの恋人だって、分かってはいるけれど……。」
一度だけでいいから、僕を抱いてください。
祐司の腕が風生にしがみつく。そっと目を閉じる祐司に、風生は唇を重ねた。

「諒平って、誰?」
「俺の、親父」
「父親と、あんなコトするの?」
「……そうだよ」

────present by Hirona Aikawa






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