【眠森談義 座談会編 第9回】
「れひほー! 1週間ぶりでございます皆様お元気でしょうかーっ、木村智子れぇす!」
「こんにちは、八重垣悟です。…どうしたんですか、なんか軽いですよ今日は。…って実際、普段もこんな感じのヒトですけどね。」
「仕事が忙しいんでーす! 大変な騒ぎなんでーす! そういう時って妙にプロフィットのノリもいいんでーす! フィギュアスケートNHK杯、本田選手第2位おめれとー!」
「…まぁ調子がいいに越したことはないです。じゃ、始めましょうか。眠森談議・座談会編の第9回です。」
■マンションで、実那子■
「『先週のおさらい・連れ去られる直季くん』のシーンからつながりで入ってきてるから、私、画面でこの蛇口見た時、国府はいきなり直季をフロバに連れ込んでイケナイことすんのかと思ったよ。」
「…なにを最初からあぶないモードになってるんですか。最近智子さん、眠森を別の話にしたがる傾向がありますよ。」
「いやなに、それは…あるかも知んないけど。」
■森の中■
「ここってさ、ちなみに、どこ。」
「この森がですか?」
「うん。まさかわざわざ御倉の森まで遠征したってこともあるまい?」
「ああ、それはまあ、そうですね。」
「この程度の森…つーか林なら埼玉で十分十分。北鴻巣あたりまで行けばあるよ。不安なら東松山まで足のばすんだね。」
「ローカルネタですね。」
「ここさぁ、実はさぁ、見てる時にどーもヘンなこと考えちゃってさ…。」
「なんですかヘンなことって。」
「いや、髪束ねた拓哉って、ビジュアル的にウチの『拓』になってしまうのね私の中では。だからさー、これ、直季じゃなくて拓だったらどういうシーンになるんだろうって。」
「そんなこと考えて見てるんですか?」
「いやフッとそう思ったらおかしくてねぇ。こんなシーンで笑ってるトンでもないヤツだ私。」
「笑ってるってことはコメディなんですか。」
「拓なら泣きわめくだろうからさぁ。『怖いか』なんて言われる前に、『死にたくねぇ―――っ! やだ―――っ! お願いだから助けて下さい―――っ!』てぎゃあぎゃあわめくね。うるせえってスコップで殴られるかも知れない。」
「謎解きも何もあったもんじゃないですね。」
「いやそれを言うなら、ミクロクリーンのCM入れるのはやめてほしかったぞ。歯周病の原因菌が国府にまつわりついてワケわかんない。」
「確かにあれは、ちょっと待てよって感じでしたね。」
「しかしこのあと直季はどうやってアナから出て東京に帰ったんだろう…。今回の第9幕でさ、私が一番知りたい謎だねこれが。真犯人なんざよりも切羽詰まった、足元の問題だからねぇ…。」
「朝になって誰かが来る前に何とかしないとまずいですよね。酔っぱらって寝てましたじゃごまかせないでしょうし。」
「北鴻巣から高崎線に乗るにしても、多分ドロドロだべ? それとも国道17号線でヒッチハイク…。」
「顔に傷作ったドロドロの男を乗せてくれる車がありますかね。」
「―――ほーら、やっぱり謎だよこれ。北鴻巣からどうやって帰ってきたんだろう。」
「場所はもう北鴻巣で決まりなんですか?」
「決まり(笑)」
■オーキッド・スクエアで実那子と由理■
「―――なぁぁーんてバカな話を直前にしたけどもね、私は今回、はっ………きりと判った。どうしてこの眠森に、はまりきれなくなっちゃったのか!」
「今まで判らなかったんですか?」
「いや何となくさ、それぞれのシーンで、『ここはちょっとなー』とは思ってたんだけど、このシーンではっきり判ったのよ。」
「…で、そのへんを最終回以降にやるんですよね。」
「と思ってたけどね、サワリだけここで言っていいかな。」
「いいかなって…僕に聞かれても。」
「詳しくはね、最終回のあとでまとめてみるとしても…なんかさ、毎回毎回この座談会で、気にくわない気にくわないって言ってるのもかえって思わせぶりかなって気もするから…」
「そうですか。でもこの座談会を聞いて下さってるかたの中には、『今、辛口の意見は聞きたくない、嫌な気持ちになる。冷めちゃうのが嫌だ。』っていう人もきっといますよね。」
「うん…。それがさ、最終回以降にしようって言ってきた第一の理由なんだけど。」
「じゃあこうしましょう。そこだけ別のページにリンクジャンプするんです。聞きたい、または別に辛口の意見も気にならないという方だけこちらをクリックして下さい。で、そういうのは嫌だという場合はこのまま先へ進んで下さい。」
「おお! なんという素晴らしいアイデアだ八重垣! さすがは我がベスト・パーソナリティー! 握手握手!」
「はいはい。じゃあ、このシーンでの通常話は以上でいいですか?」
「えーとね、えーとね、ピンクのファレノプシスが綺麗だったー!」
■ベランダで■
「久しぶりに聞きましたね。実那子の解説調モノローグ。」
「うん。第5幕から設定が変わっちゃったのでは、というのが私の推理だけど、このモノローグがなくなったのだけは歓迎だと思うよ。」
「でも何だか寒そうだと思いません? ここ。」
「いえた。カーテン開けて部屋の中に居りゃいいのに。もしくはあったかい上着着るとか。」
「前のアパート、直季しか住んでない訳じゃないでしょうからね。ずっと外にいると変に思われますよ。」
「あい変わらず妙なチェック入れるよねうちね。」
■中華街、直季と敬太■
「こんなびっこで済むかなぁ直季くん! あの鉄パイプで向こう脛やられたんだろー?」
「あれ、へたしたらヒビくらい入りそうな感じしましたけど…。」
「そうだね。まぁもっとも、脛のトコの骨は頭蓋骨の次に硬くて折れにくいらしいよ。まぁ青紫色に腫れあがってるとは思うけどね。」
「腹部内出血…くらいはしてそうですね。」
「森とか林の土には微生物も多い。頬の傷から破傷風にでもならねばよいが。」
■春絵の店の中■
「このお兄さん…カッコいいですね。あの御倉にいた同級生の女の人と同じでチョイ役なのにうまいなぁ…。」
「そうなんだよね。人生の影みたいなもの、感じるもんね。大したもんだ。」
■埠頭■
「なんかさ。評判のよかった場面設定を繰り返し使ってるんじゃないかって気がするねこのシーン。」
「いや、そこまで穿った見方しちゃ駄目ですよ智子さん。」
「そっか。ちょっとナナメになってる?」
「なってます。それはいけません。…はい軌道修正。」
「軌道修正ね。小さく前習ぃー!」
「直れ。」
「直れ。…って何させとんねん!」
■喫茶店■
「敬太は絶対何かやる、って思わせるシーンだよね。」
「輝一郎も森の中ではさ、あいつの幸せも心から祈るとか何とか言って、信じてはいないって判りますね。」
「あの封筒…2〜30万入ってるっしょ。」
「輝一郎ってそんなにお金持ってるのかな…。」
「自分のカネか、はたまた才覚で動かせる会社のカネか。どっちだろうね。まぁ経費で落とすなら領収書がいるが。」
「はいはい(笑)」
■森田邸・現場検証■
「第9幕の中心は多分このシーンでしょうね。」
「あ、いえた。ここが目玉。今までの謎の整理と新事実の提示。」
「マリア像がぐっとクローズアップされてきた感じします。輝一郎の母親と十字架の絡みも無視できなくなってきましたし。」
「けどさ、このウチ、15年もこの状態で、固定資産税はどうしてるんだろ。」
「またそういう現実的で些細なナゾをほじくり出すんですか。」
「森田明仁名義…だったはずよね。で? 市会議員になる地元の有力者なら親戚だっていると思うけど、あんな殺され方したんで誰もよりつかなくなったのかしらん。」
「普通は身内が相続しますよね、財産として。」
「でも相続放棄したら国の管理になって競売(けいばい)にかけるはずだよ。防災上もああやって放置するのは好ましくないはずだからね。」
「会社の人に聞いてみて下さいよ。不動産の専門家が山ほどいるじゃないですか。」
「そうだね。聞いてみるわ。」
「じゃあ後日、結果報告お願いします。」
「へーい。」
■濱崎邸アトリエ■
「この絵かなり上手いぜ。美術さんかな。それとも専門家が描いたんかしら。」
「輝一郎の部屋にある母親の絵も、あれすごくいいですよね。」
「うん。欲しいくらい。くれないと思うけど。」
「そりゃ…くれないでしょう。」
「ボッティチェリのピエタって知ってる?」
「美術書で見たことあります。あれでしょ? キリストの亡骸をこう、膝に抱いてる嘆きの聖母マリア。」
「そうそう! バチカンかどっかにあるんだよね。『七つの黄金郷(エルドラド)』に出てきたから知ってる。」
「山本鈴美香さんのですよね。」
「キミもよく知っとるな八重垣。」
「輝一郎が15年前のイブの夜横浜にいたっていうのは、証言できるとしても父親だけですよね。家族の証言って正式には効力弱いんじゃなかったですか?」
「確かそうだよね。実の両親の証言なんていうのは相当疑ってかかられる。」
「とすると輝一郎犯人説はまだ消えませんね。」
「一応ね。」
■森田邸の前■
「ここね、ちょっとひっかかるんだ。小椋っていくら『元』とはいえ刑事じゃん。この事件はまだギリギリ時効になってないよね。としたらさ、この2人がこんなに真剣に調べてるってことを仲間の刑事に知らせたら、動きだしちゃったりしないかな警察が。」
「まぁ警察としては? 国府が犯人でいてくれた方がいいんでしょうけど…。」
「あ、それはそうか。無実だなんて判ったらまたマスコミに叩かれるか。」
「でも実の父親が家の前にいた、っていうのは小椋も知らなかったんだから…昔取った杵柄がムズムズして調べ直しちゃう、なんてこともあるかも知れないな…。」
「彼が調べ始めたらさ、シロート2人なんかじゃ太刀打ちできないよね。最後、イブの夜の結婚式場に、ドヤドヤと刑事が踏み込んでくるとか。クルーズ船に警視庁の高速艇がザザーッと接舷して…」
「だからそれじゃあぶ刑事ですよ。」
■アトリエ〜路上■
「ここでハッキリしたこと。輝一郎ママは現実の存在ではなぁい! あんなにパッと消えるなんて変だし、実那子が全然気づいてないし。」
「そうですね。それはもう断定していいと思います。」
「死体はどこにあるんだろ。…それで私、ありゃっと思ったのがね、森田邸の中を敬太はあっちこっち調べるんだけど、床の一箇所を足で踏んで、一瞬じっと見るんだよね。カメラがその足を映すんだ。血痕か何かあったのかなと思ったけど…あれって下が空洞だったりして。」
「ああそういえばありましたねそのカット。」
「壁とかでもさ、芯が入ってないとこ叩くと判るもん。音が違うのね。なんか虚ろでドンドンって響く。だからあの床の下に抜け道が…つうか、なんかあって、輝一郎ママの死体とか埋めてあったら…こ、こわいーっ!」
「…やめて下さいよ、僕、今鳥肌たちましたこのへん。」
「あの眠森をさ、『怖くてたまらない』とか『あのシーンはもう見られない』とか思う人いるみたいだけどっ! ほんとのミステリーったらあんなもんじゃねえど! 中井英夫センセイの『虚無への供物』読んでみぃ! 思わず後ろふりむいちゃうぞぉ!」
「うん、眠森はミステリーとはいってもカラーはソフトです。それは言える。『虚無への供物』って、智子さんの愛読書bQですよね。」
「そうそう! 人によって好む好まないが分かれる本だけど私は大好き。中学の時に初めて読んで、今でもときたま読み返すよ。」
「そういう、大好きって言える本があるっていいですよね。」
「うん。幸せなことだと思ってる。って急にマジメになっちゃったやん。」
■車の中■
「敬太の口を借りて、事件概要をまとめるシーンだね。」
「トンネルの中、っていうのがいいと思います。ライトの赤がきいてますよ。」
「ユーミンの『星空の誘惑』思い出したね私。」
「ラブソングじゃないですか。」
「好きな曲なのよぉ。ここに歌詞書きたいくらい。」
「歌詞ってチョサッケン一番厳しいんでしょう? そのままで商品とみなされるから。」
「そうそう。『引用です』じゃ通らない。」
■デコレーションの前・直季と由理■
「ここさ、リワインダー編の方、滅茶苦茶はしょったの判った?」
「あ、やっぱりそうですか。直季が殴られるところに比べると密度薄いですもんね。」
「そりゃそうさぁ(笑)別に直季が誰とキスしようと私はかまいませんが、こういう無神経な女はやめてほしい。もっといい女といちゃいちゃしなさい。」
「きついですね相変わらず。」
「ここではむしろ敬太がナイス! ポロッと泣いて、ぎゅっと目つぶったアトのあの顔ね。ユースケさんいいぞいいぞ! 第1幕から暖めてきた伏線キャラ、終盤で一気に炸裂だぁ!」
「敬太は『来る』でしょうね。ユースケさんてよく見るとハンサムだと思いません?」
「たぶん実物の方がカッコいいねこの人。次週予告で直季ったらまた襲われるっしょ? それって国府じゃなく敬太の仕業じゃないかなぁ。国府だったら直季生きてないべ。」
「ああそれは言えてます。そんなに甘い男じゃないですね国府は。」
「命捨ててると思うのねとっくに。仮出所した時に。世の中何が怖いって、病気と戦争と命捨てた人間だからね。」
「…なんかやけに説得力ありません? その3つ。」
「あっと忘れるとこだった。このシーンで1つ重要なポイント!」
「何かありましたか?」
「あのさ。直季ったら泣いてるクセに。由理を抱きしめちゃってるクセに。演出としてここでさ、手袋したままなのよねー。これって演出意図だと思うなー。」
「でもあのバネルのつまみをこうやって動かす時、指の角度綺麗でしたよ。ちゃんと計ってるなって感じで。」
「ああいうトコ拓哉ってしっかり意識してるっぽいよね。んでもあの手袋っていうのは…こないだの煮付けの湯気と同じことじゃないかな。八重垣くんの言った、真の恋人象徴論。」
「そんなタイトルでしたっけ。」
「いや今つけた。」
「…ありがとうございます(笑)」
■マンションにて■
「私は母と不倫相手の子だって、今頃気づくな実那子ー!と叫ぶ私はひねくれてますかね。」
「ひねくれてっていうか…多少色ガラス入ってるかなー、とは。」
「そっか。じゃあ食いもんの話題だけ行くけど、まさか実那子肉じゃがだけ作ってきたのかね。」
「いや違うでしょう…。お昼ごはん作って、その中に一品、肉じゃがが入ってたんだと思いますよ。まさかそんなねぇ…。肉じゃがだけ出されても…。」
「この次は胡麻和えだけ出されて? …そんな女は嫁にすんなー!」
■診療所■
「直季、煙草のポイ捨てやりすぎー。携帯灰皿くらい持って歩けよな、大人なんだから。火事にでもなったらどうすんねん。」
「この煙草メンソールだって言ってましたよね…。駄目ですよそんなの吸っちゃ。」
「ああ男性にはよくないそうだねメンソールはね。科学的根拠があるのかどうかは知らないけど。」
「このお父さん、やっぱりコーヒー好きですよね。」
「そうみたいねー。でさでさ、群衆の中に立ってる昔の直巳ね? さしてる傘、透明なビニール傘でしょ。ということは第1幕のラストで、ずっと離れたとこに立ってた白い傘…あれは直巳じゃないってことだよね。」
「ビニール傘でしたか?」
「うん。実那子が『お父さん…』って呼ぶシーンよく見てみ。透明な傘だから。」
「じゃあ犯人は直巳じゃないって、そういうことですか。」
「うん。犯人はやっぱ、オーキッド・スクエアの中村園長じゃないか?」
「だから違いますってそれは。」
■ドレスを見つめる実那子・輝一郎■
「シンプルなデザインのドレスだから、ハンガーに掛けてあるとどうってことないけど…これね、すごくいい生地使ってるよ。」
「タイトルバックで実那子が着てるのにも似てますよね。」
「うーん…袖がちょっと違うけども、イメージ的には近いね。」
「ウェディングドレスって、やっぱり女の人は憧れなんでしょうね。智子さんもそうでしょ?」
「それが私は天邪鬼でなぁ…。みんなと同じじゃつまんないって方で…。縫いぐるみとか着てウケ狙いたいね。」
「………」
「だからリコンすんだろ、って顔したね今。」
「次行きましょう次。」
■再び診療所■
「重たいシーンを幾つかに分割するの、このドラマの定石って感じだね。うまく関連づけててなかなかいいと思うなー。」
「実那子に父親の話をさせて、直後に直季と父の葛藤を持ってくる。これはうまいです、確かに。」
「でも犯人は直巳じゃないと思うな。直季を愛してなかったとも思えない。それなりにちゃんと可愛いがってるように取れるけどね。」
「父親って、子供が大きくなってからの方が可愛いく感じるって言いますよね。ちっちゃい時は母親まかせだったとしても。」
「そうみたいだね。でさ、直巳の左手のマリッジリング。これって今回もけっこう目を引いたと思わない?」
「そうですね。」
「あれはさ、心臓が弱かった奥さんへの想いなのか、添うことはできなかった森田加寿子への想いなのか、どっちなんだろ。」
「直巳の人生にも興味はありますね。優秀な精神科医だったのに学会からはじき出されてこんな森の中にいる…。国府の言った『壁と生きる』に近い思いを直巳も持ってたんじゃないかなぁ…。」
「かも知れないね。そういうのって、直季も30過ぎたら判るんだと思うよ。」
「やけにしみじみしましたね。」
「親子って何だろう、っていうのは私のテーマでもあるからね…。なーんちゃってシロートが偉そうに。少し夏目漱石と北原白秋と柿本人麻呂でも読んで、勉強し直すよ。」
「そうですか。」
「うん。…今さぁ、本離れが進んでるとか言うけど…本は読んだ方がいいよ。現代作家の読み易いやつばっかじゃなくて、名作とか古典のたぐいね。昔さ、教授に言われたよ。『人生を扱う学問は唯一、文学である』って。」
「智子さんて学校、好きだったでしょう。そんな感じしますよね。」
「うん、勉強は好きだったよ、数学以外(笑)。図書館が好きだったね。今も市立図書館とか行くと…ほら本の匂いってあるじゃん。あの中にいるとすごく落ち着く。インターネットがどうこう言っても、知識のデータベースはやっぱ図書館だよなとか思って嬉しくなるね。」
「―――という訳で今日は、どうしたわけかやけにしっとりした雰囲気で締めくくりましたが、この座談会も残すところあと3回、1998年の終わりをともに過ごした伊藤直季のことを、最後まで見守りたいと思います。」
「うまいっ! 八重垣節にも磨きがかかってる! いいぞサトルちゃん! よっ! 大統領ー!」
「酔っぱらってんですか? …それでは皆様、また来週までご機嫌よう。パソナリティーは私、八重垣悟と、」
「『夕ぐれは 雲のはたてに物ぞ思(も)ふ あまつそらなる人を恋ふとて
古今集巻第十一 恋歌一 読み人知らず』
この歌を全ての拓哉ファンに送るぜ! 訳せない子はメールを下さい。以上、木村智子でしたー!」
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