| Sweet Sweet
──written by 紫月ｓａｍａ＠Ｃｈｅｓｈｉｒｅ Ｃａｔ |
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前日まで３０℃を越す残暑だったのに、急に秋が来た。 天気はぐずつき、２０℃にも満たない気温は、涼しいを通り越して寒い。慌てて長袖を引っ張り出す人が多いのか、人ごみは少し防虫剤の匂いがした。 「……寒くなっちまったな」 「そーですね。まさかこんなに急に気温が下がるとは」 駅前で待ち合わせをしていた宍戸と長太郎は、互いにつぶやきあった。先日雑誌に出ていたソフトクリームを食べに行こうと、そう約束した今日だったのだが。見事に冷たいものにはふさわしくない日になってしまった。 「やめときましょうか？」 「んー、いいよ、食おうぜ」 「はい！」 大通りを、人波みに紛れて進む。駅からほど近いこぢんまりとしたその店で、長太郎はカプチーノソフトを、宍戸はヴァニラソフトを注文する。さすがにこの急激な気温の変化で、ソフトクリームを食べようという人間も少ない。ひんやりと吹く風に、『雑誌掲載されました！』の手書きポスターが、少しさびしそうに翻った。 店内もやや閑散としている。ふたりはレジからも入り口からも死角になる位置に向かい合って座る。別に隠れる必要はないのだが、男ふたりでソフトクリームという図が間抜けにも見えると思ったからだ。 「いただきます！」 長太郎はきちんと挨拶までしてから、ソフトクリームを食べ始めた。ぺろりとひと舐めして、嬉しそうに笑う。 「宍戸さん、すっげえうまいっスよ」 伸びやかな笑顔は、宍戸も見とれるほど眩しい。長太郎がアイスやソフトクリームが大好きなのを知っていて、雑誌で見たからと誘った宍戸としては、それだけで嬉しくなる。 「雑誌の記事、ハズレじゃなくてよかったな」 少し気恥ずかしそうに答えながらも、宍戸も自分のヴァニラソフトを食べてみる。北海道の契約畜産家の絞りたて牛乳を、空輸して作るというこだわりのせいか、コクがあって本当においしかった。宍戸の頬も緩む。自分がおいしいものを食べていることも、長太郎が喜んでいることも、嬉しくて。傍からみたらにやける少年がふたりで、怪しいこと間違いなしかもしれないが。 暫く黙って舐めていたふたりだが、急に長太郎があっと小さく叫んだ。 宍戸は顔をあげる。そして吹き出した。 「…ちょ、ちょうたろっ…お前何やってんの！？」 「あ、あのっ…ちょっと勢いがっ」 「勢い付きすぎって？…お前って…お前って……激ダサッ！！」 目の前であたふたしている長太郎の鼻先に、ソフトクリームがぺっとりとついているのだ。どうやら顔を突っ込みすぎて鼻まで言ってしまったようだが。宍戸は声を殺しながらも、ヒイヒイ言って笑った。長太郎は冷たさに眉を顰め、慌てて拭く物を捜してカバンの中をごそごそし始めた。 それを見た宍戸は、ふいに思いついて辺りをきょろきょろと見回した。店にはふたり以外客がいなく、店員もこちらに意識を向けていないようだ。 「…長太郎」 「はい？」 まだ鼻先にソフトクリームをつけたままの長太郎の、シャツの胸元をグイと掴む。 そして。長太郎に顔を近づけて、ぺろりと鼻のクリームを舐め取った。 「えっ！？」 長太郎は何が起きたかわからなくて、きょとんとしている。宍戸は急に自分がしたことが恥ずかしくなって、顔を真っ赤にした。視線を背ける時に目に入った、備え付けのペーパーナプキンを何枚も掴み取ると、長太郎に向かって突き出した。 「宍戸さん、今のって……」 「……味見しただけだっ！」 言い繕う言葉など長太郎に届くはずもなく。今にも飛びつきそうなほど長太郎は喜んでいる。 口の中にはカプチーノの味が、ほんのりと残っていた。 |
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さ〜ら〜に、引き続き紫月さんのテニプリサイト【Cheshire Cat】の４００００ＨＩＴ記念フリーＳＳ〜ｖ ──────今紫月さんちのカウンタ６万越えてるってば……(^^;)。 ５万は、ネット落ちしてたのでＧｅｔしそこねてしまいました（涙）。あああ……(T T)。 いつ見ても紫月さんちの長太郎はカワイイですｖ ええホントに。 今日も（いや昨日ですが）紫月さんと、長太郎が如何に可愛いかということをＣＡＳＡで語りまくってしまいましたが（笑）、……もう、ほんとに長太郎可愛すぎ。マジおそいたいッス（こら）。 だってだって、鼻の頭にソフトクリームくっつけたちょたなんて……もうそのまま食ってくれと言わんばかりじゃありませんか！！（おまわりさーんっ、ここにヘンシツシャがいまーす！） 本来ならこんな今更ＵＰなんて許されたことじゃないのですが(^^;)、もったいなくも紫月さんから許可をいただいてしまったので遠慮なく（をい）ＵＰさせていただきました〜ｖ ありがとう紫月さん！ 私も早くチョウシドリングに入れるようがんばります！ （とりあえずは明日がんばって宍戸さんＢＤ創作書くよ！ ←遅っ(^^;)） (2002.10.27 UP) |