いったいどこに隠していたのか、越谷は大きな袋を取り出し、戦利品を袋に入れて、次に進む。
浴衣姿にミスマッチなところがこれまた素敵である。
祭りの気分を味わいたいということもあっていろいろと歩いていると、どこか見覚えのある女性のシルエットがある。もしや!越谷は急いで方向転換をしようとした。



しかし、敵の気づくほうが早く、走ってこちらにやってくる。




「あら、よしくんに真琴くん!ひさしぶり」

俺は昨日会社で会ってるよ、心の中で越谷は突っ込む。
彼女は越谷の同僚の夏樹陽子であり、越谷の親友かつ悪友なのである。



彼女も浴衣姿だ。



バストはそこまで巨大ではないが、ただの「巨乳」には見られない美しいラインを描いており、人はそれを「美乳」と言うだろう。
そんな彼女は越谷に目もくれずに真琴に抱きつく。


「今日もキュートね、真琴くんは。お姉さん、抱きつき甲斐があるわ」

そういって彼女は胸を真琴の顔にこすりつける。
当然のことながら普通はこんなことはされない。

一歩間違うと男のほうが捕まりそうだ・・・勿論、それを突っ込める人間はその場にはいない。

更に、ほんの少し・・・が触れたため、純粋培養である真琴は真っ赤になる。






「どう?いい感触でしょう。あなたの恋人にはついていないものよ〜」





これはセクハラだ。越谷の心に怒りの炎がともる。
ほかの男だったらそういうことをされて羨ましいと思うかもしれないが、あいにくと越谷は陽子に性的興味は持ち合わせていない。
人はあんな美人を好きにならないのはおかしいと言うが、幼馴染の悪友をどうやったら好きになれるんだ?というのが越谷の答えである。



まぁ、信頼を超えた深いものがお互いの中に存在するからこそ、こうやって友人の恋人に平気でスキンシップをするというのもある・・・のかもしれないが・・・。




「やっぱり陽子はスキンシップが凶悪だな〜」








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