第6話・「ド根性富樫涙の告白 大豪院邪鬼は俺の兄のカタキ」



  さて、更新が滞るとまたしても小生の記憶に何らかのバグが生じてしまい、より本来の記憶か
ら遠ざかっていきますので、小生としても出来る限り早めに更新していきたいとは考えてはいる
のでありました。でも、このコーナー見てるのは小生を除けば宇宙に一人ぐらいなので、小生
は別に頑張らずとも良いのではないか、という結論に達したわけです。めでたしめでたし。
 

 
 まぁ、そんなわけで続きです。


 超天才の手により、ついに執筆、いや熱筆、いや爆筆が開始された今世紀最後の究極の一
冊。 私はまさに、オーパーツの誕生、爆誕をその目にしていたのだ。

 しかし、光あるところに影あり。

  
 既に歴史より抹殺されてしまった、ある悲しき物語があったことをご存知であろうか?
 
 歴史の暗部に、天才の技術に触発された、悲しき男の姿が、あった。

 
 これは魔性に魅入られた私の友人の話である。
 
 彼は、その天才の能力に自分では遥かに及ばないと感じていながらも、描かずにいられなか
ったのである。
 そう、その姿はまさにキリストの後姿を見てその背中を追っていったユダのように・・・
 


 その日から、彼の研鑽の日々が始まった。研鑽といってもヤマギシ会にいった訳ではない。
と、誰もわからないボケもついでに付け加えておく。

 その研鑽の内容たるやまさにこの世の地獄。その己を幾度も発狂させる程凄惨にして絶望
的な詳細は「空手バカ一代」もしくは「カードキャプターさくら」をご覧になっていただきたい。


 まさに地獄!

 だが、信じ難いことに彼はその地獄を抜け出してきたのである・・・
 その向こうには第2地獄が広がっていることを知りながらも、彼もその足を止めようとはしな
かった・・・

 そして数週間後、彼はとうとう地獄の第8階層・マレボルギアことスポーンの敵の名前にまで
到達した彼は、ついに完成させたのだ。

 それは机の上に置かれていた。

 彼自身の命をヤスリ、それもダイソーの爪ヤスリ(使いやすい)で削りまくった魂の結晶たる2
冊の本ことただの紙屑であった。


 


 その題は、「あゆの奇妙な冒険」と「魁!パーティー」






      
         よくある同人誌だった。




 
 ここにきてついに彼は洗脳から解かれていた。裁判の際に教祖のことをじじい呼ばわりする
ような心境であったであろう彼は、侑紀(仮)にこの2冊を投げやりに提出し、ついでにこれもお
まえのと一緒に売らへんか?と提案してみた。
 が、それ売りたいんならてめえでスペース取って売りな。と冷たくあしらわれ、この件に関して
は金は一銭も使いたくなかった彼は即効でどうでも良くなったのであった。
 
 




 ・・・奥様、ここまでお話しすればもうとっくにおわかりでしょう。
 人間椅子となった私の友人と申しますのは実は私自身なのでございます。



 


            〈モドル〉    〈続く〉